映画コラム

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2016年04月08日

藤原紀香&クァク・ジェヨン監督インタビュー「『更年奇的な彼女』は温かく、優しくなれる映画」

藤原紀香&クァク・ジェヨン監督インタビュー「『更年奇的な彼女』は温かく、優しくなれる映画」

藤原紀香 更年奇的な彼女


『猟奇的な彼女』、『僕の彼女はサイボーグ』に続くクァク・ジェヨン監督の"彼女"シリーズ第3弾『更年奇的な彼女』が本日4月8日(金)より公開されています。

シネマズではクァク・ジェヨン監督の来日に合わせ、監督と主人公チー・ジアの吹替を担当された藤原紀香さんへインタビューを行いました。

監督には作品の魅力や演出意図などを。藤原紀香さんへんは作品の感想や吹替作業のエピソードなどを伺って参りました。


──監督と藤原さんは本日初対面とのことですが、お互いの印象を教えて下さい。

クァク・ジェヨン監督(以下、監督):初対面ですけれども、お会いした時にジョウ・シュンさん(主人公を演じられた女優)と似ている雰囲気があって驚きました。ジョウ・シュンさんはパワフルな部分がある女優さんですけれど、藤原紀香さんも内面に強いものを持たれているのではないかなと思いました。

藤原紀香(以下、藤原):今までの作品を拝見させて頂き、温かいイメージを持っておりました。実際お会いしてみると、映画自体のイメージと同じでとても優しい方だなと。


──監督は韓国のご出身ですが、日本や中国などでも映画を撮られています。ご自身のグローバルなご活躍についてはどう思われますか。

監督:もちろん私の母国は韓国ですけれども、日本で撮る際は日本が母国、中国で撮る際は中国が母国、そう思って撮影をしています。私にとって重要なのは国ではなく観客のみなさんです。それを重要視しているので、私の映画を好きと言ってくださる方、その方たちのいらっしゃる国で、映画を撮り、そして観て頂くことが何よりも大切です。


──監督へ、今回中国で撮影することになった経緯について教えて下さい。

監督:幸い私が以前撮りました『猟奇的な彼女』、『僕の彼女を紹介します』、『僕の彼女はサイボーグ』を中国でたくさんの方に愛して頂くことが出来ました。そのために中国の方から一緒に映画を撮らないかと声をかけてくださいました。

実は最初は楊貴妃の映画を撮る予定だったのです。しかしその時点では中国の事を全く知らずに中国に行き、苦労も色々してしまいまして…。私にとっては実習期間が少しありまして、色んな経験をすることが出来ました。

そのうちに、そろそろ中国で撮影しても大丈夫かなと思うくらい中国のことを理解することができ、本作を制作することになりました。精神的な苦労もありましたけれど、様々な事を学ぶことができました。


──監督自身は中国映画をよくご覧になられますか。

監督:昔から見ていました。特に韓国では1980年代は香港映画のブームがあり、1990年代に入ってからは中国映画のブームがありました。いずれも私たちが今まで見てきたハリウッド映画とも違う、また日本映画とも違う、新しいものがあったので、様々学ぶことが出来ました。


──監督へ、ジョウ・シュンさんが出演されている映画もご覧になられていましたか。

監督:見ていました。以前ツイ・ハーク監督の『女人不壊』(英語タイトル:All About Woman)のシナリオを書いたことがありまして、その作品の主人公がジョウ・シュンさんでした。そんなご縁もありました。

『ピアノを弾く大統領』という映画のシナリオを私は以前書きまして、イム・スジョンさんのデビュー作ですね。そのイム・スジョンさんとは私が監督を務める『時間離脱者』でご一緒することになりました。

そんなことで、出会いは繰り返すのだなと思っています。ですので、藤原紀香さんとまたどこかでお会いできるのではないかと思っています。


──藤原さんへ、今回の映画をご覧になった最初の感想を教えて下さい。

藤原:随所で泣いてしまうほど、本当に感動しました。このラブストーリーは、国を超え多くの人のハートに刺さるんだなと思いました。とても面白いと素直に思いましたし、温かい気持ちになれるし、声をやらせて頂きたいと心から思いました。


──監督へ、今回の主人公に込めた思いを教えて下さい。

監督:今回の主人公は自己主張が強く自分の意見を言う強い女性です。しかし心に大きな傷を背負っています。それを自分で癒すことが出来なくて、哀れだなと思ってしまうヒロインです。

『猟奇的な彼女』の主人公も以前ボーイフレンドを失ってしまって、心の傷が癒やされていないという部分がありました。私はそういうところを重要視しているのです。

なぜなら、愛というのは完璧な男女が出会って成されるものではないからです。お互いまだ未熟なところがある、どこかしら欠けているところがある男女が出会って、お互いを満たしていくのが愛だと思うので、それをこの映画でも出していきたいと思いました。

私からすると完璧な女性というのは魅力に欠けている気がするのです。何か心に痛みを感じていたり、悩みを抱えたりしている女性の方が美しく思えたり守ってあげたいと思ったりすると思います。

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