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2022年05月07日

「先生のおとりよせ」好きなものを好きと言えない世の中なんて……橋本マナミの台詞に感服の第5話

「先生のおとりよせ」好きなものを好きと言えない世の中なんて……橋本マナミの台詞に感服の第5話

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向井理×北村有起哉がタッグを組む、新感覚グルメドラマ「先生のおとりよせ」が2022年4月8日よりスタートする。

中村明日美子、榎田ユウリの共著による同名作で、向井はドSで無愛想官能小説家・榎本遥華を、北村はフェミニンでドMな漫画家・中田みるくをそれぞれ演じる。

本記事では、第5話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「先生のおとりよせ」第5話レビュー

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第5話「さらけ出す嗜好」

コラボ作品の主人公である“花魁バンパイアKYOKO”のキャラクターデザインにどこか納得できない榎村(向井理)と中田(北村有起哉)のもとにかかってきたのは、二人の理想の女性である編集長の今日子(橋本マナミ)からの電話だった。

「もっとお二人のことが知りたいんです。熱く濃密な、そんなひと時を過ごしましょう……」

気品と色気を兼ね備えた、美の化身である今日子にそんなことを言われたらもう一溜まりもない。かくして、お食事会を開催することになった3人。榎村と中田は今日子と仕事以上の関係を築くため、彼女の胃袋とハートを掴む“おとりよせ”選びに励む。

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「鉄板の上で焼かれたい」とお好み焼きを選んだ中田に、「編集長が生の手で巻いてくれる」手巻き寿司を選んだ榎村。さすがは官能小説家と美少女漫画家、清々しいほどに助平でよろしい。

そんな二人がしのぎを削った“おとりよせバトル”の結果、お食事会の主役に選ばれたのは、蓬莱本館の肉まんや餃子、焼売などの点心が詰め込まれた3人セットだ。

蓬莱といえば、551の豚まんが有名。だが元を辿ると、1945年に創業された蓬莱食堂から暖簾分けされ、「蓬莱本館」「蓬莱別館」「551蓬莱」の3つの会社ができたという。またひとつ、おとりよせに関する知識が深まった。

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「一体どれが主人公なの!? みんなにスポットが当たってて、まさにいいとこどり!!」

中田の台詞通り、今回は3人の食レポを堪能できる。思わずゴクリ……と生唾を飲み込んでしまいそうな今日子の官能的な食レポ。榎村の雑学たっぷりな為になる食レポも、中田のユーモア溢れるドMな食レポも、それぞれ個性があって面白い。

何よりこのドラマに“よく考えられているな”と感心させられるのは、毎回登場するおとりよせがコラボ作品のヒントに繋がるところだ。

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肉まんのように人は包み隠されたものにこそ、興味をそそられる……。今日子もまだ、すべてをさらけ出せないでいた榎村と中田の皮を剥ぎにここにやってきたのだ。

今日子に迫られ、二人はそれぞれ包み隠していた嗜好をバラし合う。榎村の小説に出てくるような女王様好みの中田と、中田の漫画に登場する萌え系巨乳好きの榎村。主人公のKYOKOに女王様感が足りない、巨乳度が足らないと心の中では思っていた二人だが、嗜好と作品は別物と割り切ろうとしていた。

「誰かの外見を否定的に扱えば、それはルッキズムでしょうけど、好きなものを好きと言うのは何もおかしなことではありません。むしろ、好きなものを好きと言えない世の中の方がクソ喰らえだわ」

今日子様…! いや、橋本マナミ様…!と感服してしまった。たしかに美しいと感じる対象はそれぞれで、誰かに否定される筋合いはない。この有無を言わせない迫力とカリスマ性は橋本マナミにしか出せないであろう。

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今日子のアドバイスで、ようやく榎村と中田はKYOKOを満足のいくキャラクターに仕立てることができた。

「おめでとう! 今日から君は“フェミおさ”(フェミニン系おじさん)だ」「じゃあ貴方は乳クラさんね! デカ乳クラスター、略して乳クラ。おめでとうございます!」と言い合って爆笑する、中学生のような二人が微笑ましい。

台詞なのか、アドリブなのか判断がつかない向井理と北村有起哉のやりとりに大満足の第5話。コラボ作品の完成も近づいてきているが、今からこのドラマの最終回が来ると思うともの寂しい気持ちになるのだった。

(文:苫とり子)

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