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2022年06月13日

「鎌倉殿の13人」第23話:成長した次世代の姿、一方で頼朝に陰りが……?

「鎌倉殿の13人」第23話:成長した次世代の姿、一方で頼朝に陰りが……?



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2022年のNHK大河ドラマは「鎌倉殿の13人」。三谷幸喜 脚本×小栗旬 主演で描く北条義時の物語。三谷幸喜曰く「吾妻鏡」を原作としており、そこに記されきれていない部分を想像と創作で補い、唯一無二のエンターテイメント大作に仕上げているという。

本記事では、第23話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「鎌倉殿の13人」第23話レビュー


頼朝(大泉洋)……あんたって人はほんとうにもう……とため息をもらしてしまった第23話。
しかし、戦がない世を作り出すために戦を続けてきた頼朝にとっては不穏な回でもあった。

成長著しい金剛と万寿の登場


今回の舞台は巻狩り。巻狩りとは、猪や鹿をしとめる大規模な狩りのことを言う。これが万寿(金子大地)の“初陣”となる。

巻狩りには御家人たちが集まっており、賑やかだ。義時(小栗旬)と金剛(坂口健太郎)もいる。
大河ならではあるが、突然大きくなった万寿と金剛。金剛登場時には「成長著しい金剛」のテロップが。著しすぎる(が、実年齢よりもなんだか幼く、かわいく見えるのがさすがである)。

みなが見守る中、なかなか万寿は成果があげられない。そんな中、金剛は早速小鹿を仕留める。万寿に「射てみろ」と言われて射れば鳥に命中。思わず謝る金剛。仕方がないわ、まだ10歳だもの……

どうにかして万寿に獲物を射止めさせてやりたい。そこで比企能員(佐藤二朗)は動かない鹿を1頭用意してほしい、と言い出す。つまり、インチキで手柄をあげさせてやろうということだ。
翌日、万寿は大人たちの芝居のおかげで鹿を射ることができた。射ることができたというより、「射た事実」が作られた。しかし、万寿もこの企みを気づかなかったわけではない。

万寿は金剛に「いつか自分の力で鹿を仕留めてみせる」と決意を明かす。この巻狩りだけで十分すぎるほどに2人の関係性が分かったように思う。
万寿も良き鎌倉殿になる素質はあったのだろう。でも、きっと周りの大人たちが潰していったのではないか。

頼朝が死んだ? デマが混乱を呼ぶ


そして巻狩りの水面下で動いていたのが曽我兄弟の襲撃だ。かたき討ちと見せかけて、頼朝を討つ。時政(坂東彌十郎)も烏帽子親ということで、謀反と知らずに1枚かんでいる。義時、時政は畠山重忠(中川大志)の協力を得て、頼朝の守りを固める。

また、ほかにも企みが動いていた。能員が比奈(堀田真由)を巻狩りの宿舎に呼んでいたのだ。もちろん、頼朝を喜ばせるためである。巻狩りに政子(小池栄子)はいないもの……。デレデレと鼻の下を伸ばす頼朝。おまけに、三日目の夜、比奈のもとに忍んで訪れる。が、そこには義時の姿も。比奈の居所を探っていた工藤祐経(坪倉由幸)の動きを不審に思って、念のためにとやってきていたのだ。

諫める義時に頼朝は一言ビシリと「お前と女を取り合うのは、もうごめんじゃ!」。
あまりにも八重(新垣結衣)と義時が仲睦まじく、かつ八重が幸せそうだったので忘れていた……確かにそんなこともあった。
送っていこうという義時を振り払い、頼朝はひとり部屋を出ていってしまう。

一方、頼朝の寝所には曽我五郎(田中俊介)が侵入していた。そして、寝ていた頼朝を討ち取り、首を取る……が、これは頼朝のフリをしていた祐経だった。

しかし、御家人の間では情報が錯そうする。頼朝が死んだ、万寿も安否は定かではない……そんな情報が鎌倉にも飛ぶ。一足先に鎌倉に戻っていた能員は頼朝が死んだと信じ込み、頼朝の弟・範頼(迫田孝也)に鎌倉殿になるように迫る。大江広元(栗原英雄)らは反対するがまとまらない。頼朝の安否がわからないことで鎌倉はパニック状態となっていた。

範頼は頼られ、良かれと思ってしたこと……しかし、これが身の破滅へとつながっていく。一方、頼朝にも陰りが見え始める……。


(文:ふくだりょうこ)


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