本日生誕!反骨の巨匠・小林正樹監督の 生誕100年記念プロジェクト発表!

『人間の條件』6部作や『切腹』など、日本映画史に残る名作を世に送り続けた巨匠・小林正樹監督。

今年、2016年は彼の生誕100年でもありますが……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街~vol.108》

それを記念して、《映画監督小林正樹生誕100年記念プロジェクト》が発動します!

小林正樹監督(「東京裁判」撮影時)写真提供 芸游会

小林正樹監督(「東京裁判」撮影時)写真提供 芸游会

小林正樹監督とは?

小林正樹監督は1916年(大正5年)2月14日、北海道小樽市生まれ。大女優・田中絹代は父と従兄妹の関係で、35年、早稲田第一高等学院に入学して上京後は彼女の家の隣に住んで交流を深め、それが映画への興味を募らせるきっかけのひとつにもなっていったようです。

38年、早稲田大学文学部哲学科に進むと共に、心酔する會津八一教授の下で東洋美術を学んだことが、後々の彼の作風に大きな影響を及ぼしています。

41年、大学卒業後に松竹大船撮影所に入所するも、翌42年1月に応召。
3月には満州へ渡り、終戦は宮古島で迎えましたが、米軍の労働要員として沖縄本島嘉手納捕虜収容所に移され、46年11月21日にようやく復員。
この時期の過酷な体験が、徹底した反戦の意思を露にした彼ならではの、反骨の映画人生の根幹ともなっていきました。

松竹大船撮影所に復職後は『不死鳥』(47)から『日本の悲劇』(52)まで木下惠介監督の組に助監督として就き、52年に中編『息子の青春』で監督デビューを果たします。

当初は松竹大船調メロドラマを撮り続けていましたが、その実質は人生における理想と現実のギャップの中で人はいかに純粋な想いをもって対峙していくべきかを問い続けたものばかりで、それは『壁あつき部屋』(53/公開は56年)や『人間の條件』6部作(59~61)、『切腹』(62)など、戦争や理不尽な封建社会に対する怒りにも結びついていきました。

「切腹」(c)1962 松竹株式会社

「切腹」(c)1962 松竹株式会社

 その後も『怪談』(64)『上意討ち 拝領妻始末』(67)『東京裁判』(83)など海外でも高い評価を受け続け、74年度のカンヌ国際映画祭では世界十大監督のひとりとして25周年記念監督功労賞を受賞しています。

85年の『食卓のない家』を遺作に、1996年10月4日、永眠。
翌97年には、毎日映画コンクール特別賞と日本アカデミー賞協会会長特別賞が授与されました。

「人間の條件 第三部」(c)1959 松竹株式会社

「人間の條件 第三部」(c)1959 松竹株式会社

CS放映にブルーレイ&DVDリリース、
書籍、展示、そして特集上映開催!

今回の生誕100年プロジェクトでは、まず今月から衛星劇場で《小林正樹監督生誕100年特集》と題して、『人間の條件』をはじめ松竹時代の名作群の放送が始まっています。

夏には松竹時代の全作品がDVD化、『人間の條件』はブルーレイ化されます。

東宝からも同時期、『いのちぼうにふろう』(71)が初DVD化。また『怪談』の価格訂正版DVDもリリースされます。

そして秋には東京ユーロスペースにて、待望の小林作品の特集上映が決定しています。

その他、『映画監督小林正樹』出版(岩波書店より夏刊行予定)などの出版や、世田谷文学館や故郷の小樽市にて企画展を開催するなど、松竹が、そして日本映画界が世界に誇る巨匠の業績に触れるまたとない機会となりそうです。

今後もイベントなどの詳細が分かり次第、お伝えしていきたいと思います。

映画監督小林正樹HP:http://www.shochiku.co.jp/kobayashi_masaki/index.html

松竹シネマクラシックHP: http://www.cinemaclassics.jp/

(文:増當竜也)


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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