映画コラム

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2021年04月24日

神木隆之介が魅せる顔:「コントが始まる」『るろうに剣心』それぞれの魅力

神木隆之介が魅せる顔:「コントが始まる」『るろうに剣心』それぞれの魅力



1995年にCMデビュー、1999年にドラマデビュー。2歳から芸能界の道を歩み、27歳にして芸歴25年という子役出身の俳優・神木隆之介。

映画『3月のライオン』『桐島、部活やめるってよ』『バクマン。』を代表作とし、ドラマでも「SPEC」「11人もいる!」「学校のカイダン」などで圧倒的な存在感を残すなど大活躍を続けている。2021年もその勢いは止まらない。

2014年に公開された映画『るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編』で瀬田宗次郎役として出演した記憶は新しい。

そして2021年に公開された『るろうに剣心最終章 The Final』では公開日までシークレットキャストとして厳重に出演情報が伏せられていたが、前作と同じく宗次郎役でスクリーンに帰ってきた。


(C)和月伸宏/集英社 (C)2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会

神木隆之介といえば、2021年4月から放送開始しているドラマ「コントが始まる」でも朝吹瞬太役として出演。菅田将暉・仲野太賀・有村架純・古川琴音らと共演していることで話題の渦中となっている。あらためて、2021年上半期の神木隆之介に注目したい。

『るろうに剣心 最終章 The Final』にも瀬田宗次郎役として出演!

その姿を観た瞬間、思わず叫んでしまうところだった。

『るろうに剣心 最終章 The Final』を、一足先に試写で拝見している最中のこと。本作は6月公開予定の『るろうに剣心 The Beginning』と合わせた前後編となっており、佐藤健演じる緋村剣心の、右頬にある十字傷の謎を追う物語となっているのだが……だからこそ、完全に油断していたのだ。まさか、宗次郎がもう一度出てきてくれるなんて!

もちろん試写の席には私以外の方もいたので差し控えたが、仮に一人で観ていたらひとしきり騒いでいたことだろう。まさか、あのタイミングで登場してくれるなんて思いもよらなかった。どれだけ華麗で心を打つシーンだったか、ファンの方はぜひ劇場のスクリーンで確かめていただきたい。


(C)和月伸宏/集英社 (C)2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会

神木隆之介が演じた瀬田宗次郎は、映画『るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編』で初登場となった。原作のビジュアルどおりの名再現で、実写化とはまさにこのこと!と膝を打った方も多いだろう。神木本人も数年前から「宗次郎をやりたい」と関係者に漏らしていたという。

当時も共演していた佐藤健や武井咲らが揃って絶賛するほど、その演技やアクションにかける情熱は桁違いだった。その熱量をスクリーン越しに受け取ってから早数年、あの衝撃と同じだけの圧を、いや、倍以上の圧をあらためて全身で受け止めた。映像美に、音楽に、表情に、交わされる目線に、ぶつかりあう刀と刀のスピードに、追いつくことができなかった。

片足で立ち「トン、トン、トン、トン」と独特のリズムをとってから繰り出される俊敏な太刀筋。ああ、宗次郎が戻ってきた!と鳥肌が立つはずだ。絶妙なサイコパス具合も相まって、決して長くはない出演シーンでも圧倒的な存在感を残す。あらためて、神木隆之介は誰にでもなれる役者だ。

「コントが始まる」の朝吹瞬太は、もはや神木隆之介そのもの?


(C)日本テレビ

『るろうに剣心シリーズ』の瀬田宗次郎とは打って変わり、4月からスタートしているドラマ「コントが始まる」で演じる朝吹瞬太は、ごくごく普通の、現代に生きる青年だ。菅田将暉、仲野太賀とともにお笑いトリオ「マクベス」のひとりに扮する。10年経っても売れなければトリオを解散する約束を目の前にして、右往左往する若者の群像を描いたドラマだ。

日頃からバラエティ番組などで神木隆之介本人の人柄を知っている方は、こう思うのではないだろうか。

「朝吹瞬太は、もはや神木隆之介本人では?」

そう、朝吹瞬太は、神木隆之介そのものなのだ。言うことも、飄々とした態度も、そこに在る佇まいも、実に神木隆之介を彷彿とさせる。それほどに、朝吹瞬太はどこにでもいる一般的な、等身大の青年といえるかもしれない。

4/17に放送された第1話では、菅田将暉演じる春斗に「(お笑いコンビの)マクベスに入らないか?」と誘われ、その場でひとつ返事でOKしてしまう。その決断の早さがどことなく神木隆之介っぽい。「三人のほうが面白くなる気がするんだよね」と言われ「俺もそう思ってた」と即答するあたり、ありあまる自信を感じさせるところも、なんとなく本人っぽい。



大事なオーディションが終わったあと、3人でラーメンを食べるために車で福岡まで来てしまうところも、どことなく神木隆之介を感じる。終始飄々としており、良い意味で物事を深く捉えず、かつ客観的な視点でほかの2人を上手く誘導し、それでいて本人も薄暗い闇を抱えている雰囲気があり……。このあたりは、4/24放送の第2話でさらに明らかになってくるだろう。

『るろうに剣心 最終章 The Final』の瀬田宗次郎、そして「コントが始まる」の朝吹瞬太。見た目も性格も役どころも、何もかも違うキャラクターをそれぞれ演じ分ける神木隆之介のポテンシャルは、年々磨きがかけられている。ぜひこの2人の演じ分けを見比べてほしい。

(文:北村有)

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