「50×45 感謝祭 Anniversary LIVE & SHOW」の裏側で起っていたこと。そこから感じたリバイス愛
2020年1月。
コロナ禍になる直前。
まだ新型コロナなんて言葉を知らなかった頃、日本武道館から初めて横浜アリーナに会場を移して開催された「超英雄祭2020」へ『仮面ライダーゼロワン』のキャストトークパートのMCとして出させていただいた自分は大興奮。
1万人以上のお客さんが目の前にいるステージに立つのは初めての経験で、会場の奥まで続く無数のペンライトはとても綺麗でした。
その1年後の2021年初頭、コロナ禍真っ只中。
感染対策のガイドラインに沿った人数制限をした上で、この年も開催されようとしていた「超英雄祭2021」。
ありがたいことにまたご指名いただけたにも関わらず、緊急事態宣言発令と、さらに勢いが増した感染状況によって中止という判断が下されました。
こればっかりは悔やんでみたところで仕方のない話。
自分にできることは新型コロナによって英雄祭が中止に追い込まれようとも、日々、愛を持って仮面ライダーの、そしてスーパー戦隊の、特撮の応援を続けるだけ。
しばらくするとスケジュールに“50×45感謝祭 日本武道館 仮”の文字が。
そのときの自分の感情は、また呼んでいただいてうれしい気持ちと、もう中止にならないで、という気持ちが入り混じっていました。
頼むから無事に開催されてほしい。
「50×45 感謝祭 Anniversary LIVE & SHOW」の“ライダーDAY”がある2月26日まで、あと何日かをカレンダーで数える日々を過ごす。
どうやら開催中止はないであろう日程まで迫ってくるも、そこからは自分が感染しないかの細心の注意を払いまくる。
もし感染するなら早めに、しかし2週間切っての感染はマジ勘弁。
有無を言わさず参加不可は辛すぎる。
濃厚接触者にすらなりたくない。
もはや出演させていただくからどうのこうのという話ではなく、単純に「感謝祭」を楽しみたい。
なんとか直前の抗原検査も陰性を示し、感染することなく当日の朝を迎えた僕の口から漏れたのは「おー、耐えた…」という言葉。
僕個人でもこんな感じなのに、運営されてるスタッフさんの苦労は想像を絶します。
そしてチケットを買っていた皆さんの中には同じ様に苦悩された方もいらっしゃると思います。
本当にご苦労様でした。
ここまでくれば、あとは最大限に楽しむだけ。
楽屋に入ってすぐにキャストトークショーの打ち合わせ。
なんと男だらけの打ち合わせ風景。
さくら役の井本彩花さんとアギレラ役の浅倉唯さんが、体調不良により出演できないと聞いたのは前日の晩。
悲しすぎる。
しかし、いくら残念だと思ってもこればっかりは仕方ありません。
ステージに移動してリハーサル。
去年あったはずの武道館のステージに1年越しで立つ。
横浜アリーナとはまた全然違う。
感動は一旦置いて、段取りを確認していく。
あっという間にリハを終え、楽屋に戻るや否や、動き出したのはジョージ狩崎役の濱尾ノリタカさん。
出演できなくなってしまった井本さんと浅倉さんの為に、お客さんのペンライトのカラーを2人のキャラカラーにする時間が欲しいと提案。
僕にそれを差し込めるかを確認し、スタッフさんにも技術的な確認とその尺があるかの確認を。
しかも一度だけでなく、何度も何度も。
中心となって進めていく濱尾さんと、それにしっかり応えていく『仮面ライダーリバイス』のキャストさん方をみて、放送がスタートした9月から今までずっとキャスト全員で「リバイス」への作品愛を培ってきたんだなと強く感じました。
そうこうしてる間に待ちに待った開演。
昨年聴くことのできなかった『仮面ライダーセイバー』の楽曲が初っ端から武道館に鳴り響く。
チケット発売のタイミングも功を奏して、お客さんがフルのキャパで埋まる席。
待ってましたとばかりに、去年中止になってしまった憂さまで晴らす様に振られるペンライトは琴線に触れまくりで涙腺が一気に緩みます。
そしていざ、トークパート。
登壇してみて驚いたのはリハのときとはまったく違う、武道館の魅力。
すごく広いのにお客さんとの近さも感じる濃縮された空気、一体感。
そんな中、打ち合わせした通りに濱尾さんきっかけでお客さんのペンライトがジャンヌカラーとアギレラ様カラーに切り替わる。
当然ながら、発声は控えるようにアナウンスされているため、コロナ禍前のようなうねる声援は聞くことはできません。
しかし、声は聞こえずとも漏れ出る熱量みたいなものは不思議と、そして確かに感じることができて、また目頭が熱くなりました。
トークパートの後は怒濤のごとく続くライブパート。
特撮の楽曲はどの曲もとてつもないパワーを持っていて、この特殊な時期だからこそもらえる力もあったりして本当に最高な時間が続きました。
泣きました。
心震えました。
ありがとうございました。
次回開催される時には、声を上げて応援、熱唱できる状況になってることを祈りつつ、また日々、特撮愛を育んでいこうと思います。
(文:篠宮暁)
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