2022年03月11日

映画『ウェディング・ハイ』関水渚インタビュー「無事に撮影を終えられたのは先輩の支えのおかげ」

映画『ウェディング・ハイ』関水渚インタビュー「無事に撮影を終えられたのは先輩の支えのおかげ」


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ドラマ「架空OL日記」(2017)や映画『地獄の花園』(2021)などで脚本家としても活躍する芸人・バカリズムの脚本を、映画『勝手にふるえてろ』(2017)『私をくいとめて』(2020)で多様な女性像を体現してきた大九明子監督が映画化。

3 月12日(土)公開の映画『ウェディング・ハイ』は、中村倫也演じる新郎・彰人と、関水渚演じる新婦・遥の結婚式を舞台に繰り広げられるドタバタ群像コメディ。幸せな二人の門出を祝う会のはずが、参列者それぞれの思惑が絡み合って、結末は予想できない展開になっていく。

今回、作中でフレッシュなウェディングドレス姿を披露している、遥役の関水渚にインタビュー。これまで結婚式への参列経験はないという彼女が、無事に撮影を終えられたのは「先輩の支えのおかげ」だと話してくれた。

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バカリズム脚本作品出演で「夢が叶った」


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――今作は、結婚式を題材にしたお祭り騒ぎのコメディですね。最初に脚本をご覧になったときの率直な印象を教えてください。

関水渚(以下、関水):もう、脚本の時点ですっごく面白くて。リアリティのある設定やセリフがいたるところに盛り込まれていて、不思議な魅力のある脚本だなと思いました。どのキャラクターのセリフも、実際に日常生活で使っちゃう言葉ばかりで。バカリズムさんの脚本には、言葉にこそリアリティがあるんですよね。

――関水さんご自身、バカリズムさんの大ファンだとお聞きしましたが。

関水:そうなんです! とくに「架空OL日記」が大好きで、映画も観に行かせてもらいました。バカリズムさんの脚本作品に出演するのが夢だったので、今回、それが叶って嬉しいです。

――大九明子監督の『勝手にふるえてろ』や『私をくいとめて』もご覧になっていたんですよね。撮影現場では、どんなやりとりを通して役を深めていったんでしょうか?

関水:大九監督は、基本的に「なんでもやってみて!」と、役者が自由に動くのに任せてくれる方でした。「次は試しにこうやってみて」と提案してくださるときでも、必ず最初に「面白い!」と褒めてくださるので、私を含めキャストの皆さん全員が生き生きとしていたように思います。

いつも笑顔で、大九監督が現場にいてくださるだけで、パッと場が明るくなるのが印象的でしたね。


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遥という役を深めるにあたっても、監督が事前に設定を作ってくれていたので、とても助かりました。たとえば、中村さん演じる彰人と遥が暮らす自宅のなかには、二人それぞれのお気に入りのスペースがあったり、観葉植物の位置にもこだわりがあったり。

その設定を元に、役者が動いて、それを見た監督がさらに面白いことを提案してくださる。そのやりとりを通じて、私も自然と遥という役柄をつかめたんだと思います。

――作品自体も明るく、お祭りのような雰囲気の作品ですが、撮影現場も和気あいあいとされていたんですね。

関水:とっても明るい現場でしたね。大九監督も明るくて面白い方だし、キャストの方も皆さん優しい方ばかりで。

私が演じた遥の元同級生で、一緒にダンス部で活動していた設定のキャストさんたちも、私自身は余興の練習に加わっていないのに自然と仲間に入れてくださったんですよ。いまも連絡を取り合っていて、まるで本物の同級生みたいな間柄になれました。撮影の合間に恋バナで盛り上がったのが忘れられません! 

結婚式で一番こだわりたいのは?


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――今作では新婦役として結婚式の撮影に臨まれていますが、撮影の前後で新婦役に対するギャップは感じられましたか?

関水:私、これまで結婚式に参加したことがないんです。なので、今回の撮影が私にとっての初・結婚式体験になりました。

撮影を終えてあらためて、結婚式は私の予想以上に周囲の方々の力によって成り立っているんだな、と思ったんです。自分たちのために、時間と手間をかけてスピーチや余興の練習をしてきてくれて……。みんなの力あっての結婚式なんだなと実感しました。

――篠原涼子さん演じるウェディングプランナーさんも、最高の結婚式にするために動いてくれていますね。

関水:常に笑顔を保って、式がうまくいくことだけを考えて動いてくださっている。まさにプロだなと思いました。自分自身、気持ちが落ち込んでいる日もあるかもしれないのに、人の幸せを思って動けるのはプロ意識の表れですよね。

もしも、私だったら……正直厳しいかもしれないです。自分のメンタルを問わず、人の幸せを願って式のお世話をしないといけないのは。だからこそ、篠原さん演じる「NOと言わないウェディングプランナー」の中越には、尊敬しかありません。


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――関水さんご自身、結婚式には細部までこだわりたいタイプですか?

関水:どうなんでしょう……。もともと、自分にとって大事だと思うポイントには、こだわりを見せるタイプなんです。なので、実際に自分の結婚式を挙げるとなったら、謎のこだわりポイントがあるかもしれないですね(笑)。とくに、食事にはこだわりたいかも!

――食事といえば、作中には大きなウェディングケーキも出てきますね。

関水:ウェディングケーキって、いまは可愛いものがたくさんありますよね。味にもこだわりたいですし、理想のウェディングケーキを実現させるまで、時間がかかるかもしれないです。

先輩に支えられながら乗り切った撮影


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――関水さんにとって、今回いちばん印象に残っている撮影現場でのエピソードはありますか?

関水:やっぱり、クランクインの当日に、中村さんと初めましての状態で夫婦の仲良しシーンを撮影したのが、いまでも印象に残っています。

一日かけて撮影したんですが、私は緊張してしまっていて……。でも、中村さんがすごく気さくに話しかけてくださったおかげで、自然体に近い形で撮影に臨めたんです。先輩にリードしていただき、支えていただきながらの撮影でした。


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――今回、中村倫也さんとは初共演ですが、印象に変化はありましたか?

関水:テレビで見るままの、穏やかな雰囲気の方でした。スタッフの方にもキャストの方にも気配りを忘れない、優しい方。取材のときなんかも、みんなに話をまわしたり、リアクションしてくださったりして。さすがだなと、見習いたい点が多すぎました。

あと、撮影現場の待ち時間に、わざわざ漫画を買ってきてくださったんです。「読んでみて!」って貸してくださって、私も何作か読みました。あまり自分で新しい漫画を開拓するタイプじゃないので、いろいろと教えてもらえて嬉しかったです。中村さんのおかげで、世界が広がりました。


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――中村さん演じる彰人とやりとりするシーンは、印象的なシーンが多いですね。結婚式の細部までこだわりたい新婦と、心中ではどっちでもいいと思っている新郎という構図は、現実世界でもありそうです。関水さんがパートナーに求める最優先の条件は何ですか?

関水:やっぱり、思いやりがある人がいいですね。ただ優しいだけだと「優柔不断なだけかな?」と思ってしまうので。思いやりが感じられて、かつ優しさも深い人だったら、かなりグッドポイントです。

なんでも遥に合わせる彰人の態度は、人によっては受け取り方が分かれるかもしれません。私自身は、相談したときになんでもかんでもアドバイスされるよりは、たとえ適当な返事だったとしても「わかるわかる〜」って言ってくれるほうが嬉しいかも(笑)。

最近の「ハイ」はウィンドサーフィン!


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――本作のタイトル「ウェディング・ハイ」にちなんで、ついついハイテンションになってしまう趣味などがあったら教えてください。

関水:最近、父の影響でウィンドサーフィンを始めたんです。まだまだ始めたばかりなんですけど。海や自然が大好きなので、ボードに乗って風を受けている瞬間に、開放感を感じますね。

あまりマリンスポーツには詳しくなかったんですけど、夏になるとどうしても海を見たくなって。でも、いざ海に行ってもすることがないのが悩みだったんですよね。父に教えてもらいながらウィンドサーフィンに挑戦してみたら、少しずつ波に乗れるのが楽しくなってきて。これからの季節、海を感じるのにぴったりですよ。

――最後に、関水さんからみた映画のおすすめポイントを教えてください。

関水:キャラクター全員が個性的なので、ぜひ一人一人の頑張りに注目してほしいです。余興も、皆さんそれぞれ時間をかけて練習されていたので、その熱量が演技のパワーとなって表れていると思います。ぜひ劇場で、そのパワーを受け取ってください!


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(撮影=八木英里奈/取材・文=北村有)

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