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映画コラム

REGULAR

2024年08月03日

映画『ツイスターズ』を4DXで観るとヤバい「3つ」の理由

映画『ツイスターズ』を4DXで観るとヤバい「3つ」の理由


1:「雨」と「水」がヤバい!


この『ツイスターズ』で脅威となるのはもちろん竜巻であり、ほとんど「嵐」ともいえる。実は4DXは、劇場全体を吹く「風」と、劇場上から降る「雨」の合わせ技で、まさにその嵐を表現できるのだ。

今回は竜巻が1本、2本、さらにはもっと大規模な「暴れ方」もするので、その嵐の演出もやはり全開!もちろんずぶ濡れになったりはしないとはいえ、竜巻に巻き込まれそうな「風と雨の勢い」をたっぷりと体感できるだろう。

さらに、前から「プシュッ」と吹き付ける「水」のエフェクトも、今回はとある「イヤなやつに一矢を報いる」痛快な場面で使われていた。そのイヤな奴への攻撃を観客に向けるんかい!とツッコミもできるが、それ込みで笑って楽しめるだろう。なお、水のエフェクトは座席横のボタンでOFFにもできるので、苦手な方も安心してほしい。

2:ダートコースを疾走するような車の挙動がヤバい!


4DXにもっとも相性がいいのは、やはりカーアクション。上下左右に動く座席が激しく運転する車のシートに重なるため、わかりやすく劇中の登場人物と同じ「ライド感」が味わえるのだ。

今回は補整されていない道を「オフロード車」が荒っぽい運転をする上に、竜巻にも突っ込んでいくため、もはや「ダートコースを疾走するレース」のような感覚にもなる。普通のカーアクションとは一味違う揺れっぷりになっていたのだ。

さらに、4DXには足をカサカサと「くすぐる」演出もあるのだが、これも今回の車特有の「ギミック」に見事に生かされていたので、そちらも楽しみにしてほしい。

3:やはり竜巻(特にクライマックス)がヤバい!


カーアクションも目立つが、それでもやはり今回の主役は竜巻。特にクライマックスでは、前述した嵐だけでなく、「風で体が浮き上がる」「激しく風に揺さぶれる」の感覚も、座席の動きで表現してくれるのだ。

さらには、このクライマックスのとある舞台が、映画館という環境でこそより没入感を味わえるばかりか、4DXの演出がさらに「今ここにいる」感覚を加速させてくれるのだ。これは4DX史上、2度とはない体験になるのかもしれない。

おまけ1:真面目な気象学者VS軽薄な(?)YouTuberのドラマも面白い!


そんな『ツイスターズ』は、ドラマとしてもちゃんと面白いものになっている。何しろ、主人公は悲しい過去を経験してもなおも竜巻への対策に挑む(元)女性気象学者で、ライバルとして竜巻を追うのは見るからに軽薄そうな自称「竜巻カウボーイ」のYouTuberなのだ。

もちろん主人公はそんなYouTuberを毛嫌いし、観客としても真面目な主人公のほうに同調し応援できるのだが、「それだけではない」ことが重要だ。このYouTuberが「実は……」ということがわかる会話や、主人公の言動とシンクロしてる場面もある、つまりは「知らなかった一面」が明らかになっていく様がそれだけで興味を引く上に、現実のYouTuberに対しても抱きがちな偏見なのかもしれないと、ハッと気づかされるのだ。


それは同時に、この実際にある自然災害をエンターテインメントとして楽しもうとしている観客の心境とも、一部がシンクロしているともいえる。それは確かに不謹慎なのかもしれないが、そこにも「それだけではない」アンビバレントな気持ちや人間としての信念も見える。劇中には被災者の気持ちをないがしろにする問題への批判もあり、やはり災害を映画にすることへ自己批判的な精神も備えているのだ。

そんな現代的かつ渋いドラマを作り出したのは、『ミナリ』のリー・アイザック・チョン監督、『レヴェナント 蘇えりし者』のマーク・L・スミスの脚本、加えて『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキーが原案という豪華な布陣。単純なエンタメ性に加えての「奥行き」を備えているのも、間違いなく本作の美点だ。


しかも、その軽薄な(?)YouTuberを演じるのが『トップガン マーヴェリック』でも強烈な印象を残したグレン・パウエルであり、吹き替え版で観ると津田健次郎がいい感じにうさんくさくもあるけどチャーミングな様を見事に表現しているのもたまらない。

ていうか、「初めはあんなにイヤなやつだと思っていたのに、ぶつかり合うたびに気になってしまって、良いところも見えてきて……」という流れを鑑みれば、彼は完全に少女漫画に出てくるキャラクターである。そんなグレン・パウエルを観たい、津田健次郎ボイスが聴きたい方も必見だ。4DXを選べば、「イヤなやつのはずなのに惹かれてしまうアイツが荒っぽい運転をしている車の隣に座っている」ドキドキ(?)も体験できるだろう。

他の吹き替え版キャストも、主人公のデイジー・エドガー=ジョーンズ役の小芝風花に加えて、浪川大輔・下野紘・瀬戸麻沙美・青山穣・田中美央・江口拓也・朴路美と豪華で、もちろん演技も絶品だった。

おまけ2:こちらの軽薄で迷惑なYouTuberが出てくる映画もぜひチェックを!

『ツイスターズ』ではもう1人の主人公といえるYouTuberが「軽薄なだけでない」少女漫画っぽいキャラクターになっているのも見どころというわけだが、2014年の同じく竜巻の災害パニック映画『イントゥ・ザ・ストーム』では、めちゃくちゃ迷惑で腹の立つYouTuberが出てきたりするので、今回の比較として観るのも面白いかもしれない。



さらには、現在劇場公開中の『温泉シャーク』では完全にウェーイ系で軽薄そのものなインフルエンサーたちが遠慮なくサメのエサになったりもする。YouTuberやインフルエンサーの多様性を知るためにも(?)併せて観てみるのもいいだろう。



(文:ヒナタカ)

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