『天空の蜂』脚本プロデューサーティーチインイベント取材レポ!


Q「映画を作っていく際のことをお聞きしたいのですけれども、脚本を書くときに、予算とかお金に応じてプロデューサーと監督とで色々あるかとは思うのですけれども、そこら辺の製作過程についてお話を聞けたら嬉しいです。」

[楠野]当然映画によっても違いますし、状況によっても違うとは思うんですけれども、『天空』に関して言うと、16か17稿くらいにはなったんです。特にやっぱり本直しの後半になるに従って、例えばこのシーンをこういう風にやるには、これだけの予算がいると。で、それに伴って他のシーンをこういうふうに変えたら、ここの予算がかっぽじれるとか。(笑)例えばそういうことなんです。ホントにそうなんです。
逆に言うとそこまで話が詰まっていく前に頓挫する脚本の方が全然多いんですけれども、それでもホントに細かい予算との戦いとかスケジュールの戦いになっていくっていう事は逆に言うと、あぁこの映画は本当に形になるんだなっていう。当然お金がかかる事ですし人を動かすことですから、それをクリアした上で、なんだろう、頂いた予算なり頂いたスケジュールの中でどうしていこうと、パズルを描いていくみたいな。
これに関して言うと10稿以降はもうこういう大きな直しはほとんど無くって、ホント細かいスケジュール的にとか予算的にとか、なんかしみったれた話になるんですけど(笑)っていうことでしたね。多分他の映画もそんなもんなんじゃないですかね?
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[福島]はい。はい。そうですね。まぁ一般的な話もありますけど、最初っから予算が決まっているので、その予算で何が出来るかっていう。最初はまぁ、当然予算気にせずにガーッと(笑)

[楠野]そうなんですよ(笑)みなさんプロデューサー予算気にしない(笑)でも後の方でもう当然ね(笑)

[福島]はい。で、最後の最後でちょっと印象的だったのが、タカヒコが落っこって上条がガーッと空を飛んで行くシーンが予算上削りましょうって話が一回あったんですが、堤さんが「この映画でそれを削ると色んなモノが損なわれる」と。あと最後の車の二人で湯原と三島が行くシーンとかも、「あのシーンがが無いとやる気失せる」というような(会場笑)で、それに伴いじゃあそれをやるとなると他の予算を削りましょうってなって。例えば削った予算で言うと赤嶺のシーンがそうですね。最初はバスで逃走して警察がそれを追っていくという。で最後は空港で捕物が行われるという台本だったんですけれども、

[楠野]割と原作通りに。

[福島]街の中を見ていくっていう話もあったんですけれども、それはじゃあ抑えて、会社の中で。それこそ赤嶺の会社の中のシーンは2日で撮っているので、それをまぁギュッと抑えて。かけるところはかけて、抑えるところは抑えるという、そういうバランスをみながら、ってもう最後にそんな事をおっしゃったんですけれど(会場笑)

[八雲]最初から予算を気にして書くとなるとそれはそれで窮屈なものになってしまいますものね。
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[楠野]ただホントに最初の2-3稿くらいの段階だと、江口さんがタカヒコを救出しようとするシーンで何か爆発させて欲しいと(笑)僕も爆発大好きなので、予算的に絶対無理だろうと思いつつ書いたら、割と早い段階で「爆発はイイです。。」って(笑)

[福島]はい。全然ダメでした(笑)

[八雲]今回、脚本の制作そのものはどのくらいの期間かかったんですか?

[楠野]最初にお話し頂いたのは2013年の1月末くらいで、実際INしたのが2014年6月なんですよ。まぁギリギリまでやってた、もしくは始まってからもちょっとだけ直しがあったんで、実際1年5ヶ月とかくらいですかねぇ。

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