映画コラム
ビートルズの曲を知っているのが自分だけだったら…?ポールの書いた歌詞とメロディに目頭が熱くなる『イエスタデイ』
ビートルズの曲を知っているのが自分だけだったら…?ポールの書いた歌詞とメロディに目頭が熱くなる『イエスタデイ』
どうも、橋本淳です。
44回目の更新、今回もよろしくお願い致します。
音楽にそこまで詳しくもない私ですが、そんな私でも音楽というものは自分の生活に根付いている。リラックスしたい時、リフレッシュしたい時、仕事でその役に寄り添う時、その都度色んな曲からエネルギーやインスピレーションをもらう。青春時代に聞いていた曲のイントロを聴けば、その頃の情景が目に浮かび、その頃のニオイが戻ってくる。それほど音楽というものは、偉大で大きな存在である、と思う。音楽と思い出は直結で繋がっていて、人生においてかけがえのないもの、そう言っても過言ではないでしょう。
世界で一番聞かれているアーティストは?
そう問われたらやはり「ビートルズ」となるでしょう。音楽通でも、ビートルズの熱烈なファンでもない私でも、繰り返し聞いていて、いくつかは口ずさめる。しかもどれも名曲揃い、今作でまた聴き直すと、改めてすごい芸術だと感動しました。そうです、今回はこちらの作品をご紹介いたします。
『YESTERDAY』
イギリスの小さな海辺の街サフォーク。そこで暮らすシンガーソングライターのジャック(ヒメーシュ・パテル)は、幼なじみで親友のエリー(リリー・ジェームズ)のマネージャーとしての手厚く暖かいサポートも虚しく、なかなか売れずにいた。フェスの仕事が決まっても、客はいない、いたとしても小さな子や老人達が休憩がてら聞く感じだった。音楽で売れて有名になりたいという夢も諦めた、そんな日の帰り道、全世界で12秒間の謎の停電が起こる。自転車で帰っているジャックの周りの明かりがどんどん消えていき、真っ暗になった12秒間、そんな時間の間にジャックはバスと衝突する交通事故に合ってしまった。一時、昏睡状態であったが奇跡的に目を覚ましたジャック。すると世界が変わってしまっていた、、、最も有名なバンド、「ビートルズ」がこの世から存在を消してしまっていた。
世界中でビートルズの存在を知るのは、ジャック一人だけなのか。
ジャックは、ギターでイエスタデイを友人の前で、歌うと彼らは驚き、名曲だと感嘆する。ジャックはバカにされていると怒るが、徐々にビートルズの存在が、世界から消えていることを実感していく。
自分しか知らない。
そのことに驚き、焦り、彼らの名曲をなんとか世に残さなくてはと、ジャックは記憶を頼りにビートルズの名曲たちをライブで披露する。ライブの客は、熱狂し、マスコミやSNSでは大盛り上がり。さらに魅了された大物アーティスト、エド・シーランが自宅に訪ねてきてしまう。そして、遂にジャックにメジャーデビューの話が舞い込む。思いがけず、夢を叶えるジャックだが、、、
監督は、『スラムドッグ$ミリオネア』で作品賞、監督賞を含むアカデミー賞8部門で受賞を果たした、ダニー・ボイル。他にも、『トレインスポッティング』『普通じゃない』『28日後…』『トランス』『スティーブ・ジョブズ』などがある。脚本、製作には、『ノッティングヒルの恋人』『ラブアクチュアリー』などを手掛けた、リチャード・カーティス。
予告編が流れてから、ずっと心待ちにしていた作品。ようやく見ることが出来ました。
もし、ビートルズがこの世に存在していなかったら、そしてその曲たちを知るのが自分だけだったら。
これだけでもすでにワクワクします。どう収めるのかそこが最も気になる所。
細かく見ていくと、少々荒いような部分もあったかなという気がしましたが、そんなことはどうでもよく、ビートルズのラブ&ピース精神が深く刻まれています。
そして何より、名曲の数々。
ジャックが退院祝いで友人から、ギターをプレゼントされ、イエスタデイを歌うシーン。ポールの書いた歌詞とメロディに目頭が熱くなる。普遍的でなんて彩り豊かな音楽なんだと、改めて感じました。
いまの若い世代では、ビートルズを知らない人もいるでしょうが、この映画の登場人物のように、その名曲に初めて触れた瞬間の感動を味わえる、それはとても羨ましく思います。
ジャック役のヒメーシュ・パテルの歌唱も素晴らしい。真っ直ぐにビートルズの曲に向き合い、伸びのよい歌声に、彼の人生やビートルズの偉大さが伝わってくる。オーディションでも、彼のひたむきな姿勢がダニーやリチャードの目に留まり、今回主役の座を獲得した。
ビートルズの最後のアルバム「アビイロード」の発売から50年という月日が経った。しかし、なぜこんなにも今でも、心の奥まで響いてくるのでしょうか。言葉では決して言い表せられない感情を掘り起こしてくれる、この偉大なアーティスト。感謝と尊敬しかありません。人から人へと、これからも語り継がれていくでしょうし、そうしなければなりません。また立ち帰らせてくれた、この映画にも感謝します。
ああ、映画っていいな。
と純粋に感じながら、座席に包まれていた至福の時間。皆さんも是非体験してください。
エド・シーランが本人役での出演。天才と天才達の曲の共演、これもたまりません。是非、映画館で、座席に埋もれてみてはいかがでしょうか。
それでは、今回もおこがましくも、紹介させていただきました。
(文:橋本淳)
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