「テッパチ!」7話:二部(部隊編)スタート!”一部ロス”を乗り越えられるか!?
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町田啓太主演フジテレビ系ドラマ「テッパチ!」が2022年7月6日より放送スタート。
陸上自衛隊を舞台にした本作は、町田啓太演じる主人公・国生宙を含めた自衛隊候補生たちの熱き青春と成長を描いた物語。佐野勇斗や佐藤寛太など次世代を背負う若手役者が多数出演することでも話題を呼んでいる。
本記事では、第7話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「テッパチ!」第7話レビュー
諸説あるが、自然科学者・ダーウィンの考えから残されていると考えられる、以下のような言葉がある。「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き残るのでもない。唯一生き残るのは、変化する者である」
第7話から開幕した二部を見守りながら、じわじわとこの言葉が脳裏に浮かんだ。強くても賢くても、宙(町田啓太)や馬場(佐野勇斗)は生き残れない。この”地獄”のような環境に慣れていかなければ、自衛官として生きてはいけないのだ。
戸を叩いた先にいたのは、なんとも個性豊かな先輩たち。
一等陸曹で班長、お酒が大好きな筋トレマニアリーダーの大木(久保田悠来)。
ギャンブル好きのバツイチ先輩・金子(桐山漣)。
爽やかナルシストイケメン・風間(工藤阿須加)。
優秀な自衛官だが、太鼓持ちと嫌味っぷりが鼻につく野村(結木滉星)。
寮の部屋を訪れるや否や、水鉄砲の乱射で出迎えられる宙と馬場。その後も、飲み会参加を強制され「班長の良いところを10個挙げろ!」と言われたり、歓迎会にも関わらず飲み代を全額払わされたり、先輩の私物に気を使いながらホコリ一つ残さない掃除を求められたり、筋トレ中にボディビルダー大会が開催されたり……。
つらい訓練生時代を乗り越え、晴れて自衛隊員としての一歩を踏み出したが、扉を開けたらそこは地獄でした。
物語の終盤では、熱烈すぎる歓迎やコンプライアンスに引っかかりそうな指導は、あくまで「不測の事態に備えるための訓練」だとされていた。本来は、無意味な上下関係などなく、フラットで優しい先輩たちなのだろう。
一部で描かれた、仲間との友情&成長と比較すると、あまりにも酷なスタートだった。いわゆる”ロス状態”に陥った視聴者も多かったのではないだろうか。
健太(藤岡真威人)や八女(北村一輝)も登場し、宙たちの挫けそうな心をケアしてくれる。できれば今後も定期的に一部メンバーに登場していただきたい。
さて、本格的に自衛官として出動した宙。
災害現場から、地域住民を避難所へ誘導する役まわりに立った宙は、初出動なこともあり慌ててしまう。亡くなった主人の位牌や喘息の薬など、忘れ物を取りに帰りたいと騒ぐ住民たちを宥めるのに必死だ。代わりに忘れ物を取りに行っている間、あるトラブルが起こる。
スケートボード選手としてオリンピック出場も控えていた芝山(水沢林太郎)に怪我を負わせてしまったのだ。
「指示があるまで待て」と言われていたにも関わらず、彼が勝手に動いたせいで負った怪我であり、宙に責任はないように思われる。しかし、自衛官である以上、自分の勝手な判断で持ち場を離れた負い目は無視できない。
初出動で失敗してしまったことを気に病む宙。入院中の芝山自身にも謝りに向かうが、邪険に追い返されてしまう。
どうしてこんなことになったのか。なぜ訓練の成果を出せなかったのか。自衛官になった意味とは?
さまざまな思いがグルグルとめぐるなかで、またもや八女の言葉が刺さる。
「何よりも大事なのは、命だろう」
「俺たちは、それを守るためにいるんだ。それが俺たちの使命だ」
その後、大木班長が言ってくれた「お前たちは、何もできなかったわけじゃない」と合わせ、折れかけた心を立て直させてくれる言葉たち。
極限状態に追い込まれる市民たちを守り、命を救う自衛官たちを支えるのは、自身の使命を思い出させてくれる強い言葉なのかもしれない。
(文:北村有)
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