2021年07月08日

【厳選】今週公開オススメ映画!『ブラック・ウィドウ』『東京リベンジャーズ』だけじゃない…!

【厳選】今週公開オススメ映画!『ブラック・ウィドウ』『東京リベンジャーズ』だけじゃない…!


『劇場編集版かくしごと―ひめごとはなんですか―』

TVアニメの再編集映画のひとつのお手本。大瀧詠一〈君は天然色〉に乗せて感動の涙!


(C) 久米田康治・講談社/劇場編集版かくしごと製作委員会

久米田康治の同名漫画を原作とするTVアニメーション・シリーズ(2020年4月~6月放送/全12話)の総集編映画。

下ネタやり放題の漫画家であることを絶対愛娘(声/花江夏樹)に知られたくないお父さん(声/神谷浩史)の奮戦記。

つまり「隠し事」は「描く仕事」という意味を込めたタイトルでもあるわけですが、主人公の自意識過剰がもたらす言動およびそれの振り回される周囲の個性的面々が織り成すギャグの連打の果てに、ちょっと信じられないくらいに奇跡的な感動が見る者の涙腺を緩ませてしまうという秀作です。

TV版最終回の段階で原作がまだ進行中だったこともあって、本作では原作最終回の要素を意識した新規カットが追加されているのも、ファンにはお楽しみではあるでしょう。

また、それ以上に本作は「映画」そのものとしても、非常に良く出来ています。

見る前は上映時間が80分もないと聞かされて、せっかく1クールしかないTVアニメの総集編なのだから2時間くらい尺を取ればよかったのにと思いましたが、実は細かいエピソード満載のこの作品、ハンパにそれらを並べていくのではなく、作品の基軸となるストーリー部分のみを抽出していく潔い構成が功を奏していることに唸らされるとともに、それゆえの78分という、実に内容に適した長さであったことにまで気づかされます。

(オールド・ファンとしては、かつてTVシリーズ全105話という長尺の中から、基礎の基礎のみを抜き出して110分の映画に構成された1978年の岡本喜八総指揮、鳥海永行監督『劇場版科学忍者隊ガッチャマン』とも似た感慨を味わいました)

TV版のエンディング・テーマ曲でもあった大瀧詠一《君は天然色》が、今回エンドタイトルでフルに銀幕狭しと大音量で鳴り響くに至っては、まさに感無量!

監督は映画版『ぼくらの7日間戦争』(19)でも知られる村野佑太。TV版に続いて今回の映画版でも、非常に良い仕事をしてくれました。

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