映画コラム

REGULAR

2020年06月26日

西のスタローン、東のジャッキー!二大アクション・スター対決!

西のスタローン、東のジャッキー!二大アクション・スター対決!



アクション・スターが
SFに手を出すと?


シルヴェスター・スタローンもジャッキー・チェンもアクション・スターとして世界的地位を築き上げているのは先刻承知の通りですが、彼らも時々変わったことをやろうとして、それが上手くいったりいかなかったりすることもあります。

その意味で両者とも、ごくたまにSFアクションに挑んだりしています。

特にスタローンの場合は、ライバルでもあるアーノルド・シュワルツェネッガーが『ターミネーター』シリーズで大成功を収めた事への対抗心もあったことでしょう。




1993年の『デモリションマン』でスタローンは凶悪犯ともども冷凍睡眠の刑を受け、2032年の未来に目覚める刑事を演じています。

こちらはまあ近未来を舞台としながら背景やアイテムなどの目新しさを狙った(日本の着物が流行したりもしている!? あと肌の接触などが禁じられているあたり、2020年のコロナ社会を先取りしているようですが、製作当時はエイズが世界的に流行していて、その影響で考えられた設定のようです)ヴァイオレンス・アクション映画とみなすこともできるかな? とは思います。




が、1995年に主演した『ジャッジ・ドレッド』はイギリスのコミックを原作とするSFヒーロー・アクションもので、いわば現在隆盛のマーベルやDCヒーローたちのラインを狙ったもの。

舞台は2139年、核戦争後の犯罪都市で、スタローンが演じるのは法を犯した者に容赦なくさばきを下す男ジャッジ・ドレッドが無実の罪で逮捕されたことから始まる復讐譚。

さすがにスタローンのヒーロー・コスプレ姿も含めて公開時は不評で、新たな路線を模索するスタローンの苦渋すら感じられたものですが、今見直すとそれこそマーベル&DCの先駆け的なものとして楽しめます(ちなみに2012年には同コミックを原作にした3D映画も作られています)




ジャッキー・チェンも2003年に超人的パワーをもたらすメダルをめぐっての刑事と悪の組織の攻防戦をVFXもふだんに用いたSFアクション映画『メダリオン』に主演しています。

正直、ジャッキー映画に特撮的要素を感じたことがなかったファンとしては若干の違和感も覚えたりしたものですが、彼としてはやはり新境地を開きたかったのでしょう。




そして2017年の『ポリス・ストーリー/REBORN』は、彼が主演する名物シリーズ『ポリス・ストーリー』とはほぼほぼ関係はなく(なぜか1985年のシリーズ第1作『ポリス・ストーリー/香港国際警察』主題歌《英雄古事》の北京語バージョンがエンドタイトルに流れる)、人工心臓をめぐるSFアクション映画なのでした。

もちろんジャッキー映画ならではのアクションも冒頭から中盤にかけてはふんだんに用意されているのですが、クライマックスは空飛ぶ巨大要塞の中でのレーザー光線銃撃戦といった、まさに荒唐無稽なSFテイストへ突入していく!

おそらくジャッキーとしては巷で人気のマーベル&DC映画群に負けるものかといった気概で新機軸を拓こうとしたものとも思われます。

やはりジャッキーは(スタローンも)SFよりアクション・オンリーのほうがいいよなというファンの声はいろいろ聞こえてきそうではありますが、一方では、大スターになっても新しいことに挑戦し続ける彼らの若々しい心意気こそを汲んであげてもいいのではないか? という気持ちもあったりします。

いずれにしましても東西の両雄、老いてますます映画に熱を入れ続けているのでありました!

(文:増當竜也)

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