実写映画版『シンデレラ』が玉の輿に乗らなくなった理由
3:豪華絢爛なドレスは“キャラクターの個性”を表していた!
今回の実写化において何よりも賞賛すべきは、豪華絢爛な衣装の数々ではないでしょうか。
3度のアカデミー賞に輝く衣装デザイナーのサンディ・パウエルは、撮影が始まる2ヶ月も前から、各キャラクターの個性を伝えるドレスのコンセプト作りに取り掛っていたのだとか。
例えば、意地悪な義理の姉のドレスは、派手な色とけばけばしい装飾で作られており、彼女たちの俗悪な性格をそのまま表しているかのよう。
まま母の緑のゴージャスなドレスは、その洗練された大人の魅力だけでなく、彼女の“嫉妬心”そのものも表しているかのようでした。
対して、フェアリー・ゴッドマザーのドレスは星の刺繍やスパンコールがあしあわれてキラキラとしていて、彼女の純粋さそのままのようです。このドレスには何十個のもLED照明がつけられており、彼女が魔法を使うたびに光るようにもなっていました。
そして、メインとなるシンデレラのブルーの美しいドレスは、247メートル以上のシルクとポリエステル、玉虫色のナイロンを使い、幾重にも層になったスカートには1万個以上ものスワロフスキークリスタルが散りばめられたという、もはや豪華という言葉では言い表せないほどの、スタッフの技術と熱意が結集した芸術作品になっています。その製作時間は、16人もの人員を持ってしても550時間にものぼったのだとか。
そのようにこだわり抜いて製作されたドレスの数々が、一同に集う舞踏会のシーンのは本作の白眉。豪華絢爛なドレスの中でもひときわ目立つ、シンデレラのブルーのドレスの“唯一無二”な美しさを忘れることができません。夢で見たようなおとぎ話の光景が、これほどまでに見事な実写映像で観られるなんて!
なお、シンデレラの結婚式では、このブルーのドレスとはまったく違った、彼女の“謙虚さ”や“清らかさ”が際立つようなデザインのドレスが登場していました。こうした数々のドレスのデザインの違いだけでも、本作は“キャラクターの個性”を見ることができ、かつ“夢の世界に浸れる”魅力に満ち満ちているのです。
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