「ケイ×ヤク -あぶない相棒-」第5話レビュー:一狼はやっと素直になれたのか。獅郎の優しさがさく裂する(※ストーリーネタバレあり)
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鈴木伸之、犬飼貴丈出演の「ケイ×ヤク -あぶない相棒-」が2022年1月13日より放送スタート。講談社「Palcy」で連載中の薫原好江による同名原作漫画を実写化した作品だ。
公安警察の捜査官・国下一狼(鈴木伸之)が、上司からの命令で暴力団「峰上組」の若頭・英獅郎(犬飼貴丈)を監視し始める。やがて、英獅郎は闇の会員制サロンを運営していることが発覚し……?
本記事では、第5話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「ケイ×ヤク -あぶない相棒-」第5話レビュー
莉音(栗山千明)が生きていた。その喜びを噛みしめつつも、一狼(鈴木伸之)も獅郎(犬飼貴丈)も同じ気持ちを抱いていたはずだ。「何故、殉職したように装ったのか」
そんなふたりに向かって、莉音は4年前の真実を話し始める。
莉音が当時追っていたのはある国の諜報活動。その中で怪しい男を見かけたため尾行していると、その男が大須総理大臣の息子・匡(吉村界人)と接触している現場を目撃する。
しかし、それ以上の捜査にはストップがかかり……。
捜査中断に納得がいかない莉音に声をかけたのが田口(徳井義実)だった。田口と共に捜査を続ける莉音だったが、実際に命を脅かされることになる。殉職を装ったのは、莉音を守るためだった。
また、獅郎のマンションに田口が訪ねてくる。そこで莉音たちが追っていた案件と、20年前の東京テトラビル爆破事件には繋がりがある。爆破事件の犯人はすでに出頭して死刑判決を受けているが、まだまだ裏があるのでは? と考えていたのだ。
ただ、爆破事件の捜査は手づまり状態。
そこで、田口は一狼と獅郎を接触させることで、また事件の糸口が見つかるのではないか、と期待していたのだ。
田口も自分なりの正義を持ってやっているのはわかるのだけれど、基本的に部下を使ってしか動いていないので、獅郎と同じく「自分は安全な場所から指示だけしよってからに!」と思わなくもない。
ただ、確かに田口の作戦がなかったら、莉音は本当に殺されていたかもしれない。
物語の根源は、東京テアトルビル爆破事件にある。一狼の両親は死に、獅郎たちが慕っていた男性が犯人として逮捕された。そして、事件が起こった日は一狼と獅郎の誕生日。
この事件の真相を突き止めないことには、ふたりはずっと苦しみ続けることになる。
一狼は獅郎を突き放す。犯人を殺したいと思っていた、と語る一狼。獅郎にとって大切な人を目の前にしたとき、自分が何をするかわからない。だから、そんな気持ちで獅郎の肩は借りられない。
前の獅郎だったら「じゃあ勝手にしろよ」とか言いそうだが、「だったら、なおさら一緒にいねえと」と一狼の肩を抱く。
「誰がお前を止めんだよ」
一狼がずっと心の中に抱え続けた憎しみ。両親の死を受け入れられず、泣くこともできなかった。頑なだった一狼の心を、獅郎の存在と言葉がほぐしていく。そうして、一狼はやっと泣くことができた。ふたりの関係がまたひとつ、強固なものとなった瞬間だった。
回を追うごとに、獅郎のヤクザとしてのギラギラが失われていく。きっと、本来の姿に戻っているのだろう。それが、今後どう作用するのか。
とりあえず、獅郎は一狼のことがもう好きなんだろうな……。でも一狼ははっきり言わないと絶対に気がつかないタイプだと思う。
おまけ映像では、1枚の毛布の中、背中合わせで眠る様子があったけれど、獅郎は眠れたのだろうか。あんな状態、ドキドキしすぎて眠れなさそうだけれど……。
(文:ふくだりょうこ)
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