(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会
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映画コラム

REGULAR

2023年01月14日

『すずめの戸締まり』岩戸環に幸せになってもらうための「芹澤朋也VS岡部稔」の考察

『すずめの戸締まり』岩戸環に幸せになってもらうための「芹澤朋也VS岡部稔」の考察



岡部稔の推しポイント:環さん好き好きオーラを出す&有効なアドバイスもできる

その芹澤のライバルとなる岡部稔は、「環が好きなことを本人以外からはバレバレ」である。(後述する通り空回りしてしまうことはあるものの)環のことが明確に異性として好きという点こそ、芹澤とは違う大きなアドバンテージである。


また、稔は鈴芽のスマホに紐づけている口座で足取りがわかるという、かなり有効なアドバイスをしていたこともある。そういうところで環のサポートがちゃんとできる男なのだ。それをすぐに思いつくあたり、ちょっとストーカーの素質もありそうで怖いけど。

岡部稔のここが気になる:「ですよね……」な時点でダメかも?

しかしながら、そんな稔の恋心は環には全く気づかれない。たとえば、鈴芽の年頃の気持ちを言うと「君の話と一緒にせんでくれん」と言われ、環と一緒に鈴芽を探すために仕事を休もうかと言うと「それじゃ意味がないとよ。あんたは出勤せんね」と言われ、共に「ですよね……」と返している。ここから、稔はこれまでの同様のアプローチを環にし続けていたのに、いずれも「ですよね……」という空回りな結果になっていたとわかるのだ。

さらに、小説版での稔は「あんげな美人に睨まれるとゾクゾクするくらい怖いっちゃわ」と嬉しそうに言っていて、鈴芽にちょっとやばいと思われるという一幕もある。もちろん稔が善良な人であることは見た目や言動で十分にわかるのだが、環に冷たくあしらわれる様を改善する気がなさそう、あまつさえ喜んでいるようでは「脈なし」と思ってしまうのも致し方ないではないか。

結論:環さんが幸せならばそれでいい

そんなわけで、やはり同僚としての付き合いが長そうなのに空回り気味の稔よりも、気遣いができて成長も早い芹澤が優勢なのは当然だろう。

また、そもそも環さんがパートナーを見つけてこそ幸せになれる、という結論ありきなのも極端な気もする。今は結婚をしなくても幸せになれるという価値観も尊ばれる時代。鈴芽を立派に育て上げ、その後も彼女の成長や今後、もっといえば草太と人生を共にする様を見届けることができるであろう環さんは、その時点で幸せなのではないか。


とはいえ、やはり個人的には環と芹澤がくっつき、さらに鈴芽と草太が結婚する未来を期待している。ともすれば、芹澤にとっては「親友の妻の叔母が妻」という状況になるわけだが、それをやっぱり気にしてしまう環と、それを気にせずにグイグイくる芹澤を観たい!ていうか環と芹澤と鈴芽と草太が親戚同士となり、近くに住んでみんな幸せな様が見たい!

ともあれ、どのような「その後」があったとしても、『すずめの戸締まり』のキャラクターみんなが幸せになることを願ってやまない。結論としては「鈴草」はいいぞ。「芹環」もいいぞ。「稔環」は……うん、まあ、あんまりそのカップリングの人気はないような気もするけど、稔くんも良い人だし応援しているよ……(遠い目)。

(文:ヒナタカ)

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