「ジャパニーズスタイル」第8話:最初から最後まで哲郎(仲野太賀)に振り回されっぱなし
本作はさびれた温泉旅館のセットを舞台に、俳優たちが観客の前で“ほぼ本番一発勝負”の演技を繰り広げるテレビ朝日初の本格シットコム。仲野太賀のほか、市川実日子、要潤、KAƵMA(しずる)、石崎ひゅーい、檀れい、柄本明ら豪華俳優陣が登場する。
本記事では、第8話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「ジャパニーズスタイル」第8話レビュー
「ジャパニーズスタイル」が始まった時、主人公の哲郎(仲野太賀)が癖の強い従業員を攻略し、寂れた実家の旅館を立て直していく物語かと思っていた。でもまさか、一番ヤバいのは哲郎の方で旅館を改悪していくと誰が予想できただろう。帰ってきたばかりの頃はまだ可愛らしかったのに、専務になってからの憎たらしさたるや。今度は旅館にサウナを作ろうとしているようで、熱波師の資格を持つ闇金業者の澤田(松川尚瑠輝)を雇用。凛吾郎(石崎ひゅーい)に熱波師の研修を無理やり受けさせたり、ルーシー(市川実日子)や浮野奏太(KAƵMA)に旅館を出て行かせようとしたり、お世話になった梅さん(柄本明)の給料を削減するわでやりたい放題。哲郎がここまで暴走したのは一体全体なぜなのだ。
もはや仲野太賀が演じているという贔屓目で見ても耐えられないレベルでクズすぎる哲郎。第8話はそんな哲郎に罰が下る回だった。
釣りに出かけていた凛吾郎が連れて帰ったのは、砂浜に倒れていた男(鈴木浩介)。彼は記憶を失っているようだが、なにやら英語で話し始める。どう考えても、「どうぶつの森」に出てくるジョニーじゃないか(伝わるだろうか)。
その謎の男は「虹の屋」で徐々に記憶を取り戻し始める。どうやら数年前にオーストラリア人の団体客が旅館に訪れた際にその男も居合わせていたらしい。でも従業員は誰も彼のことを覚えておらず、その日のことを一つひとつ思い出す。
思い出話が膨らみ、和気あいあいとした雰囲気が流れる中、ひとり蚊帳の外にいるのが哲郎だ。なにせ、哲郎はその時いなかったのだから。哲郎はみんなに構って欲しくて必死でアピールするけど、邪険に扱われる。自業自得……!と言いたいところだけど、ずっと見ていたら何だか可哀想になってきた。
でも、そんな哲郎がラストに何をしたかといえば、またもや家出。全然懲りないというか、成長しないというか……。結局のところ、「虹の屋」の従業員たちも私たち視聴者も最初から最後まで哲郎に振り回されっぱなしだ。
次週はついに最終回だが、なんと1時間スペシャル。キャストたちは30分だけでもかなりカロリーを使いそうなのに果たして1時間なんて大丈夫なのだろうか。最後までその勇姿を見届けたい。
(文:苫とり子)
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