映画コラム
マーベル作品(MCU)フェーズ3前半 一覧&全6作品の魅力を徹底解説!
マーベル作品(MCU)フェーズ3前半 一覧&全6作品の魅力を徹底解説!
『ドクター・ストレンジ』の魅力
『ドクター・ストレンジ』は、魔術師に転身した元天才外科医のヒーロー・ドクター・ストレンジを主人公にしたヒーロー映画の第1作。MCUシリーズとしては通算14作目を数え、 名優・ベネディクト・カンバーバッチが主演を務めた初のマーベル映画となりました。
ストーリー
天才脳外科医のスティーヴン・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は容姿も知能も秀でており、プライドの高さから傲慢になっていた。しかしある日交通事故に遭い、両手の機能を失ってしまう。突如外科医としてのキャリアを絶たれた彼は、あらゆる治療を試すうちに財産を使い果たした。完治の手立てが見つからぬまま富も名声もなくしたストレンジは、最後の望みをかけ、どんな傷も治せる神秘の力を操るという指導者エンシェント・ワンを頼る。不思議な力を目の当たりにし、栄光を取り戻すため、その日から想像を絶する厳しい修業に取りかかるストレンジ。悪用すれば人類の脅威となりえるその魔術が、彼の運命を大きく変えていく。
ベネディクト・カンバーバッチによる新ヒーローの誕生
公開以前には、ドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」で人気を博し、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』や『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』の出演などで注目を集めたベネディクト・カンバーバッチさんの起用も話題になりました。
彼が演じたのは、交通事故で輝かしいキャリアを絶たれてしまった傲慢な天才外科医・スティーヴン・ストレンジ。
その人物像には、アイアンマンことトニー・スタークと共通する部分もあり、彼らが共にシャーロック・ホームズを演じていることで、当時のファンが盛り上がったというエピソードもありました。
(ロバート・ダウニー・Jrは映画『シャーロック・ホームズ』で主人公を演じています。)
霊界もの映画の代表・ スコット・デリクソン
本作のメガホンをとったのは、『エミリー・ローズ』、『フッテージ』、『NY 心霊捜査官』など、悪魔やオカルトを題材にしたホラー系統の作品を数多く手掛けてきたスコット・デリクソン監督。
原作の神秘主義的思想に共感したという監督ゆえに、劇中ではトリッキーな映像表現が目立ちます。
アストラル体と呼ばれる霊体に変身してしまう主人公やトラウマ級のトリップ表現、過去の作品群でも霊界ものを描いてきた監督ゆえに、見たことのない映像の数々に圧倒されてしまいます。
幻覚ブームに生まれた魔術師
本作の原作が連載され始めたのは、1960年代のサイケデリックブームの真っ只中。
サイケデリックとは、LSDなどのドラッグによるトリップ状態になると見える幻覚を指す言葉で、ビートルズの楽曲でも有名なサイケデリック・ロックにも影響を与えた概念です。
そのため、劇中では、サイケデリック・ロックを代表するPink Floydの「Interstellar Overdrive」が使用されるシーンや、まるでトリップ状態を再現したかのような独特な映像が登場。
また、本作の悪役で闇の魔術にこだわるカエシリウスが持つ過激思想は、ヒッピー文化の過激派代表とも言える人物・チャールズ・マンソンと通ずる部分があるとも言われています。
(近年では『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でも彼が描かれていました。)
ヒッピー文化は、サイケデリックブームと避けては通ることは出来ない同時代の文化であり、連載当時のアメリカの世情を知っていると、より楽しめる作品でもあるのです。
圧倒的な映像マジック
上空へと歪んでいく街の描写や劇中のトリップシーンなど、『インセプション』や『2001年 宇宙の旅』といった名作SFにも引けを取らない圧巻の映像表現が印象的な作品でもあります。
世界中に繋がっている不思議な屋敷・サンクタム・サンクトラムや、まるでペットのように愛らしい変わった赤マントなど、独特な世界観も本作の魅力の一つで、クライマックスのバトルシーンには驚きの視覚表現も用いられています。
MCU他作品との繋がり
本作でドクターストレンジが身に着けることになる重要アイテム・アガモットの目は、シリーズを通じて登場している無限の石・インフィニティ・ストーンの一つ。
ラストには、シリーズファンには嬉しい意外な人物が登場するほか、ドクター・ストレンジの右腕として活躍したベネディクト・ウォンは、マーベルの最新作『シャン・チー/テン・リングスの伝説』への出演が発表されています。
ちなみに、主人公・スティーヴン・ストレンジの名前は、MCU第9作『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』にも登場。
劇中で実行されるインサイト計画の標的としても挙げられているため、気になった方は、こちらの作品を改めて確認しても良いのかもしれません。
マーベル映画としては初の魔術師ヒーローを描いた『ドクター・ストレンジ』。
特殊な設定でありながらも、シリーズ初心者でも鑑賞可能な単独作品でもあるため、ベネディクト・カンバーバッチさんのファンの皆様には、ぜひ、観て欲しい一作です。
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