日向坂46の展望と長濱ねる
3:長濱ねるは日向坂46に何を残したのか
長濱ねるが日向坂46に残したもの、それは紛れもなく「ひなた」から連想される強さや明るさではないだろうか。日向坂46の日向がそのままの意味「ひなた」であるならば聞こえはいいが、日向坂46が歩んでいきた道のりは決してスポットライトが当たっていたとは言えない。長濱ねるがオーディション辞退にかかるけやき坂としての活動など様々な障壁を乗り越えてきたのと同じように、日向坂46も改名に至るまでには「太陽」が当たらない時代を経験してきた。
欅坂46の長濱ねるといえば、「欅って、書けない?」の番組に出演していてもその物腰の柔らかさから、優しく中和してしまいそうな存在感を放っている。番組にひとたび出演すれば場が和むし、明るくもなる。欅坂46の表題曲はデビュー当初から一貫して平手友梨奈を中心にひとつのコンセプトを貫いているが、長濱ねるのその存在感は時に違和感として映ることもあった。
対して、けやき坂46ではMVを見ていただければ分かりやすいが、長濱ねるの雰囲気と見事に重なっている。また、ソロ写真集「ここから」を発売や長崎発地域ドラマ「かんざらしに恋して」出演、テレビ番組に単独で出演するなどグループ外での活躍も目立っている。
欅坂46のセンターは平手友梨奈が務めているが、長濱ねるは裏センターと言われることもしばしば。けやき坂46のメンバーからしてみれば、長濱ねるの活躍はグループの魅力を多くの人に知ってもらうための宣伝大使として、さらには架け橋としての期待も大きかったはず。
先日開催された「MTV LIVE PREMIUM:日向坂46 -1st Story-」では、グループでは最年長の井口眞緒が長濱ねるが兼任する発表があった時のことを振り返り、「ねるちゃんがそこに立ってパフォーマンスしていたことで、私たちがどれだけ安心してステージに立てていたかを感じ、存在の大きさを改めて強く実感しました」と語っており、長濱ねるが日向坂46メンバーの心の支柱になっていたことが伝わってくる。そして、欅坂46専任が決まった日から、長濱ねるの意思を引き継ごうと奮起したメンバーの躍進にも繋がっている。
そして今、長濱ねるがけやき坂46の看板を背負って活動してきたその背を見るように成長してきたメンバーが、日向坂46というどこにも依存しない単独のグループがついに誕生した。けやき坂46という欅坂46の日陰に隠れたグループが、屈することなく地道に努力し、自らの手で勝ち取った経緯を見れば、この出来事がいかに大きな出来事なのか分かると思う。長濱ねるが残した太陽のような強く明るい日向坂46が楽しみである。
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