「どうする家康」26話:家康がついに覚醒? 迫真の「えびすくい」
2023年1月8日放送スタートしたNHK大河ドラマ「どうする家康」。
古沢良太が脚本を手がける本作は、弱小国の主として生まれた徳川家康が乱世を生きる姿を描いた波乱万丈エンターテイメント。大河ドラマ初主演となる松本潤が従来のイメージとは異なる「ナイーブで頼りないプリンス」の家康に扮する。
本記事では、第26話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「どうする家康」第26話レビュー
「あれは変わった」と信長に言わせた家康。大切なものを喪わないと、家康は変われなかったのか……。
瀬名(有村架純)と信康(細田佳央太)が亡くなってから3年が経ち、織田軍と徳川軍はついに武田軍を滅ぼした。信長(岡田准一)の勝利を祝ってもてなしたい、と家康(松本潤)が言い出す。
しかし、信長の言いなりである家康に対して、平八郎(山田裕貴)を筆頭に不満が募っていく。
「あんな殿は見たくない」「ふたり(瀬名と信康)が報われない」
誰も家康の真意が分からない。
家康のもてなしも、信長の気まぐれによってなかなか予定通りにはいかない。
それもまた家臣たちのストレスのもとに。
また、信長と家康の会話も楽しいものではない。
家康の旗印を貶し、駿河の国主に今川氏真(溝端淳平)を、という家康を一笑に付す。
さらに伊賀者をせん滅させるよう明智光秀(酒向芳)からは命じられる。
最悪の空気の中、左衛門尉(大森南朋)が「えびすくい」を踊ろうとするが、それを制し、家康自ら舞う。
家康の一瞬の無表情が胸を打つ。
それから張り付く笑顔。本当に、これまでの家康とは別人のようである。
そして「えびすくい」がキレキレである……。
が、ついに家臣たちも家康に迫る。このままではついていけない。何を考えているのか、と。
今回、ずっと死んだような目をしていた家康の表情が、やっとまともに動いた。
「信長を殺す」「天下をとる」
気負うわけでもなく、ごく自然に決意を口にした家康。
天下を取らなければ、平穏は訪れないのだ。
着々と信長が天下統一の地固めを行う中で、家臣たちの心中もさまざまだ。
秀吉(ムロツヨシ)が注視しているのは家康。その動向を気にしているし、警戒している。
できれば取り込みたい、利用したいと思っているのだろう。食えない男である。
光秀は信長のそばに仕えているが、その行動は目に余るようにも見える。
家康だけではなく、秀吉も天下を狙っているだろうが、光秀はいかに。
ラストには本能寺の変へのカウントダウンが表示された。
本能寺の変に家康が絡んでいた、という見方もできるが、今回の光秀と家康が手を組むようには見えづらい。秀吉と家康のほうがありえそうだ。
どちらにしろ、信長の最期はもう間もなく。
ここまでの流れを見ていると、信長が家康に恨まれるのは少々、同情したくもなる。
心の内を気づく者がいなかった信長の不幸なのか、悟らせなかった信長の天下人としての孤独なのか。
それでも、信長はわりと家康をかわいがってると思うのだが……個人的に瀬名の件は「うまいことやれよ」と信長は考えていた説を推したい。
余談だが、物語の本筋とは異なるところで気になったのは万千代(板垣李光人)だ。
信長のおもてなし準備中、女の子たちに囲まれ、薪を割る万千代。
於愛(広瀬アリス)に注意されると「私がおなごを好きなのではなく、おなごがみな私を好きなのです」とサラリと言う。そして「私は見た目は華奢だが力はあるのさ。九郎義経と同じだな」
大河ドラマで、万千代と義経を菅田将暉が演じていたことを思い出さずにはいられない。
(文:ふくだりょうこ)
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