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ディーン・フジオカ「青天を衝け」で再び五代友厚を演じる〜彼の軌跡を振り返る〜
ディーン・フジオカ「青天を衝け」で再び五代友厚を演じる〜彼の軌跡を振り返る〜
海外市場を見据えた日本映画
『NINJA THE MONSTER』
『NINJA THE MONSTER』より (c)2015 松竹
2014年、ディーンフジオカはNHKBSプレミアム「撃墜3人のパイロット~命を奪い合った若者たち」で日本のテレビドラマに初出演。
また同時期の北米ドラマ「荒野のピンカートン探偵社」(14)にも準レギュラー出演しています。
そして2015年の秋からスタートしたNHK連続テレビ小説「あさが来た」に五代友厚として登場し、お茶の間の人気を得るようになりました。
さて、この時期に彼が主演した日本映画が『NINJA THE MONSTER』(15)です。
一瞬「外国のニンジャ映画?」と勘違いしてしまうタイトルですが、これは海外への輸出を企画のメインとして制作されたもので、その意味では国際的な活動を続けているディーン・フジオカを主演に向えるにふさわしいものでもありました。
江戸へ向かう幸姫(森川葵)の一行に正体を伏せて加わった忍びの伝蔵(ディーン・フジオカ)と、もののけとの戦いをVFXを駆使して描いた特撮アクション時代劇。
危険な旅路やNINJA&姫の身分違いの恋なども含め、上映時間84分の中に盛りだくさんの内容となっています。
2018年の2本の意欲作
『海を駆ける』『空飛ぶタイヤ』
「あさが来る」で一躍日本での人気を得たディーンフジオカは、以後日本での活動も俄然増えていきます。映画だけでも2017年、に結婚詐欺師を演じた主演作『結婚』や、人気漫画の実写映画化『坂道のアポロン』に出演。
そして、あの伝説的大人気漫画の実写映画化『鋼の錬金術師』では、人気キャラクターのロイ・マスタリングをさっそうと演じてくれました。
『海を駆ける』より (C)2018「海を駆ける」製作委員会
2018年には深田晃司監督による日本&フランス&インドネシア合作映画『海を駆ける』に主演。
これは2004年の大地震&大津波で壊滅的な被害を受け、今なおその傷跡が残るインドネシアのバンダ・アチュを舞台に、正体不明の日本人らしき男ラウ(ディーン・フジオカ)がさまざまな奇跡と事件を巻き起こしていきます。
日本からは太賀(現・仲野太賀)、阿部純子、鶴田真由らが共演
日本でも3・11があったことを思うに、単によその国の出来事として片付けられないものもあり(深田監督自身その意図はあったと思われます)、ファンタジックな情緒を通じた真摯なメッセージが発信されている作品です。
ちなみにディーンフジオカが演じた男ラウとは「海」という意味があります。
『空飛ぶタイヤ』より (C)2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会
2018年にはもう1本、本木克英監督の『空飛ぶタイヤ』もありました。
池井戸潤の同名小説を原作に、トレーラー脱輪人身事故をめぐる車両の欠陥に気づいた運送会社社長・赤松(長瀬智也)と、製造元の大手自動車メーカーとの確執と攻防を骨太のタッチで描いていく社会派エンタテインメント。
この中でディーンフジオカはメーカー側の代表として赤松と対峙していく沢田を演じています。
公私の狭間に立たされた企業側の人間の苦悩をスマートに演じ切っているあたりは、やはり彼ならではの魅力の賜物でしょう。
それにしても『I am ICHIHASHI』にしても『結婚』にしても本作にしても、ディーン・フジオカはどこかしらピカレスクなものに惹かれて演じる傾向があるような気もしないでもありません。
(また、だからこそ『鋼の錬金術師』のロイもさまになるのでしょう!)
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