特撮ファンが喜ぶ小ネタ満載!「ゼンキラセンパイ」の見どころを語る

■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会



現在絶賛公開中の『機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』。

やっと見てきました。

定番のスーパー戦隊ネタにひねりを加えて、崩しにかかった「キラメイジャー」。

スーパー戦隊そのものの概念を覆そうとした「ゼンカイジャー」。

挑戦した上で見事に成功させたこの2戦隊が共演するわけですから、面白くないわけがありません。

案の定、最っっっ高でした。

「ドンブラザーズ」では、クールで謎に包まれている介人ですが、本作では全力全開でバカをやってくれる介人を久々に見ることができました。

好みはきっと人それぞれだとは思うんですが、僕はやっぱり全力全開の介人の方が好きです。

そして介人のみならず、全力全開で思いっきりはじけてくれるゼンカイジャーの面々。

テレビ放映時、バラエティに富んだ名乗りで毎回楽しませてくれていたゼンカイジャーは、当然今作でもぶっ飛んだ名乗りを披露。

締めはスーパー戦隊史上最難易度とも言われている、キラメイジャーのポーズをモロパクリ。

一瞬だったので全体像でしか捉えられなかったんですが、キカイノイドの4人がどんな無理な体勢になっているのかを後日、あらためて確認したいと思います。

それに引っ張られてキラメイジャー達も焼肉名乗りに。

名乗りに関して、個人的にはやはりゼンカイジャーに軍配が上がったかなというところ。

ですが、キラメイジャーもバカさ加減では引けを取らない。

そうです、今回も時雨の万力が。

「何回、万力に頭挟まれるねん」

「確かにあの初回の万力はインパクトあったけど、時雨のいいシーンはもっと他にもあったやろ」

などとは思いつつも、やはり万力が好きなので笑ってしまいます。



この映画の一番の見どころからあげるとやっぱりゴーカイレッドとツーカイザーの共演。

ツーカイザーがゴーカイレッドを見て何を言ったのか、ゴーカイレッドがツーカイザーを見て何を言ったのか、マーベラスもゾックスも先輩後輩関係なく、海賊同士でバチバチにやり合う様はまさに豪快にして痛快。

マーベラス役の小澤亮太さんもゾックス役の増子敦貴さんも、お二方ともとんでもない色気で、男の自分ですらもクラクラきました。

その色気に勝るとも劣らないのが、久々の登場となるルパンレッドこと夜野魁利。

久々に見せる華麗なワイヤーアクション、これぞルパンレンジャー。



見どころはこれだけではありません。

とにかく思わずニヤリとしてしまう小ネタがてんこ盛りでした。

お土産の中にエネトロンが混じってたり、それを飲んだり、大食い戦隊メンバーが召喚されたり二代目キレンジャーが来たり、放映当時牛角のタイアップがあったデカレンジャーが焼肉食べてたり(誰が覚えてんねん)。

あとゴレンジャーハリケーンからのもえあずさん登場は、さすがに笑いました。

ゴレンジャーハリケーンだから、何の違和感もなし。

ジュランのダンスもコタツワルドの回で一人奮闘した時をオマージュしてたし、山口恭平監督がきっとこだわって撮ったであろうシーンを堪能できます。

また、視覚的だけではなく、聴覚的にもたくさんの刺激が。

覚えてるものだけでも、あげていくと、魁利が介人に対して圭一郎を匂わす発言したり、世間を騒がせた快盗と過去形になってたり、お宝は金庫にしまっておかないとと忠告したり、快盗と介人をかけたシーンがあったり、充瑠の名言「限界は越えないためにある」がまた聞けたり、ジュランの口からサンジョというワードも聞けたりと、映画鑑賞中、ほっぺたが緩みっぱなし。

脚本を担当された香村純子さんのスーパー戦隊愛溢れるセリフが、この他にもたくさん入ってました。

極めつけはエンディングのゼンカイダンスとキラメイダンスのミックス。

「平ジェネ」の時の浅倉大介さんが作ったミックスではなく、テンポも合わせてない実に踊りにくい音。

でもそれが、ゼンカイジャーらしさ全開でもう最高。

“VS”らしいシーンももちろん入っていて、満足度はとんでもないことに。

1回見ただけでは堪能しきれないほど濃厚だったので、また見て新たな発見をしたいと思います。

(文:篠宮暁)

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