映画は観客こそが主役―『ぴあ映画初日満足度調査』中の人に聞いてきた
―人数自体は固定ですか?
阿草
固定です。人海戦術で何百人っていれば、そんな苦労はないのですが、それは現実的じゃないので。基本的には調査隊はアルバイトなんですが、“誰でも出来る楽な仕事”ということはなく、さらに限られた人数で“土曜日の初日限定”で回っているので、人手という点では確かに苦労していますね。
調査隊の現場リーダーをつとめる藤原さん
―他にはどういった苦労がありますか?
藤原
例えば想定していたよりも観客が入っていないなんてことがあると、急遽次の回もそこに人を割いて継続してアンケートを行わないといけないなんてこともあります。最初に決めていた通りのスケジュールが常にできるわけではないので、その場で配置する人員を調整したりするところは苦労する点かもしれないですね。
―その場の状況に応じて、調査隊の人員配置が変わるんですね!
藤原
あとは、電車が止まってしまって、予定していた移動ルートが使えない時などは、他の手段切り替えるなどしています。最悪は走って移動したりとかもありますよ。
―走る!それは本当に体力勝負ですね。
藤原
渋谷の映画館に行く時に、原宿あたりで止まった時は、間に合わないから原宿で降りて渋谷へダッシュしました。土曜日に全部聞き取りしないといけないので、そこは必死です。
―事前準備としては、どういったことをされていますか?
藤原
ひたすら終演時間を調べて並べて、どう回るのが一番効率いいのかを考えています。
―状況によっても行き方を変えるってさっき仰ってたことからすると、映画館への効率よい移動方法は全部頭に入っているってことですよね?
藤原
そこは自信ありますね。こっちの道が空いているとかわかりますよ。
選んだらダメ「常に全員に行くように」
―調査隊として現場に出られていると、毎週必ず会う人なんていますか?
藤原
顔見知りになって挨拶したりなんてこともあります。あの方はドキュメンタリーを好んで観ている人だとか、あの2人は常に夫婦で来る人たちだとか、そういった方は調査隊をやっていると、徐々に増えてきますね。
―しかし、顔見知りになった人は別として、通常はアンケートってなかなか答えてもらえないものじゃないですか?どの人が答えてくれそうとかっていうのはどうやって選んでいるんですか?
藤原
それではダメなんですよ。
―ダメといいますと?
藤原
選んだらダメなんですよね。調査隊をはじめたばかりの人にも「常に全員に行くように」と言っています。観客のみなさんって終わったらパッと出ていっちゃうので、選んでいたら調査の数が全然集まらなくなってしまうんですよね。
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