続・朝ドライフ

SPECIAL

2024年11月26日

「おむすび」四ツ木(佐野勇斗)の食べ過ぎ問題から地獄のお好み焼きパーティへ【第41話】

「おむすび」四ツ木(佐野勇斗)の食べ過ぎ問題から地獄のお好み焼きパーティへ【第41話】


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2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。

平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。
今回は、第41回を紐解いていく。

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結、無神経発言連発

栄養士の学校とは、ずいぶん、いろいろなカリキュラムがあるのだなあと、ドラマを見ていて思う毎朝です。
第41は運動です。
そこで、抜群の身体能力を発揮したのが沙智(山本舞香)
いろんなことに詳しい森山(小手伸也)が、沙智はかつてインターハイに優勝していることを思い出します。
オリンピック候補にまで選ばれそうになった沙智がなぜ、いま、栄養士を目指している?
なにか事情があるのは、うっすら想像がつくでしょう。
「なんで陸上やめたん?」と直球で訊ねる結(橋本環奈)に、それ聞く?と視聴者の誰もが思ったことでしょう。
当然、沙智はぷんと無視して去っていきます。
結はきょとん。気づけ、気づけ。でも、気づかないから、さらに失礼の上乗せをすることになるのです。

結は、四ツ木(佐野勇斗)の毎日の献立を考えようとして、沙智に手伝いを頼みます。
高校時代は、監督の奥さんが栄養士で食事を管理してもらっていた四ツ木ですが、社会人になって食事を自分で選ぶようになったものの好きなものばかり食べて、体調が思わしくないのです。高校時代、一度、食事で失敗しているのに、懲りない人……。スタミナと自己管理が四ツ木の課題のようです。

四ツ木の悩みを聞いて、結は沙智に助けを求めました。
「うちら同じ目標目指す仲間じゃん」といきなりぐいっと距離を詰めて。
沙智は今度は無視ではすみません。「マジなめとん? ほんまむかつく」と不機嫌そうに去っていきました。

結はあとで反省を口にしていましたが、頭で考える前に口が先に出るタイプのようで。いや、でも、ギャル化するまでは、他人を慮り大人しくしていたはずだし、困っている人を放っておけない米田家の呪いにかかっているはずなのに、なぜこんなに鈍感で厚かましく振る舞えるようになったのか。理解に苦しむ視聴者も少なくないのではないでしょうか。

個人的に思うのは、百歩譲って、結個人の課題であればまだしもですが、「うちの彼氏の」献立作成を、彼氏と同じアスリート出身かつ、スポーツ栄養士を目指している沙智だから手伝ってという話の持っていきかたは、沙智を尊重してないように見えてしまいます。

高校時代のハギャレンたちとの友情のように、仲間の恋愛問題に力を貸すというノリなのでしょうけれど、まったく友情を育んでいない状態で、この距離の縮め方、苦手な人はいると思います。沙智はそういうタイプでしょう。それと、彼氏の話(ノロケ的な)をされるのが好きじゃない人も世の中にはいます。自分の彼や、プライベートの話をしたくない人っているのです。家に他人を入れたくない人もいます。

沙智が他人と個人的な話をしたくない人かどうかはわかりませんが、進路のことで悩みを抱え、頑なに心を閉ざしているようではあります。その沙智の心を、結の直球剛速球が破壊して、和らげるという筋書きなのかなあと想像しますが、それにしても、結……。
反省はしたものの、今度は、森山と佳純(平祐奈)に頼って献立作成しました。もりもりとかすみん、いい人たちで良かった。

頑な人に悩んでいるのは結だけではありません。聖人(北村有起哉)歩(仲里依紗)です。
渡辺(緒形直人)に冷たくされて、ふたりして落ち込んでいます。

米田家の呪いとは、困ってる人を見捨てられないということよりも、困ってる人にやみくもに向かっていってあしらわれるという呪いなのでは……。
いや、頑なな人の実はかまってほしい心をキャッチして、根気強くアタックし続け、心をほぐす力を持っているのが米田家の人々なのでしょう。

不器用な結、歩、聖人に対して愛子(麻生久美子)だけは他者に対して要領がいいというか、サバサバしています。
悩む家族の気分転換にと、お好み焼きパーティーを急遽開催。愛子の招集で、せっかくふたりきりでイタリアンを食べようとしていた結と四ツ木も招集します。

愛子は他者をイラッとさせず、けろっと自分の思う方向にもっていけるタイプのような気がします。重くない。結と歩と聖人はちょっと重たいんですよね。それが悪いわけではないのですが。


(文:木俣冬)

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