新作「ドラえもん」の内容が子どもにはヤバ過ぎる!との噂は本当?確かめてみた結果は?

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2017

今年も春休みの季節がやって来た。そう、毎年恒例のドラえもん新作映画が公開される時期でもある。
そこで今回は、ドラえもんの新作劇場映画『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』を、地元のTOHOシネマズの早朝の回で鑑賞してきた。
思えば、自分にとってはこれが人生初のドラえもん劇場版体験。朝早くから子どもたちに混じって見たその出来は、果たしてどうだったのか?

予告編

ストーリー

真夏の暑さに耐えかねたのび太たちが向かったのは、巨大な氷山。
秘密道具の「氷細工ごて」で、遊園地を作っていたのび太たちは、氷漬けになっている不思議な腕輪を見つける。調べてみたところ、なんと腕輪が氷に埋まったのは、人が住んでいるはずもない10万年前の南極だった!腕輪の落とし主を探して南極へと向かうドラえもんたち。その前に、なんと氷の下に閉ざされた巨大な都市遺跡が姿を現す。

「10万年前に行って、落し物を届けよう!」

ひみつ道具の「タイムベルト」で10万年前に向かうドラえもんたち。

そこで、凍りついてしまった自分達の星を救うため、宇宙を旅して腕輪の謎を追う少女カーラとヒャッコイ博士に出会う。そして、腕輪を巡り、ドラえもんたちは地球が凍結する危機に直面する!(公式サイトより)

実は、子どもには難解?と賛否両論の本作。ネットで噂のヤバ過ぎる内容は、果たして本当だったのか?

実は今回、このドラえもん劇場版を見にいった理由はただ一つ!
あるネットの記事で見た、「今回のドラえもん映画の内容が、HPラブクラフトの小説「狂気の山脈にて」だ!」という趣旨の文章のせいだ。
「えーっ、それはこの目で確認せねば!」そう思い、今回急遽朝9時の回で鑑賞して来たという訳だ。

まさか、家族で楽しめる子ども向け映画の内容が、あの有名な怪奇小説家、HPラブクラフトの恐怖小説って……。
ちなみに、小説「狂気の山脈にて」の内容は、南極で不思議な生物とその文明の遺跡を発見した探検隊たちが、想像を絶する恐怖の体験をするという物。

「遊星からの物体X」あるいは、「エイリアンVSプレデター」みたいな内容、そう考えて頂ければ、大体のイメージが掴んで頂ける筈だ。恐らく見た方が拡大解釈をされたか、かなりのマニアの方が騒いでいるのでは?そんな予想と共に鑑賞に臨んだ結果とは……。

結論から言おう、やはり残念ながら「狂気の山脈にて」の映画化では無かった。

実は本作の原案は、てんとう虫コミックス版「ドラえもん」にも収録されている、「大氷山の小さな家」であり、実際に映画を鑑賞した印象では、他の映画からの要素もかなり入っていて、単純に1本の小説の映画化とは考えられなかった。

ただ、冒頭から派手に暴れまわる、触手を持った巨大なタコ状の怪物といい、ペンギンの登場、更には登場キャラの「ヒャッコイ博士」の外見がラブクラフトに似てる!など、「狂気の山脈にて」のエッセンスと、ラブクラフトへのオマージュはかなり入っていたと言える!

中でも重要なのは、本作に登場するひみつ道具「氷細工コテ」の存在だろう。実は小説「狂気の山脈にて」の中でも、新技術の最新式ドリルが重要な小道具として登場するのだ!

この様に、実際数々のHPラブクラフト要素が含まれている、今回の劇場版『ドラえもん』だが、そこはちゃんと低年齢層向けの、友情と冒険の大アドベンチャー映画として見事に成立させているのが上手い!これは、今回劇場版初監督となった、高橋敦史監督の手腕によるものだろう。

ちなみに、「狂気の山脈にて」は、ラヴクラフト全集 (4) (創元推理文庫 刊)に収録されているので、興味を持たれた方は是非!

ラヴクラフト全集 (4) (創元推理文庫 (523‐4))

今回ネットでも賛否が分かれていたのが、「10万年」という時間を巡ってのタイムパラドックスの複雑さや、南極や氷山の成り立ちへの説明が多いので、子どもたちにはかなり難解で退屈するのでは?という部分。

確かに今回、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ビルとテッドの大冒険』並みの、タイムトラベルに絡んだ伏線回収が行われるので、大人の観客にもちょっと戸惑う部分が多いかも?と感じたのも確かだった。だが、劇場内の子どもたちは別に退屈することなくスクリーンに見入っていたし、やはり「ドラえもん」というキャラクターの存在こそが子供達には大きいのだと、改めて教えられた様な気がした。

「10万年」という時の流れを上手く生かした本作のラストシーン。たとえ、その科学的な意味が理解できなくても、のび太とドラえもんの表情と雰囲気から、子どもたちは彼ら独自の感性できっとその真意を読み取ってくれているに違いない。

それが判っただけでも、早朝から人生初ドラえもん鑑賞に望んだ価値は充分にあった!そんな気持ちで劇場を後にできた本作、是非大人の方にこそオススメしたい作品だ。

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2017

最後に

ネットの噂通り、確かに冒頭からクトゥールー神話っぽい「触手の怪物」が暴れまわるので、その筋がお好きな方々がザワついているのも納得出来る本作!

しかし、他にも『シン・ゴジラ』や「巨神兵」、『バックトゥ・ザ・フューチャー3』などなど、映画好きなら敏感に反応するであろう仕掛けが満載なので、ここは普段行かない大人たちも劇場に足を運んで、子どもたちと一緒に楽しんでしまうのがオススメだろう。

最後に、今回ゲスト声優として、 浅田舞、織田信成や、お笑いのサバンナの二人、更には歌手の 平原綾香などが声の出演をしていることでも話題の本作。是非劇場で鑑賞して、誰が何の役で登場しているかを当ててみては?

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(文:滝口アキラ)

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    ライタープロフィール

    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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