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2022年10月31日

「鎌倉殿の13人」第41話:義盛に罪はない、なら誰にある?

「鎌倉殿の13人」第41話:義盛に罪はない、なら誰にある?


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2022年のNHK大河ドラマは「鎌倉殿の13人」。三谷幸喜 脚本×小栗旬 主演で描く北条義時の物語。三谷幸喜曰く「吾妻鏡」を原作としており、そこに記されきれていない部分を想像と創作で補い、唯一無二のエンターテイメント大作に仕上げているという。

本記事では、第41話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「鎌倉殿の13人」第41話レビュー

望んでいなかった和田合戦が始まってしまった。
真っ直ぐで、唯一と言ってもいい、裏表がない男が逝ってしまった。

和田の館から軍勢が動いた。遅れて戻った和田義盛(横田栄司)は焦る。
これでは実朝(柿澤勇人)との約束を破り、義時(小栗旬)を騙したことになってしまう。しかし、もう止めることはできない。
義盛は、敵は北条であって、実朝……鎌倉殿ではない、とよくよく言い聞かせて戦へと身を投じる。


起請文があるため、寝返ることができない三浦義村(山本耕史)や八田知家(市原隼人)らもピンチとなっていた。
このままでは義時と戦うことになってしまう。が、そんなピンチを救ったのはほかならぬ義盛だった。裏切るならさっさと裏切れ、と義時のもとへ戻す。
このことによって、義時は和田の策を知り、実朝らを鶴岡八幡宮に避難させることができた。

ただ、義村たちは起請文を焼いて灰にし、その灰を水に浮かべたものを飲んでいた。これを吐き出してどうにかしようとするのはいくら何でも気休めすぎやしないか……。

謹慎となっていた泰時(坂口健太郎)のもとにも指示が届く。
御所の西門を守るように命令が届くが、泰時は泥酔して動ける状態ではない。起きてはいても覇気がない。
そしてなぜ自分に指揮を任せるのかと首をひねる。そんな泰時に異母弟の朝時(西本たける)は、信じているからに決まっているではないかと言う。期待されてきた泰時と、されていない朝時。そんな自分の悲しみがわからないだろうと言う朝時。そこに、妻の初(福地桃子)が水をぶっかける。これでようやく泰時の目が覚める。

初さんはなにかと爽快。優しくもあり、厳しくもある。少し、泰時の母・八重と重なる部分もあるような……。


和田のもとへは援軍も来るはずだったが、これも義時や大江広元(栗原英雄)によって阻まれる。
和田の敗戦は必至。
義時は最後の一手として、実朝に陣頭に立つよう提案する。
実朝の言葉になら、義盛は耳を貸す。実朝も義盛を助けたいという気持ちを強く持っている。実朝にとって、義盛は数少ない信頼できる人間なのだ。

実朝が憎くてこんなことをしたわけではない、と義盛。そして実朝も分かっていると頷く。
これからもそばにいてほしい、という実朝に義盛は感激の涙を流した。
これで戦は終わる……と言うときに、義盛を義村勢の無数の矢が襲った。
倒れる義盛、絶望に表情をゆがめる実朝。そんな実朝のそばにいる泰時は父・義時に鋭い視線を向ける。

義時の鬼の所業。義盛の死はもちろんのこと、その死を目の当たりにした実朝。憎まれるに決まってる。
が、義時もまた、悲しみに顔をゆがめていたのだ。だから、義時という人が憎み切れなくて、困る。

和田合戦をきっかけに、実朝は後鳥羽上皇を頼ることを決める。自分は父・頼朝や、兄・頼家のように強くはない。ならば、強い人の力を借りよう。

これは、義時にとって一番避けたいことだったはずだ。

 

義時と共に時間を過ごした者たちが次々と去っていく。
多くの者を見送り、多くの者の命を奪った義時の心はこれからどのように移ろいでいくのか。

 そして、義盛を失った巴(秋元才加)の表情も、辛い。
木曽義仲に続き、愛する人を失った。そんな中、死を選んでもおかしくなかった。
しかし、彼女は生きることを選んだ。それは、巴が愛した人たちが、何よりも彼女が生きてくれることを願っていたからのかもしれない。

 毎回、丁寧に丁寧にそれぞれの絶望が描かれていて、観ている側の心も大変な状況である。
歴史を曲げてでも全員幸せになってくれ……と毎週、思わずにはいられない。

(文:ふくだりょうこ)


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