続・朝ドライフ

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2024年03月20日

「ブギウギ」羽鳥(草彅剛)がスズ子(趣里)に厳しい言葉を<第119回>

「ブギウギ」羽鳥(草彅剛)がスズ子(趣里)に厳しい言葉を<第119回>


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2023年10月2日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」。

「東京ブギウギ」や「買物ブギー」で知られる昭和の大スター歌手・笠置シヅ子をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。歌って踊るのが大好きで、戦後の日本を照らす“ブギの女王”となっていく主人公・福来スズ子を趣里が演じる。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第119回を紐解いていく。

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「もっと大切にしてほしいね」

「福来スズ子対水城アユミ 年末のオールスター男女歌合戦で激突!?」
という見出しで、鮫島(みのすけ)が勝手に記事を出し、水城アユミ(吉柳咲良)が「ラッパと娘」に思いいれがあり、紅白で歌いたいと申し出たと書かれてしまいました。

スズ子(趣里)は急ぎ、羽鳥(草彅剛)宅に向かいます。曲を作った羽鳥に相談しなくてはいけない案件なのに、先に世間に出てしまっては、それこそ義理が立ちません。

出かける前に水を飲むスズ子。緊張感が伝わってきます。

それにしても、鮫島、喫茶店の会談の様子を事細かに書いていますが、ほんとうにどうやって外からこんなに話の内容を聞きつけたのか。店内の人に取材したとしか思えないし、あるいは、想像で書いたらだいたい当たっていたというようなところでしょうか。

記事には、スズ子のパフォーマンスが最近抑えめとか、水城アユミには持ち歌がないとかいうような情報が書いてあり、そのへんのことはドラマ内でちゃんとやってほしいと感じました。台本に書いてなければナレーションを足せばいいのでは。うるさいおばさんでごめんなさいね(このセリフ便利ですね)。

羽鳥宅では、記事に麻里(市川実和子)も憤慨しています。

羽鳥は最初は淡々と話していましたが、スズ子が「先生がよければ」と自分の意見を曖昧にして羽鳥任せにしたことを受けて「そんなに軽く言わないでほしいな」と言ったあたりから、沸々したものを感じさせました。

「ラッパと娘」は羽鳥とスズ子の歌なのだから「もっと大切にしてほしいね」と言い、
水城アユミの実力なら「君は戻る場所がなくなるかもしれないよ」とまで。
それを麻里は「意地悪」と表しましたが、羽鳥はスズ子を挑発したのかもしれません。

スズ子が帰ったあとの羽鳥の顔はなんとも渋い顔でした。

今日のスズ子はこれまでのスズ子と違ったと羽鳥が感じたように、麻里は、羽鳥もいつもと違うと指摘します。「言い過ぎていたらごめんなさいね」と付け加えながら。

悩んだスズ子は、りつ子(菊地凛子)に相談します。どうやら、場所が例の喫茶店。
大衆的な喫茶店に見えて、実はスターの集う隠れ家的な喫茶店なのでしょうか。そう考えれば、鮫島は常にこういう場所に張り込んでトクダネを獲得していると考えることができます。

そこでりつ子は、スズ子の心情(羽鳥に止めてもらいたかった)を鋭く指摘し、発破をかけます。

基調はのんきなホームドラマ的なムードで、葛藤や苦悩が直接的に描かれないので、え、そんなことになってたの? と驚くことが多々あります。

それは、愛子(このか)もそうで、彼女の気持ちを一(井上一輝)が代弁する役割を担っています。鮫島の記事や一やりつ子のセリフで、状況や心情が補完されているのです。


スズ子は、「ラッパと娘」のレコードを聞きながら、
「あの娘はどんなふうに歌うんやろ」(スズ子)

と思いを馳せます。ドラマティックな、引きのある終わり方でした。

ほんと、水城アユミの歌が早く聞きたい(この間、「うたコン」で「ヘイヘイブギー」をすてきに歌ってましけど)。

ところで、いつものスズ子らしさとは何でしょう。ワテがワテが、という我の強さです。子供の頃から、ほしいものはとりにいくタイプでしたが、いまの彼女はかなり控えめです。これが鮫島の記事にある「寄る年波」でしょうか。

(文:木俣冬)

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