インタビュー

2017年04月26日

『スプリット』来日イベント開催。深夜1時にシャマラン監督から発表が!?

『スプリット』来日イベント開催。深夜1時にシャマラン監督から発表が!?

『スプリット』の来日イベントが行われ、主演のジェームズ・マカヴォイとM・ナイト・シャマランが登壇し、役作りや映画のみどころ、制作経緯などを話した。





マカヴォイは「とても誇りに思える作品を紹介したいです。この作品について話すのが待ち遠しいです」とあいさつ。




シャマラン監督は「こんにちは、こうして日本に来れて嬉しく思います。日本でこの作品が公開されることが自分にとっては光栄です。今回で7回目の来日となります。日本の文化や映画界とはコネクションを感じていて、日本の映画からインスパイアされていて影響も受けています」と日本と縁があることを話した。




9年ぶりの来日となるマカヴォイは、久しぶりの日本の感想を聞かれ「前回の来日はとても短く24時間くらいの滞在でした。今回は一週間近く滞在していて、色々な人たちに会えました。観光地や東京タワー、明治神宮など素晴らしいところはあるけど人と会うことが重要だと思っていて

いろいろな人に会えて財産になりました」と人と出会いが大事であることを話した。

一方2年ぶりの来日であるシャマラン監督は「不思議な気持ち。こうして『スプリット』がさまざまな国で公開しているなか、最後の国が日本。気持ちの上でコネクションを感じる日本。こんなにも他の地域と時期が離れて公開するのはあまりないけど日本は特別な国です。『ヴィジット』でも来日したとき、メモをとったりしていて、今回のアイデアが浮かびました。今回も滞在中にメモを取っていて、次回の構想も浮かんでいます。そういう意味でも日本にもっとくるべきかもしれません」と同作のアイデアが日本で浮かんだことを説明。

23人格を持つ男と女子高生3人がスリリングなやりとりを繰り広げる今作。多重人格のアイデアについて聞かれると「解離性同一障害には大学から興味を持っていました。自分もその勉強をしていましたが、情報があまりなかった。最近になって医学的なデータが出てきました。それでも信憑性はえられないというところがあります。

少しずつ受け入れられるようになってきてはいます。ケヴィンという役は16年前にくらいに浮かんだアイデアで、23という数字は自分にとっては特別な数字です。ビリー・ミリガンという例もあり、この本は日本でも受けたと聞いています。解離性同一障害は女性に多く、男性では滅多にありません。そこにいくまでに事件を起こしたりするからといわれています」と同作の切っ掛けを説明した。

見事23人格を演じ分けたマカヴォイは「通常とは異なる部分と同じ部分が役作りにありました。フロイト的な話になるけど幼少時代に人格が形成され、いまの自分がいます。今回演じたのはこういう風に人格形成ができていません。遅くに生まれているものが大半です。ケヴィンの中の共同体ということで、それぞれの人格がどういう役割にあるのか定義していき、性格的な特徴が分離していき形成されていっています。これまでとは違うアプローチなので楽しかった」と役作りについて語った。

またその中で新しい自分の中の発見があったか聞かれると「自分としては意識的に考えたことはなく感じていないですが、演じているときに感じるのは自分の中にある鍵を解除していくような感じでした。脚本がよく書かれているものであれば、自分の中で解除されていきます。自分の側面の中の1つが強くてたまに人格化することがあるのではないかと思いました」と演じることを鍵に例えて説明した。

いつもサプライズを仕掛けるシャマラン監督には、仕掛けを作る際心がけていることを質問すると「まず、話の流れ、構成が重要になります。自分がワクワクする部分は、新しい物語を新しい方法で伝える手段を考えることです。今回の作品は映画を見ている間に観客があれ?こいうジャンルを見ているつもりだったのに?というのがあります。最初は『ソウ』的な感じかと思ったら、スリラーになり、最終的にはこういうジャンル?という驚きが楽しめます」と話した。

世界中の映画の引っ張りだこのマカヴォイは「もちろん。いい脚本があれば旅して訪れます。すいません、日本というのを忘れていました。もちろん日本にも来ます」とリップサービス。

また日本人ゲスト品川庄司と高橋ひかるが登壇し、それぞれ映画の感想を語る。




品川は「解離性同一障害、多重人格というのは小説でも映画でもあったけど、回想シーンとかカウンセラーの先生と会ったところ以外はワンシチュエーション映画で、ドアや隙間から覗くと違う人格たちが見えているというのが面白かった」と話す。

庄司は「冒頭から怖いシーンがあり、最後までずっと引っ張られスクリーンで無呼吸で見てしまった。またマカヴォイの筋肉がすごいかった」と筋肉繋がりで語る。

高橋は「すごくドキドキして目が離せない面白さでした。カメラワークや音楽、距離感など予想外の展開にもドキドキしました」と話すと、シャマラン監督は「そこまで見てくださってありがたい。カメラの位置はとても重要です。各ショットの角度も意味を込めています。さらに正面からズームインや下からのズームでは違う感情を込めています。カメラが正面からは心の準備ができているかな?下からだったら決めかねていて、横からだったらまだ考え中といった具合です」とカメラワークについて説明した。

最後にマカヴォイは「この作品を楽しんでもらいたいです。私も出演したことが光栄に思える作品です。この仕事に参加できることがキャリアにとっても大事なことでした。娯楽性にも富んでいて、恐怖を感じるなどいろいろな作品とは異なる驚かされる作品になっています。本作を楽しんでください」とピーアールした。

また何か発表があると振られたシャマラン監督は「この瞬間はまだ言えません。近々に発表があります。深夜一時なので寝ないで、私のツイッターをみてください」今夜に発表があることを明かした。

https://twitter.com/mnightshyamalan

さらに「最後にもう一つ、日本の映画がどれだけ自分に影響を与えたかを伝えたい黒澤明監督はもちろん、宮崎駿監督も重要。デスクに家族の写真も並べてるけど、彼(宮崎駿)と一緒に撮ったの写真も飾っています。最近は是枝監督の『奇跡』や『誰もいない』を見ました。今度は『そして、父になる』を見る予定です」とあいさつした。

同作は、女子高生3人が下校途中に正体不明の男に拉致される。目が覚めるとこの男が多重人学であることに気がつき……。シャマラン完全復活と謳われ、最後のオチは絶対言わないようにかんこう令が敷かれるほどの作品。

感想:ネタバレなし


4月の初旬に見させていただきましたが、なんといってもジェームズ・マカヴォイの演じ分けがすごい映画でした。しかし、少しでも映画本編の内容に触れるとネタバレに繋がる可能性があるので、なかなか感想が難しい映画です。

ハードルを高く設定しすぎず、情報を極力シャットアウトしてから見に行ってください。

(取材・文:波江智)


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