
井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.)が主演、犬飼貴丈が共演するドラマ「なれの果ての僕ら」(テレビ東京系)が、2023年6月27日深夜にスタート。
内海八重の同名漫画を実写化した本作は、命の危機の極限状態に追い込まれた人間たちを描く衝撃の予測不能サスペンス。同窓会に参加したクラスメイトたちの監禁劇の行方は果たして――?
CINEMAS+では毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。
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もくじ
※話数は、確認次第随時更新します。
第1話ストーリー&レビュー
第1話のストーリー
同窓会のために母校に集まったネズ(井上瑞稀)ら元6年2組の23人は、3日間監禁され、13人死亡すると言う大事件に巻き込まれた。監禁したのは、かつてのクラスメートの夢崎みきお(犬飼貴丈)。みきおの目的は、命の危機という極限状態で、人間の“善性”がどれだけ保てるのかを試すことだった。誰が誰を裏切り、誰が誰を殺すことになるのか…。復讐、いじめ、裏切り、暴露など、壮絶な予測不能な展開が待っていた!
>>>「なれの果ての僕ら」第1話の予告をYouTubeで見る
第1話のレビュー
6月27日の深夜からはじまった「なれの果ての僕ら」(テレビ東京系)。
同名漫画の存在は知っているが、あえて未読のまま最終話までコラムを書いていきたいと思う。
観終わった感想から話すと、かなりのヘビー級な展開に驚いてしまった。
1話30分のストーリー展開ですでに2名が死亡。
しかも、独りはバラバラ、もう一人は濃硫酸で即死と残酷の極みとしか言いようがない。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
夢崎みきお(犬飼貴丈)の提案により「同窓会」に集められた元6年2組の23人。
楽しい会になると思って自分たちが学んだ小学校の校舎の門をくぐった。
ネズ(井上瑞稀)とその彼女の桐嶋未来(大原櫻子)も付き合っていることを隠したまま参加。
まさかそこから3日間監禁され、死者が出るとはこの時は予想できない。
1話目から事件の顛末までに触れているので、最終的には13名が死んでしまうことがわかっている。
逆にそれが恐怖心をあおる、あおる。
かなりグロい描写もあるものの、みきおが人間の心理を問う難問を出題していくので、ただ殺し合いを見させられるというよりも、自分がその場にいたら…と考えさせられる。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
とにかく首謀者のみきお役の犬飼の演技が圧倒的だった。
涼しい顔で淡々と狂気を演じる姿にゾクゾク。
監督は映画『愛なのに』(2022年公開)、映画『女子高生に殺されたい』(同)など、話題作を次々に手掛ける城定秀夫。
今後は雛形あきこや森カンナも出演するとあって、これは話題になることが予想できる。
観続けるにはかなりの覚悟が必要だけど、「怖いもの見たさ」という人間の心理をついた作品であることには間違いなさそう。
そう言えば、夏休みに同窓会のお誘いメールが来ていたな…。
参加を予定していたが、ちょっと躊躇している自分がいる。
※この記事は「なれの果ての僕ら」の各話を1つにまとめたものです。
–{第2話ストーリー&レビュー}–
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
監禁されたネズ(井上瑞稀)ら23人は、夢崎みきお(犬飼貴丈)の行う実験により、弱さと醜さを浮き彫りにされていく。 最初の実験は、「毒の請け負いリレー」。毒を飲んだ仲間に解毒剤を渡すためには、別の人が代わりに毒を飲まなければならない。それを7回繰り返せば実験終了。お互いを信じ、二人が毒を飲んだが、次に指名された雨宮(大原優乃)は、過去にされたいじめについて謝ってくれないと毒を飲まないと言い始める。
第2話のレビュー
人間の善意について知りたいという夢崎みきお(犬飼貴丈)の身勝手な疑問に付き合わされることになったネズ(井上瑞稀)ら、四ノ塚小学校元6-2の同級生たち。
第1話では2名が死亡。
今回は何名が犠牲になってしまうのか…。
初回でドラマの雰囲気がわかったので、今回もきっと…と、身構えてしまう。
そして、第2話からは森カンナが登場。
なぜ事件が起こったのか、生き残った生徒たちにその真相を聞き取りをしていく記者、星野薫子役だ。
ドラマは教室で起こったことと、星野による取材が同時進行で進み、残忍な殺人事件の全貌が明らかになっていく。
***
まずは10分で溶ける毒入りのカプセルを1人目が飲まされ、くじ引きで決まった次の人がすんなり飲めば1人目に解毒剤が打たれる。
これを7人でリレー方式で繋げることが今回のミッションだった。
そう、教室では「毒の請け負いリレー」がはじまっていた。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
1人目に指定されたのは及川(草野大成)。
抵抗しながらも毒を飲み、くじで決まった「委員長」と呼ばれている橘公平(ゆうたろう)につないだ。3人目に選ばれたのは雨宮鈴子(大原優乃)だったが、小学生のときに委員長にいじめを受けていたことから飲むことを拒否。命乞いをする委員長を見て、飲むことにした雨宮だが、元クラスメートの前で委員長の過去の陰湿ないじめを暴露した。
そこでみきおが
「気持ちよかった? 委員長の悪事をさらして、お陰で彼は命と引き換えに信頼を失った」と、ニヤニヤ。
なるほど。
みきおはクラスメートの過去を利用して、人間の内面の汚い部分をさらけ出そうとしているのか。
クラスメートは命の危機が迫る中、助かりたい一心で自分をさらけ出していく。
人が死ぬ様子を見るのも辛いが、人間の汚い本質を見させられることも苦痛。
これは2重苦だ。
たった30分のドラマだが今回もぐっと身を乗り出し、肩に力を入れて視聴していた。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
結果、第2話では小清水唯(阿部凛)と相沢すみれ(北原ゆず)が毒により、死亡。
まだまだ続く死のゲーム。
ネズは「俺がなんとかするから」と正義感を見せるが、これがかえってクラスメートたちの怒りを買うことに。
13人死亡まであと9名…。
こんなカウントダウンは決してしてはいけないのだが。
※この記事は「なれの果ての僕ら」の各話を1つにまとめたものです。
–{第3話ストーリー&レビュー}–
第3話ストーリー&レビュー
第3話のストーリー
“善”の本性を暴く実験「毒の請け負いリレー」が終わり、全員でカレーを食べていると、突然、相沢(北原)が吐血し死亡する。ネズ(井上瑞稀)たちは何者かの毒殺を疑うも、犯人は見つからない。 最悪の空気の中で、ユーチューバーのしょーやんのカメラには、偶然にも山口(中村里帆)が毒を入れている姿が映っていた。夢崎みきお(犬飼貴丈)はみんなの手で山口を裁く「学級裁判」を提案するが、この裁判が、全員の狂気を加速させていく。
第3話のレビュー
みきお(犬飼貴丈)を殺す計画が未来(大原櫻子)の発案により仲間内で話題になったものの、その案はすぐに消える。
なぜなら未来の彼であるネズ(井上瑞稀)が拒否したからだった。
「なんで殺したくないの? ミキオ君のこと……友だちだから?」
という未来の質問にネズは
「それもあるかもしれない。でも、わかんない。生きて罪を償ってほしいのかもしれない。死んだら全部なくなるから…」
たしかにそれも一理ある。
しかし、この状況ではみきおが生きている限り、犠牲者は増えていく一方だろう。
現に教室ではクラスメートがパニックを起こしていた。
例えが悪いかもしれないが、箱の中に腐ったミカンが一つあると、隣にあるミカンが腐っていくように、教室の同級生一人ずつ狂っていく様子が手に取るようにわかる。
これも、みきおの言う”実験“なのかもしれない。
第3話では前回、すみれ(北原ゆず)のカレーに毒を混入し、死に追いやった犯人がわかった。
それは、山口茉莉花(中村里帆)だった。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
茉莉花を責めるクライメートたち。
そこへみきおが登場。
そして、この中で唯一大人である担任の桜庭先生(我妻三輪子)にみきおは
「こういう時、6年2組はどうしてた? 答えてください」と銃を向けた。
***
現代に戻り、記者の星野薫子(森カンナ)が取材するのは生き残った一人である水島カイト(矢花黎)だ。
あの事件以来、食事がまったく摂れず、口にする水分もすべて味がしないという。
生き残った人の苦労は今も続いているようでこれもまた辛い。
水島がポツポツと当時の状況を話すが、まだまだ真相はわからない。
教室ではすみれを毒殺させた茉莉花の「学級裁判」がはじまっていた。
茉莉花は、すみれを殺した理由は当時、すみれと小山内彩(椛島光)によるいじめが原因だと泣きながら吐露。
しかし、仲間を殺した罪は重いことから茉莉花は「服毒による死刑」、そして当時、すみれと一緒にいじめをしていた彩は「手の指を一本折る刑」という判決が下された。
毒により茉莉花が死ぬシーンよりも、彩が悲鳴をあげながら指を一本折られるシーンのほうが痛々しくゾワゾワした。
みきおによる“実験”はまだまだ続きそう。
この先のことを想像しただけでも背筋が凍る——。
猛暑日が続くこの季節にはぴったりのドラマかもしれない。
※この記事は「なれの果ての僕ら」の各話を1つにまとめたものです。
–{第4話ストーリー&レビュー}–
第4話ストーリー&レビュー
第4話のストーリー
夢崎みきお(犬飼貴丈)は、ネズたちを3グループに分け、スタンフォード監獄実験を模した新たな実験を開始する。各グループ内で看守役と囚人役を決め、看守が囚人に対して与えた肉体的な痛みがポイントとして加算されるという実験。合計点数の一番低いグループの看守は殺されるが、全員が何もせず0点だった場合は実験が終了する。疑心暗鬼が進む中、6年2組の信頼が試される、地獄のゲームが始まっていく。
第4話のレビュー
元6年2組のメンバーはそろそろ親が通報し、自分たちを助けてくれるのでは? と期待するも、なかなか助けが来ない。
ここまで5人が死亡し、気持ち的に落ち込む同窓生たち。
「もう誰も殺させない」とつぶやくネズ(井上瑞樹)だが、その想いは無残にも打ち砕かれることに——。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
新たな実験「グループで競え!監獄ロックでロックンロール実験」を実行させるためにみきお(犬飼貴丈)は、クラスを4つのグループに分けてリーダーと副リーダーを決めさせた。
リーダーになったのはネズ、委員長(ゆうたろう)、葉月(紺野彩夏)、月岡(吉田怜香)だ。
お互いの信頼を試すという実験だが、内容がまたひどい。
リーダーと副リーダーは看守で、残りのメンバーは囚人。
看守は囚人に対して何をしてもいい。
体を殴れば10点、顔を殴れば50点とどんどん加算されていく。
一番点数が低かったグループの看守は死ぬことに。
逆に点数が高かったグループの看守は明日の実験を免除されるというものだった。
しかし、全グループが0点であれば残りの実験は中止。
そして、全員解放すると言った。
これを聞いたリーダーたちは、
「気を確かに持っていれば大丈夫」
「ここで終わらせよう」
と誓い合い、それぞれの教室に入っていった。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
ネズは教室に戻っても他のメンバーに実験の内容を話さず「今日はもう何もないよ」と安心させた。
なんて優しい人なんだ。
委員長は、「俺は俺を一番信用していない」とメンバーを殴ってしまうかもしれないと、自分で自分を拘束。
葉月は冷静に実験が終るまで待った。
リーダーたちは、0点のまま実験を終わらせるために必死だった。
夜が明けて、みきおに召集をかけられたリーダーと副リーダー。
はずき、委員長、ネズと0点だったが、最後の月岡チームだけが2530点だった。
この結果に落胆する他のリーダーたち。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
「月岡チームの勝ち!」と言って月岡に拍手をしたみきお。
そして「君のやったことはぜーんぶ無駄だったんだよ」と言われ、月岡は発狂しながら教室を出ていってしまった。
月岡チームはなんと礼夏(工藤遥)1人を拘束し、顔面を殴り続けたのだった。
その結果の2530点。
顔の腫れた工藤遥が痛々しい。
親友の礼夏を裏切ったことで現在も苦しむ月岡は、「死ぬべきは礼夏ではなく、私でした」と記者の星野(森カンナ)に涙ながらに語った。
と、いうことは、礼夏に死亡フラグが……。
ラストシーン。
横たわる誰かの横でみきおがたたずんでいた。
ネズが見に行くとそこには顔を潰された坂本(倉本琉平)の死体が。
「僕は知らない。殺したのは誰だ?」と考え込むみきお。
第4話はそこまで残虐なシーンがなかったので安心していたが、最後の最後で「あぁ……。」とため息が出てしまった。
まだまだ続く死の実験と殺し合い。
こんな同窓会、本当に勘弁してほしい……。
※この記事は「なれの果ての僕ら」の各話を1つにまとめたものです。
–{第5話ストーリー&レビュー}–
第5話ストーリー&レビュー
第5話のストーリー
弱さと醜さを浮き彫りにした実験も2日目。朝、みきお(犬飼貴丈)は坂本の死体を発見する。誰が坂本を殺したのか、みきおが個別に探りを入れると、秘密やうそが明らかになっていく。その密告を受け、みきおは、全員を天使と罪人に分け、天使が罪人の中から1人ずつ助ける人を選ぶという実験を開始する。罪人側にいるネズは、無事選ばれるのか。必要な人を選び、不要な人を切り捨てるという恐怖の実験が幕を開ける。
>>>「なれの果ての僕ら」第5話の予告をYouTubeで見る
第5話のレビュー
坂本(倉本琉平)が何者かに殺されたため、みきお(犬飼貴丈)は全員のアリバイを調べることに。
みきおは、ネズ(井上瑞稀)の彼女、未来(大原櫻子)を疑っているようだ。
そして、未来と付き合っていることがみきおにばれていることに動揺するネズ。
数年前までは教室で一緒に学んでいた仲間に疑われたり、憎まれたり…挙げ句、殺される……。
なぜこんなことになったのだろうと、元6年2組のメンバーたちは思っているはず。
同窓会というと、久しい仲間に再会し、当時を懐かしむことのできる甘酸っぱい会のイメージがあったが、同ドラマを観て真逆の側面もあることを知った。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
みきおは教室に全員を集め、「はないちもんめ 改」という実験をすると宣言。
クラスを天使7人と罪人8人に分け、天使が罪人の中から「助けたい人」と「いらない人」をそれぞれ一人ずつ選ぶように指示した。
助けられた人は、手首と足に就けられた結束バンドを切ってもらえるが、いらない人に選ばれた人はナイフで切りつけられる。
選ばないといけない天使と選ばれる罪人、どちらにとっても地獄だ。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
このゲームでは前回のゲームで仲間に裏切られた礼夏(工藤遥)の演技が光っていた。
筆者にはアイドルのイメージが強く、今回のドラマで初めて演技をする姿を見たが、目に勢いがあり、クラスメイトの中でも存在感はピカイチ。
礼夏とみきおのシーンには息を呑んだ。
結果、天使から切り付けられた回数の多かった、「いらない人」に選ばれたのは、クラス一の目立ちたがり屋のしょーやんこと杉田将矢(新原泰佑)だった。
「この中で不要な人間はしょーやんでした」と嬉しそうに話すみきお。
怒りに震える、しょーやん。
しょーやんの怒りは次週、爆発しそうな予感……。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
みきおの考えた「はないちもんめ 改」という実験は、人の愚かさと弱さが浮き彫りにされた実験だった。
同ドラマは、残虐なシーンが多いものの、人間の醜さを、まざまざと見せつけられ、考えさせられることが多い。
今回は初めて殺される人がいなかったのでほっとしたが、まだまだこの先も死者が出ることがわかっているだけに苦しい。
しかし、ここにきて最後までみきおの実験に付き合ってみたいと思えるようになった。
みきお自身は最後まで生き残るのか?
それともみきおもどこかで息絶えてしまうのか……。
まだまだ地獄の実験は続く――。
※この記事は「なれの果ての僕ら」の各話を1つにまとめたものです。
–{第6話ストーリー&レビュー}–
第6話ストーリー&レビュー
第6話のストーリー
みきお(犬飼貴丈)が強いた「不必要な人」を選ぶ残酷な実験で、誰からも必要とされなかったしょーやん(新原泰佑)は壊れてしまう。自暴自棄になったしょーやんは、誰彼構わず襲いかかる。水野(矢花黎)や早乙女(菅生新樹)らがなんとか取り押さえるも、変わらずしょーやんへ歩み寄るネズ(井上瑞稀)。しかし、ネズの想いは届かず、しょーやんは隙をみて、背後からネズを襲う。この出来事が、最低最悪の展開へとつながっていく。
第6話のレビュー
第6話を観終わった視聴者からは
・もうエグすぎて無理
・苦しすぎる展開だけど、どんどん引き込まれた
・ネズの闇堕ち感がすさまじい
・こんなの放送してもいいの?
と筆者と同様に衝撃を受けた様子だった。
さて、内容はと言うと……。
「はないちもんめ・改」が終了すると、ユーチューバーで目立ちたがり屋のしょーやん(新原泰佑)の暴走が始まった。
ネットでは人気者だった自分が、元6年2組の小さなコミュニティでは「いらない人間」のレッテルを貼られ、暴れまくる。
そのまま屋上に向かって走って行ってしまった。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
みきお(犬飼貴丈)は、「あーあー壊れちゃった。彼を追い詰めたのは君たちだよ」と全員に責任を擦りつける。
ネズ(井上瑞樹)がしょーやんを探しに行くと、ほとんどのクラスメートが屋上へ。
そこでレンガを振り回すしょーやんの犠牲になったのは、未来(大原櫻子)とネズのカップル。
ネズが目を覚ました時にはそこに未来の姿はなかった。
葉月(紺野彩夏)と雨宮(大原優乃)に未来のことを聞くと、下を向く2人……。
未来の死を悟ったネズは、その場で「ぶっ殺してやる」と怒りに震えていた。
いつも優しく、ここまで争いごとを回避しようと懸命に立ち回ってきたネズの表情の変化にはゾクゾクした。
しょーやんと同じくネズも完全に壊れてしまった。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
第6話のしょーやんとネズの鬼気迫る演技は圧巻そのもの。
2人の消費カロリーはいかほどだっただろう。
未来の死によってネズの悪のスイッチが入ると、事件はさらに複雑なものへ展開していった。
レンガを持ったままみきおに向かっていくしょーやん。
殺す気まんまんでみきおに向かっていったが、みきおのほうが何枚も上手だった。
いつもと変わらない冷静なみきおを演じた犬飼。
現在放送中の「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ系)では先生役を演じているが、犬飼もカメレオン役者と言える。
「動」というよりも「暴」のしょーやんに対して「静」のみきお。
この対比が視聴者の心をぐっと掴んで離さない。
結果、みきおに拳銃で撃たれ、そしてレンガで顔をボコボコに潰されたしょーやんはここで息絶えた。
一部始終を見ていた礼夏(工藤遥)、小山内(椛島光)、黒田(西村拓哉)、長谷部(佐久本宝)の4人も狂ってしまったに違いない。
ここで現在の映像に変わる。
記者の星野(森カンナ)と留置所の面会室で向き合っているのはネズだった。
ネズが生存者の一人だったことがわかり、ホッとしたのも束の間、また過去に戻る。
屋上から教室に戻ってきたネズとみきおの対峙が始まった。
なぜこの同窓会を開こうと思ったかをみきおに聞くと、これは実験だという。
みきおは、心理学者である母、夢崎亜夜子(雛形あきこ)から
『人間は極限状態になると、”善性”を保たれることはない。なぜなら生存本能があるから。しかし、ごく稀に善性を保てる人がいる』
ということを聞いていた。
このことに興味を持ったのでネズで”実験”したという。
「この実験は君を試すためだけに用意したんだ。君を追い詰めるためなら誰が死んでも構わなかった。つまり…君のせいでみんな死んだんだ」
またもや全ての責任はネズにあるかのように話すみきお。
何を言っているんだ!と言わんばかりの理屈だが、みきおは淡々と話す。
そして拳銃をネズの手に渡し、自分に拳銃を向けると
「さぁ。君は僕を殺せるかな?」
と”実験”の本題に入った。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
この時のみきおのワクワクとした表情が恐ろしかった。
それよりも怖いのが、このシーンをモニター越しに見ているみきおの母だ。
そう、みきおの母はすべてを見ていたのだ。
とんでもない展開に驚いたが、冷静に考えるとこれはみきおの実験ではなく、心理学者の母の実験なのかもしない。
はたしてこの実験の行方は……
※この記事は「なれの果ての僕ら」の各話を1つにまとめたものです。
–{第7話ストーリー&レビュー}–
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
恋人・未来(大原櫻子)を失い、憎しみにかられたネズは、みきお(犬飼貴丈)からこの実験はすべてネズの善性を試すためにあると聞かされる。自分のために死んでいった仲間を思い浮かべ、狂気に苛まれたネズは、みきおに銃口を向けるが、どうしても撃てなかった。
絶望感に襲われた全員にみきおは、次の実験を始めるという。3人の生徒に武器と権限を与えるこの実験が、心を蝕み、最悪の事態へとつながっていく。
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第7話のレビュー
「さぁ、ネズ!僕を殺すんだ」
とみきお(犬飼貴丈)にたきつけられても拳銃の引き金を引かなかったネズ(井上瑞稀)は、「復讐はなにも生まない。生きて罪を償わせる」と涙目で言った。
この言葉を聞いたみきおは、微笑みながら「最高だよ」と善性を保ったネズを称えた。
この時のみきおの心情を想像する。
いくらネズでも恋人が殺されたら善性は保てず、怒りの矛先を自分へ向けるだろう。
そして、「母との実験」によって自分の人生はここで終わると思っていたかもしれない。
しかし、ネズは善性を保った。
みきおはまだ自分が生かされる運命にあることを喜んだのか、それとも絶望したのか……。
ニヤニヤしているが、狂気に満ちた表情から彼の本心をくみ取ることはできなかった。
二人のやり取りを見ていたクラスメイトたちは、ネズがみきおを殺してくれていれば……と誰もが思ったに違いない。
一部では、みきおとネズがグルなのでは? と疑いだす人も。
ここからさらに死者がでることはわかっている。
たしかにネズがみきおを殺し、終止符を打っていれば犠牲者が出ることはなかったかもしれない。
そう考えるとみきおを殺さなかったネズの行動は、本当に”善性“なのだろうか。
ふと疑問が生まれる。
恋人の死とみきおを殺せなかったことに落ち込むネズに、優しく声をかけたのは雨宮(大原優乃)だった。
「ネズ君のためだったらなんでもする」と言う雨宮に、自分を殺してくれと迫るネズ。
雨宮が躊躇していると、「できないなら俺が殺してやる」と言って、雨宮の首を絞めだした。
しかし、殺せない。
謝りながら泣きじゃくるネズに「私は何があってもネズ君の味方だから」と、さらに不要な優しさをみせる雨宮。
自分の命に危機が迫っている環境下で「あなたのためならなんでもする」、「あなたの味方だから」と、甘い言葉を吐く……。
なぜ彼女には他人の心配をする余裕があるのだろう。
次にみきおが提案した実験は、グループに分けてその中から絶対的な権力を持つ王様を決めるというものだった。
しかもこれまでとは違い、王様が決まったらみきおが所持している拳銃を王様に渡すと言う。
葉月(紺野彩夏)のような冷静沈着なタイプの人が王様になれば、これで実験が終る可能性が高い。
しかし、長谷部弘二(佐久本宝)のような自暴自棄タイプの人間がなれば、さらに混乱を招いてしまう。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
みきおが起こした事件を取材している記者、星野(森カンナ)によると、みきおは「この日」何者かによって殺されるという。
みきおが死ぬ?
ということは、事件の幕引きは近いのかもしれない。
しかし、このまま大きな事件が起こることなく終わるとは思えない。
はたしてネズや元6年2組のクラスメイトの運命は……?
※この記事は「なれの果ての僕ら」の各話を1つにまとめたものです。
–{第8話ストーリー&レビュー}–
第8話ストーリー&レビュー
第8話のストーリー
みきお(犬飼貴丈)は、黒田(西村拓哉)、葉月(紺野彩夏)、長谷部(佐久本宝)にクラスメイトに強力な電流を流すことができるボタンを渡す。屈服させ、痛めつけることも可能な武器を前に、3人は再び“善性”を問われることになる…。ある人は、心を強く持ち、仲間のために自己を律し、ある人は権力を前に堕落し、暴力と支配の味を覚えていく。一方、ネズ(井上瑞樹)は、実験の隙を見て、みきおに会いに行く。
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第8話のレビュー
みきお(犬飼貴丈)の実験により、3人の王様が選出された。
葉月(紺野彩夏)、長谷部弘二(佐久本宝)、黒田大輝(西村拓哉)はそれぞれ“王様”としての自分の支配下にあるメンバーに接する。
葉月と黒田は冷静さと優しさを保ち、メンバーに危害は加えない。
しかし、長谷部だけは自分の支配下のメンバーに傍若無人に振る舞い、とことん痛めつけていた。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
そこへ、葉月と早乙女(菅生新樹)が止めに入る。
「こんなことして許されると思っているのか?」と早乙女が問い詰めると長谷部は、
「別にいいだろう。王様なんだから。俺みたいな奴がいないと成り立たねぇんだよ。この世の中は」と高笑いする始末。
長谷部を演じる佐久本は、犬飼が演じるみきおとはまた違った狂暴性のある演技で魅せる。
佐久本といえば、映画『怒り』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
その後も「3年A組-今から皆さんは、人質です」(日本テレビ系)や、連続テレビ小説「エール」(NHK)に出演と、注目を集めている若手俳優の一人だ。
その佐久本に対抗するのは、俳優で歌手の菅田将暉の弟の菅生新樹。
実力のある若手同士の緊迫した空気感は、こちら側にもバンバン伝わってくる。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
別の教室では、みきおとネズ(井上瑞稀)も対峙していた。
なぜ今回こんな騒動を起こしたかというと、「幼少期に植え付けられた感情から人は解放されるのか」ということを実験したかったからだという。
だからといって、元クラスメイトを巻き込んでするような実験ではない。
幼少期に植え付けられた感情から解放されないまま大人になったのは、みきお!あなただよと言いたい。
ラストシーン。
ネズと雨宮(大原優乃)がみきおのいる教室に入っていくと、倒れたみきおの姿が。
気を失っているだけかもしれないのにネズは
「死んでる……」と判断。
少し唐突すぎるこのセリフには違和感がある。
一目見ただけで死んでいると判断したことから、殺したのはネズか?と予想してしまうが、誰が殺したのかはまだわからない。
みきおが死んだことですべてが終ると思っていたが、予告を見るとここから新たな事件が起こるようだ……。
みきおは誰の手によって終焉を迎えたのか。
そして、どうやってこの物語は幕を閉じるのか。
最後までしっかり見届けたい。
※この記事は「なれの果ての僕ら」の各話を1つにまとめたものです。
–{第9話ストーリー&レビュー}–
第9話ストーリー&レビュー
第9話のストーリー
みきお(犬飼貴丈)の死体を見つけたネズ(井上瑞稀)。みきおは何者かに殺されていて、2丁の拳銃の行方も分からない。この中に、みきおを殺した犯人がいる。皆が動揺する中、雨宮(大原優乃)が突然、「未来(大原櫻子)がいない」と言い始める。急いで遺体を確認しに行くと、あるはずの場所に未来の遺体がない。さらに雨宮は「未来はまだ生きている」と言う。一方、石井(工藤遥)は黒い感情を抱え、悶々と過ごしていた。
第9話のレビュー
「生きて罪を償わせる」というネズ(井上瑞稀)の願いは虚しく、みきお(犬飼貴丈)が死んだ。
みきおの死によってクラスメイトは「終わった……」と一瞬、安堵したが、みきおの首には誰かに絞められたような跡がある。
ということは、殺人鬼と化してしまった人物がこの中にいるということだ。
明らかな悪がいなくなったものの、今度は目に見えない悪と戦わないといけなくなり、さらに恐怖心が増す。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
そんな中、雨宮(大原優乃)からとんでもない告白が……。
死んだはずの未来(大原櫻子)が生きていて、みきおを殺したのは未来だという。
「未来が生きている……?」混乱するネズを礼夏(工藤遥)は、「よかったな、ネズ。彼女が尻ぬぐいしてくれて」と手を叩いて笑う。
さらに「でも可哀そうにな。ネズのせいで未来のきれいな手が血で汚れちゃってさー」とたきつける。
半狂乱のネズは未来の姿を探しに教室を飛び出していった。
あぁ、ここでもネズが責められる。
なぜ何も悪いことをしていない「正義」と「善」のネズが責められないといけないのだ。
第9話は、礼夏と、長谷部(佐久本宝)の鬼気迫る格闘シーンにハラハラした。
みきおの実験が始まってから常にトラブルを抱えていた二人。
最後はもみ合った末に階段を転げ落ち、みきおがしかけた罠である”濃硫酸シャワー”を浴びることになる。
いがみ合う2人が苦しみ、もがき、そして黒焦げになりながら抱き合うような形で息絶えた姿は、同ドラマの中で観た死の中で最も惨い。
なんでこんな形で死を迎えないといけないのか、しかも憎む相手と。
残酷極まりない描写が容赦なく視聴者を襲う。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
残酷と言えば、最初から実験をすべて傍観していたみきおの母、亜夜子(雛形あきこ)もひどい。
自分の息子が未来に殺されるところも観ていたようで
「可哀そう……。最後まで実験を完遂できなくて。だからこの実験は私が引き継ごうと思ってるの」と言って笑う。
完全に狂っている。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
屋上には今度こそ息絶えた未来の姿が……。
その横に呆然と未来を見つめるネズ。
「この中の誰かに殺された。誰が未来を殺したのかそれがわかるまでここから逃がさない」
と、言って仲間に拳銃を向けた。
そう、みきおの実験は違う形でネズに引き継がれてしまった。
事件解決の16時間まで、さらにこの中から2名が死ぬことになるようだ。
と、いうことは……みきおが死んでからもさらに5名のクラスメイトが死んだことになる。
最終回も間近。
元6年2組のクラスメイトはどうやってこの負のループから抜け出すのか……。
いや、校舎を出られたとしても結局のところ負のループは続くのかもしれない。
※この記事は「なれの果ての僕ら」の各話を1つにまとめたものです。
–{第10話ストーリー&レビュー}–
第10話ストーリー&レビュー
第10話のストーリー
未来(大原櫻子)を殺した犯人を探すため、クラスメイトに銃口を向けたネズ(井上瑞稀)。仲間たちを監禁し、1人ずつ尋問を始めるが、未来を殺した犯人は見つからない。その様子を監視カメラ映像を通じて見ていたみきお(犬飼貴丈)の母・亜夜子(雛形あきこ)は、ある願いを聞いてくれれば、未来を殺した犯人探しに協力すると提案する。全ての謎が明らかになる監禁事件の最終日、ネズのこの行動が、巧妙に隠された闇を暴いていく。
>>>「なれの果ての僕ら」10話の予告をYouTubeで見る
第10話のレビュー
恋人の未来(大原櫻子)を殺した犯人をどうしても許せないネズ(井上瑞稀)は、みきお(犬飼貴丈)の銃を手に犯人捜しをすることに。
生き残ったクラスメイトからしたら、終わりのない恐怖の同窓会”第2章”がはじまったような気分だっただろう。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
記者の星野(森カンナ)が留置所のネズと面会しているシーンで、新たな事実がわかった。
「大切な人を失った時、何も考えられなくなる……」
ボソッと当時を振り返ったネズに
「わかります。私も大切な人をあなたに奪われたので」と言って、ネズのことを睨みつけた。
なんと星野の”大切な人“があの中にいたのだった。
これこそ負の連鎖。
これまで「善人そのもの」のようだったネズが狂ってしまった様はある意味、みきおや長谷部(佐久本宝)よりも怖いかもしれない。
そこへみきおの母、夢崎亜夜子(雛形あきこ)が登場。
息子が死んだというのに平然とネズに未来を殺した犯人を捜す手助けをしてあげる、と言ってきた。
みきおの実験を手助けし、監視カメラの映像も見ていたという。
しかも、見返りとして特等席でこの事件を最後まで見たいと懇願してきた。
心理学のプロだかなんだか知らないが、本当に信じられない。
そもそも、みきおがあんな風になったのもすべてこの人が原因だ。
まさに諸悪の根源と言える。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
「俺たちは生きて帰らないと!」
委員長(ゆうたろう)や早乙女(菅生新樹)、雨宮(大原優乃)らが懸命にネズの暴走を止めようとするが、時すでに遅しとはこのこと。
ネズは「お前が殺したんだな、早乙女」と言って、早乙女に銃を向けた。
ええ?早乙女が?
これまで一番信頼できそうなタイプの早乙女が、なぜ未来を殺したと言うのか?
次週、この恐怖の同窓会がようやく終わる。
※この記事は「なれの果ての僕ら」の各話を1つにまとめたものです。
–{第11話ストーリー&レビュー}–
第11話ストーリー&レビュー
第11話のストーリー
警察やマスコミが学校を包囲する中、ネズは同級生の早乙女(菅生新樹)に銃口を向けていた。未来(大原櫻子)を殺したことを認める早乙女に詰め寄るネズ。犯人を自分の手で殺す…ネズが復讐を果たそうとすると、思わぬ人物が声を上げる…。そんな中、画面越しに一同を見守っていたみきお(犬飼貴丈)の母・亜夜子(雛形あきこ)が動き出す。ついに52時間に及ぶ少年犯罪史上最悪の事件が終息へと向かう。
>>>「なれの果ての僕ら」第11話の予告をYouTubeで見る
第11話のレビュー
「お前らの中に噓つきの殺人鬼が紛れてるんだよ!!!」
と、未来(大原櫻子)を殺した犯人は、生き残ったクラスメイトの中にいると疑うネズ(井上瑞稀)。
早乙女(菅生新樹)が犯人だと考えたネズは、銃口を早乙女に向けた。
発砲しようとしたところ、葉月(紺野彩夏)が語り出した。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
葉月が言うには、今回の事件はもともとみきお(犬飼貴丈)と坂本(倉本琉平)が裏で組んでおり、いじめっ子の谷口(松原冬真)を二人で殺したところからはじまったという。
谷口と言えば、初回でロッカーからバラバラ死体になって出てきた生徒だ。
坂本とみきおの犯行を知ってしまった葉月は、坂本にみきおの暴走を止めてほしいとお願いした。
しかし、当然止めるわけがない。
坂本は突然、葉月に襲い掛かってきたという。
首を絞められながら、坂本の目に自分の髪止めを突き刺した葉月。
これは立派な正当防衛だと思う。
この時点でクラスメイトに助けを求めたらよかったのに、そこへ早乙女がやってきて葉月のことを守るためにブロックで坂本の顔面をぐちゃぐちゃにし、トドメを刺した。
早乙女は懸命に「事故だったんだ。葉月は殺すつもりなんてなくて…」とネズに言い訳をするが、早乙女が話をややこしくしてしまったことは否めない。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
さらに葉月は未来を殺した理由を語る。
坂本を殺した時にイヤリングを屋上に落としたことに気づいたため、屋上に向かうと未来がいたという。
ミキオを殺したことに絶望していた未来を葉月は、「未来がみんなを守ってくれたんだよ」と慰める。
そこで終われば良かったのに未来は、
「葉月はなんで坂本君を殺したの?」と言って、握りしめていた葉月のイヤリングを見せた。
あわわわ…。
そこは今、触れなくてもいいんじゃない? と思ったのも束の間、
自分が坂本を殺したことが、未来にバレたとわかった瞬間、葉月は反射的に未来を蹴り続け、死に至らしめたと泣きながら告白した。
女子が、女子を殺すまで蹴り続けるなんて…
筆者はこんな殺人方法を見たことがない。
これは相当、恨みがないとできない行為ではないだろうか。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
未来の死の真相を理解したネズは「俺が未来の復讐を果たしてやる!!!」と今度は葉月に銃口を向け、「終わりだ」とつぶやいた。
あぁ、これで終わるのか、と思っていたところ、なんとネズが撃ったのはちょうど教室に入ってきたみきおの母、亜夜子(雛形あきこ)だった。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
へ?
「どうして……」と、か細い声で言う亜夜子。
第11話は、当時の殺伐とした教室の様子と同時にネズと記者の星野(森カンナ)との現在の対峙のシーンもあり、ネズが今何を思っているかも知ることができた。
なんと、ネズは「もう一度あの状況になっても俺は撃ったと思う」と自分の罪を否定していない。
本来なら同窓会で6年生の記憶を皆で共有し、笑顔で再会を誓って別れたはずなのに、身勝手な人間の歪んだ実験のせいで、多くの人が命を落としてしまった。
やるせない気持ちでいっぱいだが、みきおの実験から人間は異常な環境に置かれたら、予想のできない行動をとってしまうということがよくわかった。
これをドラマ化したことには意味があると思う。
いよいよ次週で元6年2組の「なれの果て」がどうなったのかがわかる。
最後まで彼らの運命を見届けたいと思う。
※この記事は「なれの果ての僕ら」の各話を1つにまとめたものです。
–{最終話ストーリー&レビュー}–
最終話ストーリー&レビュー
最終話のストーリー
ネズ(井上瑞稀)が復讐のために発砲した相手は、みきお(犬飼貴丈)の母・亜夜子(雛形あきこ)だった。全てはこの実験が原因で、その元凶はみきおの母。倒れ込む亜夜子に、ネズはみきおが教えてくれた実験の意図とテーマを語りだす。クラスメイトたちは、理不尽な実験の理由に驚愕する。ネズは、息も絶え絶えの亜夜子に再び銃口を向けるネズ。ついに52時間に及ぶ残酷な”同窓会”が終わろうとしていたが…。
>>>「なれの果ての僕ら」最終話の予告をYouTubeで見る
最終話のレビュー
52時間の”残酷な同窓会”が終った。
ネズ(井上瑞稀)が撃ったのは、みきお(犬飼貴丈)というモンスターを生み出した、母の亜夜子(雛形あきこ)だった。
みきおは、ネズに宛ててPCの中に最後のメッセージを残していた。
それによると、なんと小学校の頃からクラスメイトに向かって実験の種を蒔いていたという。
今回の同窓会で、その実験の成果を試し、クラスメイトの「なれの果て」を見たかったようだ。
そして、最後には「ネズ、いつかまた会えたら……」という言葉で映像は切れている。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
腹部から血を流しながら亜夜子は、「みきおがやったことは素晴らしいことよ」と我が子を絶賛。
『なんて理不尽で身勝手な母子だろうか』と教室にいる全員が思っていたところ、亜夜子の反撃が始まった。
持っていた銃で葉月(紺野彩夏)を撃ち、教室から逃走。
しかし、亜夜子はみきおが前もって仕込んでいた“しかけ”によって息絶えた。
なんと母殺しもみきおが計画していたことだったのだ。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
これですべてが終わったと思っていたら、最後の最後で担任だった桜庭先生(我妻三輪子)が狂った。
「私が不幸になったのはあんたたちのせいだ」と言って、拳銃を自分の生徒たちに向けた。
この展開に生徒も視聴者も「へ?」と驚きを隠せない。
みきおが生きていた時は、とにかく目立たないように鳴りを潜めていたというのに、最後の最後で銃口を生徒に向けるとは…。
しかも残っている生徒一人ひとり、名指しで悪口のオンパレード。
ネズに関しては「あなたのことが一番きらい」と言い、持っていた銃をネズに渡し、「5秒以内に私のことを撃たないと葉月さんを殺す」と倒れている葉月の傷口の上に乗っかるという無茶ぶり。
そんな思い切りのある人だったら、みきおがいる時になんとかしてよ!と言わずにはいられない。
仕方なく桜庭先生を撃ったネズ。
またもや殺人者になってしまった。
主人公なので仕方ないとは言え、ここまでネズはあらゆる選択と責任を負わされてきた。
なんて不幸な主人公だろうか。

©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©内海八重/講談社
3日間に及んだ事件は、逮捕者は4人、死者は13人。
事件発生から52時間23分で終わった。
刑期を終えたネズは、記者の星野(森カンナ)と向き合っている。
なんと星野は桜庭先生の親友だった。
星野は、親友の死の真相を知りたくて事件と向き合うことにしたようだ。
(スピンオフより)
ネズは最後に星野に向かって「孤独や絶望に負けないで、もう少し頑張ってみます」と言って、深々と頭を下げた。
この「もう少し」とはどういう意味だろうか。
とにかく日、一日をなんとか生きていきますというネズなりの宣言なのかもしれない。
この物語は、「もしあの場に自分がいたら……あなたはどうしていた?」という問題提起をしてくれたように思う。
自分だったら…?
真っ先にみきおに向かっていった?
それとも、逃げまどっていた?
いや、すぐに誰かに殺されていたかもしれない。
あそこまでひどい体験はないかもしれないが、それでも極限状態になったら自分はどうするのか?ということを考えさせられた。
ドラマ「なれの果ての僕ら」は、自分の奥底の感情に向き合うことのできる印象深い作品だったように思う。
※この記事は「なれの果ての僕ら」の各話を1つにまとめたものです。
–{「なれの果ての僕ら」作品情報}–
「なれの果ての僕ら」作品情報
放送日時
2023年6月27日スタート 毎週火曜深夜24時30分~
放送局
テレビ東京 テレビ愛知 テレビせとうち テレビ北海道 TVQ九州放送
BSテレ東 BSテレ東4K / 7月3日スタート 毎週月曜深夜24時30分~24時59分 ※初回7月3日は深夜24時59分~25時28分
原作
内海八重「なれの果ての僕ら」(講談社「週刊少年マガジンKC」刊)
出演
井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.)/犬飼貴丈/北原ゆず/大原優乃/工藤遥/草野大成/椛島光/斎藤流宇/大原櫻子/西村拓哉(Lil かんさい/関西ジャニーズJr.)、阿部凜、菅生新樹、倉本琉平、新原泰佑、ゆうたろう、松原冬真、ニシダ・コウキ(ラランド)、吉田伶香、佐久本宝、紺野彩夏、矢花黎(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)/中村里帆 ※出席番号順
雛形あきこ/森カンナ/我妻三輪子
監督
城定秀夫
柴田啓佑
的場政行
脚本
モラル
鈴木藍
城定秀夫
倉地雄大(テレビ東京)
音楽
ゲイリー芦屋
主題歌
「ロベリア」 HiHi Jets/ジャニーズJr.
プロデューサー
倉地雄大(テレビ東京)、清家優輝(ファイン)
制作
テレビ東京、ファインエンターテイメント
製作著作
©「なれの果ての僕ら」製作委員会 ©️内海八重/講談社