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【2023年夏アニメ】アニメ好きライターが選ぶ「続きが気になる」注目アニメ“5選”
【2023年夏アニメ】アニメ好きライターが選ぶ「続きが気になる」注目アニメ“5選”
2023年夏アニメが絶賛放送中だ。夏らしく、疾走感溢れる爽やかな青春時代を描いたアニメから、ツッコミどころ満載の癒しアニメまで様々なラインナップが並ぶ。
今回は、アニメ好きライターが1話を観て「続きが気になる」と感じた注目の5作品を紹介する。
1:「呪術廻戦」第2期「懐玉・玉折」
芥見下々が「週間少年ジャンプ」(集英社)にて連載中の大人気コミックス「呪術廻戦」は、ある強力な「呪物」の封印が解かれたことで、高校生の虎杖悠仁が呪いをめぐる戦いの世界へと入っていくダークファンタジー。2020年10月に放送されたテレビアニメシリーズ1期から3年経ち、満を持しての2期放送となる。
「懐玉・玉折」編は、最強の呪術師と呼ばれている五条悟、そして最悪の呪詛師と呼ばれている夏油傑の高専時代を描く。アニメーション制作は1期と同じくアニメーションスタジオMAPPAが担当する。
2023年7月6日に放送された25話では、若くてやんちゃな五条と夏油の姿が印象的だ。五条の主語が「俺」だったり、夏油が「呪術は否術師を守るためにある」と話していたり、2人とも今とは違う価値観を持っていることに時の流れを感じてしまう。もう聞くことはないであろう、五条による「俺たち最強だし」という言葉には五条にとっての夏油が全て詰め込まれており、切なくてしんどい。
また、人気アーティスト・キタニタツヤの新曲「青のすみか」に合わせて、「もう戻れない」高専時代の一コマを映すOP(オープニング)映像もグッとくる。本編では流れないかもしれない、けれど確実にあった学校生活の日常が描かれていて、想像が膨らむ。五条と夏油の運命を知っているからこそ、「2人で最強」でいられた日々を大切に見届けたい。
2:デキる猫は今日も憂鬱
山田ヒツジが「月刊少年シリウス」(講談社)で連載中のコミックス「デキる猫は今日も憂鬱」が、テレビアニメーション化。
料理・洗濯・掃除・買い出し・ご近所付き合い……あらゆることを完璧にこなす“デキる猫”・諭吉と、仕事はできる一方生活能力が壊滅的な会社員・福澤幸来の、のんびりとした同居ライフを描いたドタバタ日常コメディ。
アニメーション制作は、「プレイタの傷」や現在同じく夏クールで放送中の「好きな子がめがねを忘れた」を手掛けているアニメーション制作会社GoHandsが担当。声は、諭吉役を安元洋貴が、幸来役を石川由依が務める。
2023年7月7日に放送された1話では、諭吉の完璧ぶりに驚かされまくった。料理が上手くできると満足そうに笑い、幸来が残業して帰宅が遅くなることがわかると舌打ちして怒る。言葉ではなく表情や仕草で感情を訴え、幸来も難なく受け止めている様子に癒された。
また社会人には痛いほどわかる、労働の現実が辛辣に描かれている。早起きからの満員電車に、出社後はミーティング地獄……幸来の「行きたくない」と泣く姿に激しく共感する。だからこそ、家事を全て担ってくれる諭吉の存在が神様のように見えるのだ。
諭吉がいる幸来を羨ましく感じながら、2人の日常をゆるく眺めて癒されたい。
3:アンデッドガール・マーダーファルス
第22回鮎川哲也賞を受賞した青崎有吾による小説「アンデッドガール・マーダーファルス」(講談社タイガ)がテレビアニメーション化。
19世紀末、吸血鬼・人造人間・人狼など、異形な存在がまだ暮らしていた世界が舞台。首から下がない不老不死の美少女・輪堂鴉夜が、“鬼殺し”と呼ばれる半人半鬼の真打津軽と、鴉夜の奪われた体を探す笑劇<ファルス>である。
アニメーション制作は「さらざんまい」や『劇場版 輪るピングドラム』などを手掛けたアニメーション制作会社ラパントラックが担当。鴉夜役を黒沢ともよが、津軽役を八代 拓が務める。
2023年7月5日に放送された1話では、見世物小屋で津軽と鬼を殺し合わせ、それをフェンス越しに熱狂しながら観る観客たちの異様な光景が描かれる。見せ物で金を稼ぐ座長、興奮する観客など人間の醜い部分が映しだされていた。
こうした場面があったからこそ、キラキラ輝く水面を背景に行った津軽と鴉夜の“契約”の場面は美しく、神秘的に映る。「寿命を延ばすため」「自分の体を取り戻すため」それぞれの目的を達成するため、足りないものを補い合う奇妙な2人がこれからどんな笑劇を見せるのか。一観客として注目していきたい。
4:わたしの幸せな結婚
顎木あくみ著、月岡月穂イラストによる小説「わたしの幸せな結婚」がアニメーション化。高坂りとによるコミカライズは「全国書店員が選んだおすすめコミック2021」で1位を獲得し、2023年3月には実写映画化するなど、今絶賛注目を集めている作品である。
明治大正を彷彿させる架空の時代を舞台に、義母たちから虐げられて育った心優しい少女・美世と孤高のエリート軍人・清霞とのシンデレラ・ストーリー。
アニメーション制作を手掛けたのは、「メイドインアビス」「盾の勇者の成り上がり」シリーズのキネマシトラス。声は、美世役を上田麗奈が、清霞役を石川界人が務める。
2023年7月5日に放送された1話では、斎森家の長女でありながらも狭い部屋で暮らし、食事の用意や掃除をさせられるなど使用人同然の扱いを受けている美世の様子が描かれる。義母や異母妹・香耶から容赦ない言葉をかけられ、「申し訳ございません」が口癖となっている様子が痛々しく映っていた。
印象的だったのは、美世の心情に合わせた風景の描かれ方である。斎森家にいた際は、居心地が悪い美世の心境を表してか、全体的に暗くどんよりとした色味であった。一方で斎森家を出て清霞の家へ向かう際は、青空の下、彩り豊かな桜や木々が美しく描かれる。こうした細やかな描写が美世の背中を押しているように感じるのだ。美世には、これから幸せになってほしいと願わずにはいられない。
5:フェ~レンザイ -神さまの日常-
中国で社会現象を引き起こした大人気作品「Fei Ren Zai」の日本語吹替版作品。「封神演義」「⻄遊記」「山海経」といった神話の神々が現代社会で生活する奇怪な日常を描いたコメディである。
インスタント麺が好きな九尾の狐・キュウゲツ、誰かの役に立ちたいと一生懸命な西海竜王の三男・ゴウレツ、胸に目、へそに口があるのが悩みの戦神・ケイテン……など個性豊かな神様や妖怪が続々登場する。彼女たちは神様や妖怪として人間界で悠々自適に過ごしているのではなく、会社員としてそれなりに悩みを抱えながら働いているのが本作の面白さだ。
吹替作品の制作にあたって、内田真礼・杉田智和・神谷浩史・上坂すみれ・梶裕貴など豪華なキャスト陣が集結。今後、キャラクター同士の掛け合いにも注目していきたい。
2023年7月4日に放送された1話の中で印象的だったのは、ハロウィンイベントを行うエピソードだ。「中国の妖怪や神」にも関わらず「西洋のイベント」を楽しんでいるのがシュールなうえ、かぼちゃを齧ったり酒を飲みすぎて二日酔いになったりと、ツッコミどころが満載な様子が楽しい。
自分たちの能力をフルに発揮しながら、人間界をエンジョイしている彼女たち。次はどんな神様に会えるだろうかと毎度ワクワクする。
以上が、アニメ好きライターが選んだ注目アニメ5作品。
今回紹介した作品はどれもストリーミング配信で観られるので、1話を見逃していても追いつくことが可能だ。
まだまだ夏は始まったばかり。どの作品を観ようか迷った時は、ぜひ参考にしてみてほしい。
(文:きどみ)
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