上戸彩が『昼顔』で見せたエロティシズムは男女問わず受け入れられる
(C)2017 フジテレビジョン 東宝
こんにちは、八雲ふみねです。
今回ご紹介するのは、6月10日から公開となる『昼顔』。
あの大ヒットドラマから3年、紗和ちゃんはどうなったの?北野先生は何してるの???
昼顔族もそうでない人も、気になる二人の“その後”とは…。
八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.107
あれから3年、決して出会ってはいけない二人が再会してしまった…。
笹本紗和と北野裕一郎は互いに家庭を持つ身でありながらも惹かれ合い、一線を越えてしまった。
そのただならぬ関係はいつしか明るみになり、北野の妻・乃里子によって引き離された二人は、弁護士を交えた示談の末に二度と会わないことを約束させられる。
あれから、3年。
夫と離婚した紗和は、海辺の町でひとり静かに暮らしていた。オーナーの杉崎尚人が営むレストランで働き、職場と狭いアパートを往復する毎日。海岸沿いの小さな町には、彼女の過去を知る者は誰もいない。
一方、北野は大学の非常勤講師となり、蛍に関する講演のためにある町を訪れる。講演中、客席に目を向けた北野は言葉を失ってしまう。
そこには、紗和の姿があった。
再び出会ってしまった二人は、どちらからともなく逢瀬を重ねていく。
そんな二人の前に現れたのは、北野の妻・乃里子だった…。
(C)2017 フジテレビジョン 東宝
ドラマ版のキャスト・スタッフが集結、続編の枠を超えた運命のストーリー
2014年夏に放送された連続ドラマ「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」。
平日昼間に夫以外の別の男性と恋に落ちる主婦のことを指す造語“平日昼顔妻”をテーマに、道ならぬ恋に人生を狂わせていく男女を描いたラブストリーは、その年の流行語大賞にノミネートされるなど、社会現象にまでなりました。
ドラマの大ヒットを受け、早い時期から映画化の話が浮上していたので、楽しみに待っていた方も多いのではないでしょうか。
再び衝動的な愛に身を焦がしていくヒロイン・笹本紗和に上戸彩、かつての不倫相手・北野裕一郎に斉藤工、一度は夫を取り戻した北野の妻・乃里子に伊藤歩と、ドラマ版のキャストが再集結。
映画版もドラマ版と同じく、西谷弘監督がメガホンを取り、脚本を井上由美子が務めているのも、ファンなら期待が高まるところでしょう。
身の毛もよだつ愛憎劇が、再び繰り広げられます。
(C)2017 フジテレビジョン 東宝
もはや「不倫は文化」ではない!不倫を描きながらも問いかけているのは…。
不倫をテーマにしたドラマや映画は、いつの時代も、特に女性の関心を引くもの。
本作がオマージュを捧げていると言うカトリーヌ・ド・ヌーヴ主演の『昼顔』、わずか4日間の恋に“永遠”を見出した男女の愛を描いた『マディソン群の橋』、流行語も生まれ一大ブームとなった『失楽園』などなど。
パッと思い浮かべるだけでもヒット作や名作が多いように感じるのは、きっと私だけではないはず。
「道ならぬ恋や刺激的な生活を、せめて映画やドラマの世界で疑似体験してみたい」という人がいかに多いか…というコトなのでしょうか。
思えば、本作のドラマ版がオンエアされていた3年前と現在とでは、不倫に対する世間の風当たりが強くなったように見受けられます。
そんなご時世に完成した本作は、女のズルさやしたたかさ、男のだらしなさや弱さで観る者の心をかき乱しながらも、実は個々の倫理観が問う映画なのかもしれません。
果たして「不倫=純愛」という構図を描くのか、それとも背徳の物語として結末を迎えるのか。
それは映画館で確かめて下さい!
(C)2017 フジテレビジョン 東宝
女性も目が釘付け?! 上戸彩のエロティシズム
上戸彩さんと言えば、女優さんの中でも明るくて健康的なイメージの代表格。
舞台挨拶で司会を務める際にお会いしても、しっかり者でいつもキラキラとした輝きを放ってらっしゃいます。
そんな好感度女優の上戸さんが不倫妻を演じるとは、あまりのギャップに驚いた人も多かったのではないでしょうか。
彼女の代表作となったドラマの続編となる本作では、より円熟味を増した上戸彩に出会えました。頬がこけやつれた姿からは、北野先生と別れてからの3年の間に彼女の身に何があったのかを否応にも想像させられます。
“海辺の町に住む女”という設定ですが、砂浜や太陽よりも生活感あふれる魚市場の方が似合ってます。度々登場するラフな部屋着姿は、同性から見てもドキッとする妖艶さが漂います。
その一方で、紗和と北野が蛍を探しながら逢瀬を重ねる川辺のシーンは、キュートな持ち味を発揮。
重苦しく切ないストーリーと共に、そのギャップを是非、楽しんで。
(C)2017 フジテレビジョン 東宝
作品情報
昼顔
2017年6月10日から全国東宝系にてロードショー
監督:西谷弘
出演:上戸彩、斎藤工、伊藤歩、平山浩行 ほか
©2017 フジテレビジョン 東宝 FNS27社
公式サイト http://hirugao.jp/
予告編
(文:八雲ふみね)
八雲ふみね fumine yakumo
大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
「シネマズ by 松竹」では、ティーチイン試写会シリーズのナビゲーターも務めている。
八雲ふみね公式サイト yakumox.com
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。