本日公開!『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の狂気と戦慄!+日本スリラーの隠れた名作にも迫る!
ホアキン・フェニックスが再びジョーカーを演じ、今回新たにレディー・ガガが「謎の女性リー」として登場します。
本作では、前作の狂気を凌ぐスリルに加え、ミュージカル要素が大胆に取り入れられ、観客を新たな次元へと引き込みます。
狂気が更に深く描かれ、その心の奥に迫る感動を呼び起こす。
本記事では、見どころや作品のテーマに触れ、次なる狂気の世界へと誘います。
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』――狂気が再び目を覚ます
今回もホアキン・フェニックスがジョーカーを熱演し、前作で見せた破壊的なカリスマ性がさらに進化。加えて、レディー・ガガが「謎の女性リー」として新たな狂気に巻き込まれていきます。監督は引き続きトッド・フィリップスが務め、アカデミー賞受賞者のヒルドゥル・グーナドッティルが音楽を担当し、ミュージカル形式を巧みに取り入れた狂気の音楽世界を描きます。
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の中心に据えられるのは、ジョーカーとリーの関係です。
彼女は一見、ジョーカーの暴力的な魅力に引き寄せられる普通の女性に見えますが、次第に彼の狂気と共鳴し、物語はより深い闇へと突入していきます。
「フォリ・ア・ドゥ」は、フランス語で「二人の狂気」を意味し、一人の狂気が他人に伝染する精神病的な現象を指します。今回、ジョーカーとリーの関係性がまさにこの現象に基づいて描かれ、彼らの狂気がどのように共鳴し合い、破滅的な結末に至るのかが見どころとなっています。
この現象がジョーカーとリーの間でどのように展開されるのか、観客は息を呑むことでしょう。
また、本作は従来のスリラー作品にはないミュージカルの要素が加わり、ジョーカーとリーの内面世界が音楽を通じてさらに際立っています。
特に、彼らが共に踊るシーンや感情が高まる瞬間は、視覚と聴覚に訴えかける圧倒的な迫力で描かれています。
観客は、彼らの心の闇に引きずり込まれ、彼らがどこまで狂気に落ちていくのか目が離せません。
また、ミュージカルの要素を取り入れた独特の演出が物語を一層深いものにしています。
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』は単なる続編に留まらず、前作で描かれたジョーカーの物語に新たな層を加え、観客を圧倒する映画体験を提供します。
『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』公式サイト
日本のスリラー映画だっておもしろい!!
狂気や暴力をテーマに描かれた日本のスリラー映画を2作品ご紹介します。『ディストラクション・ベイビーズ』
『ディストラクション・ベイビーズ』は、真利子哲也監督が手掛けた2016年の作品で、日本映画史上最も過激な108分と評されています。
柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎という豪華な若手キャストが集結し、暴力と狂気に満ちた若者たちの物語を描きます。
この映画は、単なるバイオレンス映画にとどまらず、人間の本能的な衝動や社会からの孤立感を鋭く描き、観る者に強烈な印象を与える作品です。
物語は・・・
港町・三津浜で育った兄弟、芦原泰良(柳楽優弥)と将太(村上虹郎)。
泰良は喧嘩に明け暮れる無鉄砲な男で、ある日突然町を去り、松山の中心街で暴力を振るい始めます。
道行く人々に次々と喧嘩を仕掛け、倒されても立ち上がるその姿に高校生の北原裕也(菅田将暉)が興味を持ち、彼との危険な「遊び」に加わります。
2人は暴力の限りを尽くし、キャバクラ嬢の那奈(小松菜奈)を巻き込み、暴走を続けていく。
この映画の魅力は、柳楽優弥の圧倒的な存在感と、彼が演じる泰良の純粋な狂気にあります。
泰良は暴力を楽しむわけでもなく、そこに明確な目的もない。
ただ無心で暴力を振るい続けるその姿は、観客に不安や恐怖を与えますが、同時に人間の本質に迫るものでもあります。
彼の暴力は、理性や社会的規範を超越した存在であり、純粋な衝動として描かれています。
さらに、菅田将暉演じる裕也のキャラクターも、泰良に触発され、次第にその狂気に取り込まれていく様子が巧みに描かれています。
裕也は泰良に憧れを抱き、自分自身も暴力を通して何かを得ようとしますが、その結果、徐々に破滅へと向かっていきます。
この2人の関係は、単なる共犯者ではなく、互いに破壊し合う関係性としても深く描かれています。
また、小松菜奈演じる那奈の存在も重要です。
彼女は2人の暴力に巻き込まれる被害者でありながら、物語が進むにつれて、自らも暴力に手を染めていく。
無理やり暴行に巻き込まれ、恐怖に支配される彼女が、最後には自らの意思で行動を起こす姿は、この映画の中での重要な転換点を示しています。
観る者に暴力の不条理さやその連鎖を突きつけ、同時に現代社会の孤立感や若者の焦燥感を鋭く描き出しています。
そのため、この映画はただのエンターテイメントではなく、社会的なメッセージ性を持つ作品としても評価されています。
映画が描く無秩序な世界と、暴力に取り込まれていく若者たちの姿は、現代の日本社会が抱える問題を反映しており、観客に強烈な問いかけを残します。
暴力というテーマを通して現代の若者文化や社会の歪みを浮き彫りにした傑作と言えるでしょう。
その過激な内容に挑む勇気と、演技陣の卓越したパフォーマンスによって、日本映画界に新たなインパクトを与えた作品です。
関連記事:『ディストラクション・ベイビーズ』感想、柳楽優弥&菅田将暉が世界を挑発!
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『太陽を盗んだ男』
『太陽を盗んだ男』は、1979年に公開された日本映画で、長谷川和彦監督が手掛け、主演には沢田研二と菅原文太がキャスティングされた異色のアクション作品です。
物語の核心は「原爆を作り、それを用いて政府を脅迫する」という衝撃的な展開であり、当時としても非常に過激な内容が大きな話題となりました。
この作品は日本映画史上に残る一作で、後のカルト的人気を博しました。
ストーリー
主人公は中学校の理科教師でありながら無気力な生活を送る城戸誠(沢田研二)。
ある日、生徒たちを引率していたバスがバスジャックされ、事件を解決する際に山下満州男警部(菅原文太)と出会います。
この体験をきっかけに城戸は自分自身で原爆を製造し、政府を脅迫することを決意。
プルトニウムを盗み出し、ついには自らのアパートで原子爆弾を完成させるまでに至ります。
城戸の要求は突飛なもので、最初はプロ野球のナイター中継を全て放送するというものでしたが、次第にエスカレートし、ローリング・ストーンズの日本公演を要求するまでに至ります。
政府との交渉を続ける中、山下警部との対峙が激しさを増し、原爆を巡る息詰まる攻防戦が繰り広げられます。
見どころ
この映画の見どころの一つは、主演の沢田研二と菅原文太の共演です。
沢田研二は、無気力な教師から狂気に満ちた原爆テロリストへと変貌する城戸誠を圧倒的な存在感で演じ切ります。
一方、菅原文太演じる山下警部は、法の番人として城戸に立ち向かい、二人の対決が映画全体の緊張感を高めています。
また、映画全体に漂う社会批判的なメッセージも注目に値します。
監督の長谷川和彦は、核兵器や国家権力への鋭い風刺を込めており、原爆を手にした一介の教師が巨大な権力に立ち向かう姿は、当時の日本社会への批判を反映しています。
このテーマは、単なるエンターテインメントを超えた深みを映画に与えています。
また、当時の映画としても異例なまでにスケールの大きなアクションシーンが展開されます。
特に注目すべきは、首都高速や国会議事堂、皇居前などのロケーションを使ったゲリラ撮影で、観客にリアリティと迫力を感じさせます。
カーアクションや爆破シーンも派手で、エネルギッシュな活劇が随所に見られます。
特にクライマックスのカーチェイスシーンでは、原爆を積んだ車が激しく追跡され、緊張感が最高潮に達します。
これらのシーンは、日本映画におけるアクション描写の新たな境地を開拓したとも言われています。
『太陽を盗んだ男』は、アクション映画としてのエンターテインメント性だけでなく、社会的メッセージや主人公の狂気が見事に融合した作品です。
1970年代の日本映画界に一石を投じ、その後のカルト的人気を獲得した理由は、ただの派手なアクション映画にとどまらない深さにあります。
原爆というタブーに触れながらも、斬新な視点で描かれたこの映画は、今なお多くの映画ファンに愛され続けています。
現在もその衝撃的な内容と、沢田研二や菅原文太の熱演が評価され、『太陽を盗んだ男』は日本映画史に残る名作として、その存在感を放っています。
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