続・朝ドライフ

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2022年10月24日

「舞いあがれ!」第16回:大学生編になって失速する心配はあるのかないのか

「舞いあがれ!」第16回:大学生編になって失速する心配はあるのかないのか


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2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。

本作は、主人公が東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、 空への憧れをふくらませていくヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じる。

本記事では、第16回をライター・木俣冬が紐解いていく。

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「舞、運命の出会いでした」

韻を踏んではじまった第4週「翼にかける青春」(演出:田中正)舞(福原遥)、18歳。大学に入って、飛行機を作る勉強(航空工学)をはじめました。さっそく、サークル勧誘で、人力飛行機サークル・なにわバードマンの部室を訪ねます。

勧誘されたとき、飛行機興味ありませんか?とチラシをもらったとき、飛行機のサークル!って飛びつかず、友人がイケメン(佐伯功役トラウデン都仁)目当てについていくあとをちょこちょこ追いかけていく形であることが、舞らしい気がしました。

やっぱり飛行機が好きなのがよくわかるのが、主翼を見たときのまなざし。恋するようなときめきを感じました。福原さんの魅力は、ほんのちょっと眉根が寄って眉が若干下がってるところ。張りのあるお顔立ちで眼ヂカラも強く元気いっぱいなのですが、顔に力がみなぎりすぎると圧が強くなり過ぎるところ、若干、申し訳なさそうな眉で中和しています。

ぐいぐいいかず、おずおずと主翼に触れようとして「あかん!」と由良冬子(吉谷彩子)に声を出され、びくっとした瞬間に、主翼を一枚壊してしまいます。

サークルの紅一点らしき由良。キツそうで、ああ、物語によくある、ヒロインにきつく当たるライバル的存在? と一瞬不安になりましたが、はたして?

今後を占うヒントとして、シネマズプラスマガジンで行った福原遥さんのインタビューで、吉谷さんにしてもらって笑顔になったエピソードがあります。それを読むと、役のうえでもいい関係になるのではないかという気がしています。WEBでも読めるのでぜひ、ご覧ください。

念願の“朝ドラ”ヒロインに。福原遥「舞を演じることで勇気をもらっています」


さて、第3週までの子供編は、近年の朝ドラの子供編にしては長いほうで、じっくり描かれました。子供編が良いと、大人編の導入部では違和感を覚えることがままあります。

「舞いあがれ!」はどうだったでしょうか。福原さんの舞は、前述したように、子供時代のちょっと気弱な雰囲気を残していて、違和感ありませんでした。

貴司(赤楚衛二)も文系のはずがなぜかSEになっていましたが、ナイーブな雰囲気は少年時代のままでやはり違和感ありませんでした。まじめなワイシャツ姿がまた清潔感あって良し。

久留美(山下美月)は明るくちゃきちゃきに育ったようで、若干、子供時代と違う印象ですが、幼馴染、3人ともナイーブ系だとバランスが良くないので、致し方ない気がします。でも、相変わらず、お父さん(松尾諭)は職を転々としているようで、実は幼馴染みの3人のなかでは最も家庭環境が恵まれていないはずで、内面とふるまいのギャップは大きい、難しい役どころと思われます。

やっと買ったケータイで久留美が電話をかけてきたとき舞の返しが「嬉しい これでいつでも電話できるな」と言う言葉なのが、微笑ましかったです。嬉しいって自分ごとのように喜ぶのが良き。そのとき、一目惚れした主翼の絵をせっせと描いているところも注目です。

大人編になると、子供時代の無邪気さがなくなり現実的になり過ぎて、興味が持てなくなることがあります。子供時代の出来事は比較的誰もが経験することですが、大人時代は主人公の行動が多様化してしまうため、興味のないジャンルに向かうと共感しづらくなりがち。大学、サークル、飛行機……と来ると偏って見えますが、どうやら舞は子供の頃の純粋さを持ち続けているので、大人編も失速する心配は……ない気がします。


【朝ドラ辞典 進学(しんがく)

主人公が成長して大学に進学するか就職する。朝ドラでは高校を出て進学することが多い。戦中戦後が舞台になることが多く、当時は進学したいけれど家庭の事情で就職せざるを得ないことが描かれる。現代を描いた「半分、青い。」「おかえりモネ」「カムカムエヴリバディ」(ひなた編)のヒロイン、も高校を出て就職していた。「舞いあがれ!」は大学に進学する珍しいヒロイン。


(文:木俣冬)

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