「アメリカン・ハッスル」の「とりあえずファッ◯しよう」は全然論理的じゃなくて爆笑

今回は『アメリカン・ハッスル』をご紹介。

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(C)2013CTMG


ブラッドリー・クーパー主演の『二ツ星の料理人』が本日より公開されています。ということでブラッドリー・クーパーが印象的な映画を紹介してみようと思いまして。

タイトルの通りこの映画には「とりあえずファッ◯しよう」というなかなか尖った台詞がありますが、なかなか論理的じゃない使われ方がしていて爆笑必須です。

まずはどんな映画なのかを書いてみましょう。

『アメリカン・ハッスル』はこんな映画


敏腕詐欺師がFBIに協力して、おとり捜査で汚職政治家たちを逮捕していった1979年の「アブスキャム事件を基にしたフィクション」です。市長や議員など政治家を検挙するためにセコいおとり捜査を行っていく物語です。

「実話を元にしたフィクション」というのが面白いですよね。

詐欺師とFBIがタッグを組んでおとり捜査。あり得ないですがこの設定自体は実話。ジャンルはクライム・サスペンス・コメディといったところでしょう。

おとり捜査を騙し騙されで展開させながら、ところどころで笑わせてくれます。そして最後は色々とびっくりな展開へと。


感想が素直に「面白かった!」な初見


所々(というか冒頭から)笑わせながら、おとり捜査のサスペンス物語が進んでいくわけですので、まあ面白いったらありゃしません。

捜査手法はぶっ飛びまくりで娯楽要素全開ですが、遊びに徹せず犯罪へきっちり切り込んでいくバランス感覚が絶妙であります。映画全体が活気に満ち溢れており、コメディとしてもサスペンスとしてもとにかく楽しいんです。

にやにや楽しんで、爆笑して、最後はあっと騙される。ラストの大オチには「なるほど!そこ繋がるのか!」と感心しきりで痛快・爽快でありました。

俳優陣のビジュアルチェンジを伴った怪演もまた見どころ。クリスチャン・ベイルはハゲデブで、エイミー・アダムスはケバくて、ブラッドリー・クーパーはパンチパーマで、ジェニファー・ローレンスはヒステリックなおばちゃん。ジェレミー・レナーは髪型がいかついです。これら個性溢れるキャラクターがぶつかり合うパワーに圧倒されます。

また、1970年代アメリカを再現するセット、衣装、そして音楽が映画を大いに盛り上げます。レッド・ツェッペリン、ローリング・ストーンズ、ドナ・サマー、ポール・マッカトニー。その世代の方は音楽だけでも存分に楽しめるのではないかと思います。

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(C)2013CTMG



「とりあえずファッ◯しよう」が突っ込みどころ満載


この映画の中盤の「とりあえずファッ◯しよう」という台詞。

これだけ書くとラブシーンを想像するかと思いますが全然そんなシチュエーションじゃないところでこの台詞が登場します。

一悶着あった後でのこの台詞。「それでもしたいんかい(笑)」と観客総ツッコミの爆笑シーンとなっています。

この映画で一番好きな1シーンを聞かれたら、私は即答でここを上げます。


ふざけた中に込められた監督の思い


この映画は一見すると事件を巡る映画なのですが、実は人間ドラマだったりするのです。

"アブスキャム事件を通して本当の愛を模索していく詐欺師と愛人の物語"と言うのが適切かなと思います。デヴィッド・O・ラッセル監督自身以下のように発言されています。
「これは、自分が望む生き方ができないでいる2人の物語だ。」

「彼らはとても愛すべき人物なんだが、傷ついているんだ。作品全体を通して、この2人が自分という人間に向き合いそして再び愛のある暮らしを取り戻していく様子を描いている。彼らは自分たちの絆が切れたことを自覚しいる。これからどうなるのか不安に思っているが、どうすれば人生をやり直して、再び愛し合えるのかをそれぞれ考えているんだ。僕にとって一番大事なのは、彼らは愛の絆を信じる情熱的な人間で、特殊な関係ではあるけれど本当に愛のある人生を送っているということなんだ。」

「誰かを愛すると自分が持っている力以上のものが発揮できて、神がかり的なことも起こりうるんだ。映画の冒頭で2人は、どんなに愛しているか、どんなにお互いを必要としているか、2人の人生をどれだけ大切に思っているかを語り合う。彼らの人生に対する情熱に僕らは心を奪われる。そしてトラブルが生じる。2人は生き残るために自分たちの関係を再び築き直す。その時2人に何が起こるのか?」

タイトルにもした「とりあえずファッ◯しよう」という爆笑台詞や、びっくりする結末など娯楽要素が満載なので軽く楽しめる作品です。合わせて監督のこういった思いを知ると映画は多面的に感動出来る作品なんだなと思うことも出来るのです。

DVD/ブルーレイは発売済みで、Netflixで配信もされています。是非この機会にご覧になってみてください。

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(文:柳下修平

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