「鎌倉殿の13人」第28話:定まらぬ評議、迷走する頼家
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2022年のNHK大河ドラマは「鎌倉殿の13人」。三谷幸喜 脚本×小栗旬 主演で描く北条義時の物語。三谷幸喜曰く「吾妻鏡」を原作としており、そこに記されきれていない部分を想像と創作で補い、唯一無二のエンターテイメント大作に仕上げているという。
本記事では、第28話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「鎌倉殿の13人」第28話レビュー
「鎌倉殿の13人」による評議が始まった。
しかし、よく知っている者の名前が出てくると、それぞれ味方してしまう北条側と比企側。
梶原景時(中村獅童)は「これでは評議になり申さぬ!」と声を荒げるが、時政(坂東彌十郎)も比企能員(佐藤二朗)もそのために人数を増やしたようなもので……。
当然、頼家(金子大地)は反発。独自で若い者たちを率いるようになる。
父・頼朝を超えたいという気持ちが分かるが、空回りするばかりだ。
そんな中、頼家は安達盛長(野添義弘)の息子・影盛の妻・ゆうと良い仲になっていた。現代風に言えば、不倫である。
頼時(坂口健太郎)は人の道に反していると意見するが、頼家は聞き入れない。
そして、盛長と景盛に「ゆうをくれ」と言う。
景盛はもちろん、盛長もこれを拒否。頼朝に長らく仕えていた盛長だが、「首をはねられても心は変わらない」ときっぱり。頼家もそれで引き下がればいいものを、安達親子の首をはねるように命じてしまう。景時も止めるが聞かない。
そこに登場したのは母の政子(小池栄子)である。
不倫をし、相手に夫に妻を譲れと言うが、拒否をされて力づくで奪おうとするものの、母に叱責される……。
冷静になったらダサすぎる。それも、自分の部下たちの前でやっているのだ。
そして、出てくるのが「父上も同じことをやっていたではないか」という言葉。
全国のお父さん、観ていますか……子どもはしっかりと親の背中を見ていますよ……。
でもきっと、頼朝なら自分の腹心の家族構成や年齢ぐらいは把握していたと思うが。
そんな頼家の行動はさらに御家人からの信用を失うことになる(そりゃあそうだ)。
そこで景時は、頼家への不満を口にした結城朝光(高橋侃)をみせしめに殺すことを提案。
景時は頼家に反発心を持つ御家人を一気に排除するつもりだったのだ。
義時(小栗旬)はこれ以上、景時に対する御家人の反感を大きくしたくない。事を荒立てないために、三浦義村(山本耕史)、畠山重忠(中川大志)、和田義盛(横田栄司)に相談するが、結果、事態は更に大ごとに……。
景時の力を削ぐためだけのはずが、流罪にまで話は進んでしまう。
上総広常を斬った景時。それから、頼朝の信頼を得、頼家の元でも重要な役割を担っていた。御家人たちの不満は募っていたのだ。
見ていると、出る杭は打たれる、という言葉を思い出す。
誰かひとりが大きな力を持つのは嫌で、できれば自分がお山の大将になりたい。
もしかしたら、政治とは国とは、そういうものなのかもしれない、と思ってしまう。
そして、名君になりえたかもしれない人物も潰す。
結果、景時は行動を起こす。
刀は斬り手によって名刀にも鈍らにもなる。鈍らでは終わりたくなかった、という景時。
また、鎌倉から有能な人物が去っていく。
そして、善児という刀が景時から義時へと渡る。
八田知家(市原隼人)が見た目だけでなく、話し方もウェッティで気になるだとか、義村に「お前は裏に回るには見栄えが良すぎる」と言われ、「そうですか、やはり見栄えが……」と言う重忠とか(妙に顔のアップ+凝視する義盛)とか、一瞬和むシーンもある。が、それがかすむぐらいにほかのシーンが今後の地獄を予感させて恐ろしい。善児(梶原善)が置き土産なのも、りく(宮沢りえ)の笑顔も怖い。
(文:ふくだりょうこ)
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