続・朝ドライフ

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2023年03月31日

これを読めば“朝ドラあるある”がわかる!「朝ドラ辞典」

これを読めば“朝ドラあるある”がわかる!「朝ドラ辞典」

朝ドラ辞典・か行

【回想シーン (かいそうしーん)】
朝ドラには回想シーンもつきもの。実際の役を演じている俳優が過去を演じることもあれば、子役やもう少し若い俳優を起用することもある。
「舞いあがれ!」では祥子とめぐみを高畑淳子と永作博美が共に過去も演じた。
たいてい回想は少し無理が出るものだが、高畑淳子の場合、若い頃のほうが本人に合っているようにも見えた。つまり、老いた姿こそ少し負荷をかけて演じている
ということである。でもその老いた姿も不自然な、無理に老婆を演じているようでもなく、リアリティーがある。これぞ名演技。

【顔出ししないひと (かおだししないひと)】
話題にはなるが当人が一向に現れないキャラとして「おかえりモネ」の宇田川さん、「カムカムエヴリバディ」のおぐら荘住人・鈴木などがいる。いつか登場するか、最後まで登場しないか、ドラマを見る楽しみのひとつになっている。出てこないが妙にキャラが立っていて人気キャラになる。「舞いあがれ!」のむっちゃんは気を持たせた末終盤登場した。

【柏木公園 (かしわぎこうえん)】
「舞いあがれ!」の東大阪編の舞台のひとつの公園。正式名称ではないが、舞と柏木が別れた場所であったことから自然発生的にネットでそう呼ばれるようになった。「舞いあがれ!」の東大阪編の舞台のひとつの公園。正式名称ではないが、舞と柏木が別れた場所であったことから自然発生的にネットでそう呼ばれるようになった。
※参照:ネットスラング

【家政婦 (かせいふ)】
朝ドラヒロインが結婚したときの「家政婦」問題は視聴者の共感問題として時々描かれる。はっきり言及したのは「マッサン」で、西洋人のエリー(シャーロット・ケイト・フォックス)は、「私、女中?」と夫の態度に抗議した。

一方、仕事として家政婦や女中が登場することもある。「スカーレット」の貴美子(戸田恵梨香)は大阪で住み込みのお手伝いさんをやり、「おちょやん」の千代(杉咲花)も最初は女中奉公した。ヒロインの家の一員として女中キャラが描かれることもある。いずれも明治〜昭和初期までを舞台にした作品のなかである。

【家族 (かぞく)】
朝ドラのベースはホームドラマ。いろいろな家族の形、家族の問題、家族の幸せが描かれる。だから、舞台は家族の集まるお茶の間、居間が中心になっている。そこにはちゃぶ台やダイニングテーブルがあり、テレビやラジオがある。
※関連語:お茶の間、居間

【家族の確執 (かぞくのかくしつ)】
ホームドラマである朝ドラ、家族がいつもうまくいってるとは限らない。なんらかの原因でうまくいかない家族もある。それをどうやって解決するかがドラマになる。

【要冷蔵(かなめ・れいぞう)】
クレジットに「要冷蔵」とあると目を引く。「ようれいぞう」ではなく「かなめれいぞう」。大阪出身で、「カーネーション」「ごちそうさん」「あさが来た」「べっぴんさん」「わろてんか」「まんぷく」と主に大阪局制作の朝ドラに出演している。「ブギウギ」では愛助を診察する医者役で出演した。

【壁 (かべ)】
朝ドラに限ったことではなく、物語にはたいてい主人公の進路に壁が立ち塞がる。それを乗り越えることがドラマになるから。ただ、朝ドラではとてもわかりやすい書き割りのような壁が出てきがち。
※類語:挫折、ピンチ、向かい風

【神回 (かみかい)】
思いがけない展開に感動する回。ただしこの言葉を使いすぎると価値が下がる。

【髪を束ねる (かみをたばねる)】
労働にあたり長い髪は束ねるのが常識。マナーの点からいってもそうだし、単純にうつむいたとき顔にかぶる髪の毛が煩わしいからだ。ところがなぜか朝ドラでは主人公が束ねないときがあり、SNSでツッコミが入る。これはもうドラマと視聴者のコール&レスポンスという伝統なのだろう。

【河井克夫(かわいかつお)】
「らんまん」画工の岩下定春役は河井克夫さん。漫画家であり俳優でもある多才なかたです。「半分、青い。」では漫画家・秋風(豊川悦司)の非常勤アシスタント役で出演されていました。筆者がテレビブロスで、ヒロインと常勤アシスタント仲間役だった清野菜名さんのインタビューをしたとき、ブロスで連載されていた河井さんが立ち会ってお話を盛り上げてくださいました。画工役、ぴったりです。「あまちゃん」にもアイドルファン役で出演されています。

【川口春奈 (かわぐちはるな)】
「ちむどんどん」のヒロインの姉・良子でレギュラー出演。その後、「舞いあがれ!」で祥子の船・めぐみ号の後を継ぐ若葉役でゲスト出演。五島が地元らしいネイティブな雰囲気を出した。

【関東大震災(かんとうだいしんさい)】
大正時代を舞台にした作品では外せない出来事。主人公やとりまく人たちの大切な人が亡くなる悲しみが描かれることが多いが、喪失を乗り越えて立ち上がっていく転換点にもなる。
忠実な奉公人を失う「おしん」、夫が行方不明になる「あぐり」、妹にプロポーズした人物が亡くなる「花子とアン」、実家の安否を心配したり、恩師が亡くなったりする「ごちそうさん」、大阪から救援物資をもって行ったことをきっかけに主要キャラの生き別れの母との再会が展開する「わろてんか」など。
※関連語:喪失感 戦争 震災

【帰郷 (ききょう)】
ご当地ドラマ色の濃いドラマなので、主人公がいったん地元を出ても、なにかと帰郷し、故郷、実家の良さを味わうことが定番となっている。
※類語:地元

【起業 (きぎょう)】
ヒロインが起業することも朝ドラにはよくある。「あさが来た」は女性実業家の話で、「半分、青い。」も後半は会社を作って扇風機を作っていた。

【奇跡 (きせき)】
思いがけないことが起きること。クライマックスに準備されている。例えば、「あさが来た」の最終回。「カムカムエヴリバディ」の”岡山の奇跡”など。ご都合主義とはちょっと違う。

【記念写真 (きねんしゃしん)】
朝ドラでは家族で記念写真を撮る場面がよくある。その写真がのちに部屋に飾られて、思い出として残る。

【疑問 (ぎもん)】
主人公のモチベーションには「なぜ?」がある。なぜ、女性はやってはいけないことがあるのか? というように「なぜ」を突き詰めることが物語になる。
「らんまん」では「どういて どういてじゃ」と万太郎が問い続ける。

【脚本家交代 (きゃくほんか・こうたい)】
朝ドラの脚本家は基本ひとり。時々、複数制になることがある。「君の名は」「てっぱん」「エール」などが複数で担当している。

【キャラ変 (きゃらへん)】
長い物語のなかで、あれ、このひと、こういう言動するキャラだったっけ?と疑問に感じることがたまにある。とりわけ子役から大人へ俳優が変わったときに起こりがち。人は月日や環境で変わるものということもあるし、ちょっとした都合のときもあるのでそっとしておくこと。

【玉音放送(ぎょくおんほうそう)】
戦時中が舞台になる朝ドラでは必ず出てくる場面。1945年8月15日、日本が戦争に負けたことを天皇陛下がラジオで報告する声を主人公や周囲の人たちがどう聞くかで、ドラマのまなざしが感じられる。
泣く人、泣かない人、様々で。例えば「カーネーション」(11年度後期/脚本:渡辺あや)では、ヒロイン糸子(尾野真千子)が放送を聞いたあと「お昼にしようけ」と台所に立つ。その淡々となにげない言動が逆に印象的だった。「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」の部分がよく使用されるが、「カムカムエヴリバディ」(21年度後期/脚本:藤本有紀)では違う部分を使用している。「ブギウギ」では小夜(富田望生)が、言ってることがよくわからないという反応をする。当時、ラジオの音声がよく聞こえなかったことは事実のようだ。

【近未来 (きんみらい)】
現代ものの朝ドラでは近未来を描くことが時々ある。「ふたりっ子」「まんてん」「カムカムエヴリバディ」など。「ちむどんどん」では202X年だった。

【草刈正雄 (くさかりまさお)】
「なつぞら」(2019年)でヒロインなつ(広瀬すず)の祖父・泰樹を演じて、絶大な人気を博した。

【ゲストキャラ (げすと)】
朝ドラに限ったことではないが、レギュラー登場人物のほかにゲストとして限られた期間だけ出演する登場人物がいる。
一話完結の連ドラだと各回にゲストが出るのが当たり前だが、朝ドラはたまにゲストが主になる番外編的なターンがある。『舞いあがれ!』の第12週の森重母子はそのパターンであろう。

【結婚 (けっこん)】
ヒロインが嫁入りするとき「いままでお世話になりました」と三つ指をついて挨拶することが必須シーンと言われてきたとされるが、この儀礼表現は平成後半から令和にかけては減ってきている。

【交代 (こうたい)】
主人公の子供時代からはじまることが多いので、子供時代から成人の俳優に変わるときのタイミングが序盤の見どころのひとつ。自然かつ劇的に見せるのは演出の見せどころでもある。「舞いあがれ!」では飛行機が飛んだ空を境にして時間が経過した。
※類語:バトンタッチ

【紅白歌合戦 (こうはくうたがっせん)】
その年の朝ドラに出た俳優が紅白になんらかのゲストで出るのは恒例。司会や審査員や主題歌を歌ったアーティストの紹介をしたり。「あまちゃん」や「ひよっこ」などは出演者総出で大掛かりな寸劇を行った。

【ご機嫌よう(ごきげんよう)】
「花子とアン」(14年度前期)では語り(美輪明宏)が物語の終わりにあいさつで「ごきげんよう」と言っていた。上品な印象を受ける挨拶。
出会ったときも別れるときも使える。

【告白 (こくはく)】
最大の見せ場

【国防婦人会(こくぼうふじんかい)】
戦時中を舞台にした朝ドラに欠かせない存在。1932年、大阪で誕生し、戦場に行かない女性たちが銃後の守りとして、お国のために活動した。朝ドラではたいてい、ヒロインの自由な言動を批判し阻害する役割を担う。

【ご都合主義 (ごつごうしゅぎ)】
主人公の都合のいいようにものごとが進むこと。朝ドラではわりと多い。許容されるときとされないときの差は、主人公のふだんの言動による。日頃、謙虚で利他的であると大目に見られるが、日頃自己主張強めだと批判にさらされがち。これもまた視聴者の勝手な都合である。

【コネ (こね)】
人間関係がものをいうことがよくある 
※反対語:ネコ

【子役 (こやく)】
朝ドラは本役が登場する前にその子供時代が描かれることが多い。子供時代は重要で、そのときの体験を原点にしてヒロインは成長していく。たいてい子役時代は1、2週間で本役に切り替わるが、序盤、優秀な子役の熱演によって人気を得ることが多く、ドラマの後半、別の役で再登場してファンを喜ばせることもある。

【コロナ禍 (ころなか)】
コロナ禍は令和の日本に大きな影響を与えた。ドラマでも「おかえりモネ」「カムカムエヴリバディ」「舞いあがれ!」でコロナ禍の状況が描かれた。
「エール」では出演中だった志村けんさんがコロナ感染で亡くなるという哀しい出来事があったが、代役を立てず、すでに撮影したもので乗り切った。たまたま撮っていた表情を終盤使用した場面は話題になった。

【コロンコロンレコード (ころんころんれこーど)】
「ブギウギ」のヒロイン・福来スズ子(趣里)や茨田りつ子(菊地凛子)が契約しているレコード会社。カエルのキャラクターがシンボルマークになっている。モデルはコロムビアレコードではないかと思われる。
「虎に翼」にも登場。

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