山本舞香に要注目!『東京喰種 トーキョーグールS』で魅力炸裂!

©石田スイ/集英社 ©2019「東京喰種【S】」製作委員会 

人を喰らわないと生きていけない喰種(グール)が跋扈する、いつかどこかの街・東京を舞台に、不慮の事故から半喰種と化してしまった青年カネキ(窪田正孝)の壮絶な運命を描いた石田スイ原作のダーク・バトル・エンタテインメント映画『東京喰種 トーキョーグール』。

2017年に公開されて好評を得た第1作に続き、満を持しての第2弾『東京喰種 トーキョーグールS』が7月19日よりいよいよ全国の劇場でお目見えとなります。

原作漫画やTVアニメ版も楽しませていただいていた身としては、劇場版第1作も大いに堪能させてもらいましたが、さすがに今度はどうかなあと期待半分不安半分の気持ちで試写会に馳せ参じたところ、その結果は……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街393》

実に大満足! 個人的には今回のほうがより好き!

なぜなら山本舞香がすごく良いのです!

史上最悪の究極グルメ
月山との死闘を展開!

『東京喰種 トーキョーグールS』は、原作の中でも特に人気の高い《月山編》を映画化したものです。

月山とは、グールの中でも“美食家(グルメ)”として知られる史上最悪の存在ですが、そんな彼が今回カネキの不思議な香りに魅せられて、何とかして彼を食したいと求め、喰種レストランに誘います……。

月山を演じるのは松田翔太。人の心など遠い世界へ置き去りにしてしまったかのような残忍ぶりもさながら、グルメとしてひたすら美味しいものを求めようとする究極の変態オタク資質的な暗黒面が、そもそも芸達者な彼の体躯から見事に醸し出されていて、実に的を射たキャスティングと唸らされました。

対する主演・窪田正孝も前作に続くカネキ役ということで、もう完全にキャラクターを掌握したかのような自然体の演技が実にすがすがしいほどであります。

もともと映画版『東京喰種 トーキョーグール』は窪田正孝を筆頭に、原作ファンを納得させる魅力と存在感を併せ持つキャスティングが組まれていたことが成功の要因であるように思われ(個人的には喫茶あんていくマスター役の村井國夫の、一見優しくもどこか達観したいぶし銀のごとき雰囲気が大好き)、その意味では今回も(私からすると)期待をまったく裏切っていません!

山本舞香のクールな魅力と
アクションのキレの良さ!

また、その伝で今回もっとも注目されたのは前作で清水富美加(現・千眼美子)が演じたヒロイン、トーカ役を山本舞香にバトンタッチしたことでしたが、これがもう大正解! 

©石田スイ/集英社 ©2019「東京喰種【S】」製作委員会 

そのクールでちょっと斜に構えつつもその実ピュアな悲しみの情みたいなものも併せ持っている彼女の存在感は、映画版のトーカにむしろふさわしいと思えるものが大いにありました。

クライマックスを含むバトル・シーン諸所のアクションの体のキレの良さも特筆的!

私自身は『暗殺教室』2部作(15・16)や『Zアイランド』(15)などの映画で彼女に注目するようになりましたが、その身体能力の冴えは目力の強さや低音ヴォイスなどとも相まって大きな魅力と感じて久しいものがあり、その意味でも今回はフルにその魅力を発揮していることが嬉しくてなりません。

実は今回この作品、彼女だけでなく監督をはじめ撮影現場の主要スタッフの多くが前作と入れ替わっているのですが、シリーズ第2弾としての流れの違和感は皆無で、前作よりも前向きな意味で粗削りながらも意気が良くなっている感があります。

特に気に入ったのは音楽で、前作があのハリウッド超大作『マトリックス』のドン・デイヴィスを海の向こうから招いての成果を得ていましたが、今回の小田朋美&菊地成孔の両名が奏でる楽曲の数々は前作以上に画との融合が心地よく図られているように思われました。

監督も今回は川崎拓也&平牧和彦のコンビで、どういった演出分担であったかも興味津々ではありますが、ともに1988年生まれの若手という点においても、若々しい粗削りな魅力を発散することには繋がっているのかもしれません。

いずれにしましても、本来カニバリズム的な題材は苦手なタチのはずなのに、この『東京喰種 トーキョーグール』シリーズに限っては原作漫画もTVアニメも、そして特にこの2本の実写映画は生身の人間が演じることの魅力というものが大いに引き出されている分、好みとなっております。

またそういった生身の魅力をどこまで描出できるかが、漫画やアニメの実写映画化の大きな鍵でもあるのではないでしょうか。

(文:増當竜也)

関連記事

『東京喰種 トーキョーグール【S】』本予告&本ビジュアル|松田翔太が怪演!宿敵・月山に注目
『東京喰種』続編、2019.7.19公開決定!窪田正孝&山本舞香2ショット公開!


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画レビュー・コーナー『戯画日誌』を連載中。近著に『映画よ憤怒の河を渉れ 映画監督佐藤純彌』(DU BOOKS刊)がある。

    ピックアップ

    関連記事

    新着記事

    WP Facebook Auto Publish Powered By : XYZScripts.com