「虎に翼」ライトハウスの名前の由来はやっぱりカフェー燈台だった<第105回>
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2024年4月1日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「虎に翼」。
日本史上で初めて法曹の世界に飛び込んだ女性をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。困難な時代に生まれながらも仲間たちと切磋琢磨し、日本初の女性弁護士となるヒロイン・寅子を伊藤沙莉が演じる。
ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第105回を紐解いていく。
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特製あんみつ美味しそう
直明(三山凌輝)の粋なはからいで、明律大学法学部の仲間たちが集まりました。遠路はるばる新潟や鳥取からも寅子(伊藤沙莉)の結婚(内縁)を祝うために。そして、たとえ苗字は違っても、ふたりは夫婦なのだという判決を言い渡します。祝辞のようなものでしょう。ふつうの結婚式には心踊らない寅子ですが、この結婚式には心、踊らせました。法服は自分たちで縫ったものだったことがわかりました。よかった、本物を勝手に着用してなくて。
「名前を変えることで、自分が失われると感じる人もいる」と名前を変えた香子こと香淑(ハ・ヨンス)が言うところに、彼女の思いを感じてしまいます。
航一(岡田将生)と直明は気をきかせて席を外し、同窓生たちだけの宴会に。
どうやって集まったか寅子に明かします。直明から梅子(平岩紙)や涼子(桜井ユキ)や香淑に手紙を出したとか。直明は香淑の連絡先を知っていた? はて? 香淑は頑なに存在を隠していたのではなかったか。それで新潟でも涼子たちを訪ねてなかったのでは。わたくし、毎日レビュー書いているのに大事なところを見逃していたら、ごめんなさい。
久保田聡子(小林涼子)は鳥取で弁護士をやっています。久保田のモデルらしい中田正子さんは実際、鳥取で弁護士事務所をやっていて、女性初の弁護士会会長にもなったそうです。結婚生活も送りながら地域に根ざした弁護活動を行った人物の物語も見てみたかった。
男性的なしゃべり方を貫く久保田を夫や子供はどう思ったのかとか。
中山千春(安藤輪子)はいまは検事をやっています。夫が……といって泣きそうになるから、みんな、悪いことを想像しましたが、夫が背中を押してくれたという流れでした。中山は、泣き上戸設定でしたね、懐かしい。こういう描き方はなんか人が悪い感じもしますが、喜劇としてはオーソドックスなものでしょう。
久保田は改めて、かつて仕事を辞めてしまい、寅子ひとりに女性弁護士の重責を負わせてしまったことを謝罪します。思えば、そこから、道が少し変わったし、寅子が大きな挫折を味わい、ずっと引きずり続けている苦い体験ではあります。
寅子と久保田の会話中、よね(土居志央梨)が微妙な表情をします。そうです、寅子とよねの関係も、あのとき、こじれてしまったのでした。よねは寅子をはっきりゆるしたと言及していませんが、なんだかんだ言いながら、こうしてつるんでいるので、心のなかではゆるしているのではないでしょうか。
男性は轟(戸塚純貴)だけが参加。一緒に事務所をやっている梅子とよねを「家族」だと言います。法的に認められない男性の恋人を持った彼にとっては、家族の概念は広いのです、きっと。
あの頃キラキラしていた女子たちは、志半ばで道が少し逸れて、環境的にも心情的にもなかなか会えずにいたけれど、それぞれの道を確かに歩んでいて、良かった。
なりたい自分になれなかったかもしれないけれど「最後にはいいほうに流れます」と香淑。あの海で彼女が語った言葉です。
寅子は今度はみんなで海に行こうと言います。玉(羽瀬川なぎ)の車椅子だってきっとなんとかなるでしょう。
竹もとの主人が、特製のあんみつを寅子にふるまいます。ウェディングケーキみたいなもの?
そして、昭和31年、春。寅子はいよいよ星家での生活をはじめることになり、猪爪家を出ます。
猪爪家の面々は心配ですが、優未(毎田暖乃)はまったく心配していない様子。航一は、寅子を愛しているから、絶対に守ってくれると信じています。
ですが、待ち受ける、星家の子供たちは、なんだか暗そうな雰囲気です。
ここでまた、はて?となったのは、そもそも、なんで星家で同居する必要があったのでしたっけ? 寅子は、優三(仲野太賀)と結婚したときも、猪爪家にいましたが、独立した家で暮らす選択肢はないのでしょうか。現実的にいえば、ドラマの都合でしょうけれど、内縁なのに星家に同居、釈然としない。年をとってきた百合(余貴美子)の面倒を見ないといけないからでしたっけ?
ともあれ、来週は、星家での生活。どうなる寅子。
(文:木俣冬)
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