映画コラム

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2022年03月21日

『ベルファスト』は“21世紀モノクロ映画”の傑作 <cinemas short>

『ベルファスト』は“21世紀モノクロ映画”の傑作 <cinemas short>



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「cinemas short」は、話題の映画やドラマを短く簡潔に紹介する特設コーナー。

今回紹介する映画は『ベルファスト』。

ベルファストで生まれ育ったバディ(ジュード・ヒル)は家族と友達に囲まれ、映画や音楽を楽しみ、充実した毎日を過ごす9歳の少年。たくさんの笑顔と愛に包まれる日常は彼にとって完璧な世界だった。

しかし、1969年8月15日、バディの穏やかな世界は突然の暴動により悪夢へと変わってしまう。プロテスタントの暴徒が、街のカトリック住民への攻撃を始めたのだ。住民すべてが顔なじみで、まるで一つの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断されていく。暴力と隣り合わせの日々のなか、バディと家族たちは故郷を離れるか否かの決断に迫られる……。

“21世紀モノクロ映画”の美しさを堪能できる映画



どういう気持ちで鑑賞したか


鑑賞前の時点ですでに多くの映画賞に輝いていること、監督がケネス・ブラナーということで、期待値が高かったです。また個人的には大学の卒論で”北アイルランド問題”を取り扱ったこともあって、気になるテーマでした。

実際鑑賞してみてどうだったか


『ジョジョ・ラビット』をはじめとした「少年(=ケネス・ブラナーの分身)の目線から厳しい現実を描く」という系統の作品でした。

また『ROMA/ローマ』以降、新たな21世紀のモノクロ映画が1つの潮流になりつつあります。
『ベルファスト』以外にも、モノクロ映画には『Mank/マンク』『カモン、カモン』『パリ13区』『GUNDA/ウンダ』といった名作があります。

『ベルファスト』は「モノクロ描写によって浮かび上がる事柄がある」ということを教えてくれました。

その中でも何が良かったか、推せるか


事前知識が無いと少し難しく思える部分もありますが、“ベルファスト”と“アイルランド”の事柄を補えればすんなりと映画に入れます。

事の詳細を知らない子供の目線から描くことで、伝わりやすいドラマになっている印象です。当時の子供たち(ケネス・ブラナーを含む)が夢中になったカルチャーの描写は楽しくなります。

どういう人にオススメか


丁寧な人間ドラマ、歴史ドラマを好きな方はやはり見逃せない1本と言えるでしょう。

賞レースにも深く関わっている作品なので、クオリティの高い人間ドラマを見たい人はオススメです。

(文:村松健太郎)

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公開に関する情報

『ベルファスト』 

2022年3月25日(金)より公開

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