映画コラム

REGULAR

2020年05月07日

ストレスを興奮・感動・涙に変える大傑作『ワイルド・ギース』

ストレスを興奮・感動・涙に変える大傑作『ワイルド・ギース』



コロナ禍の現代にも
胸に響きわたる主題歌


そしてミッションが始まってからの諸描写に関してですが、未見の方のためにこれ以上は書かぬが華。

とは申せ、おそらく本作をご覧になったことのある方の大半は、そこからラストに至るまでの展開を脳裏に思い浮かべるだけで鳥肌が立つほどの感動を呼び起こされて、ついには思わず涙してしまうのではないでしょうか。

『ワイルド・ギース』には戦闘行為の中でしか生きていけない人間たちが、戦争を通じて巨額の利益を得ようとする人間たちに翻弄されていく悲劇であり、それを映画という名のエンタテインメントとして最大限に昇華させ得た、いわば好戦的反戦映画の傑作といっても過言ではありません。

何も反戦の拳を振り上げるだけが反戦映画ではないことを(むしろそういった作品にこそ好戦性がうかがえるときもある)、本作は映画的昂揚感とともに知らしめてくれており、それゆえに今なお多くのファンが世界中に点在している作品でもあるのです。

現在発売中のBlu-ray&DVDにはメインタイトルとエンドタイトルに流れるジョン・アーマトレイディングの主題歌《フライト・オブ・ザ・ワイルドギース》歌詞の日本語訳が字幕で出ますが、それを読むと単に世界中の紛争の哀しみだけでなく、現在のコロナ禍における苦悩の叫びとも直結していることに驚かされました。その伝では、まさに今の時代にこそ見ておくべき映画の1本にも足り得ています。

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