【厳選】今週公開オススメ映画!『ブラック・ウィドウ』『東京リベンジャーズ』だけじゃない…!
【厳選】今週公開オススメ映画!『ブラック・ウィドウ』『東京リベンジャーズ』だけじゃない…!
『サムジンカンパニー1995』
1995年韓国ソウルの女子社員たちによる男性上位社会に対するカタルシスみなぎる反逆1995年の韓国ソウルを舞台に、実際に起きた大企業の有害物質汚水流出事件をモチーフに女性社員たちの真実追求を軽やかに描いた痛快エンタテインメント映画。
実際はかなり深刻な題材ではありますが、映画はそのこと自体を糾弾する社会派的姿勢を強調するよりも、男性上位社会の中に甘んじてきた女性たちの反逆とも革命ともいえる行動を魅力的に描いているのが大きな特徴で、その意味でも見やすく、共感も得られやすい仕上がりになっているように思われます。
仕事の実力はあるものの、現実は男どもからお茶組みや雑用ばかり命令される日々の女性たちの姿は、今から四半世紀前が舞台とはいえ、今はどれだけ進歩しているのだろうかと疑念に思わされるところも多々あり、それは日本も決して他人事ではないでしょう。
もっとも本作は『グエムル―漢江の怪物―』(06)の少女役から大きく成長したコ・アソン、本作で青龍映画賞助演女優賞を受賞したイ・ソム、『スウィング・キッズ』(18)でのKPOPアイドル役も印象深かったパク・ヘス
と、それぞれのキャラクターの個性が前向きに遺憾なく発揮されており、コミカルなタッチも随所にうかがえはするものの、しっとりとした情感みたいなものが根底の土台として据えられているあたり、『花、香る歌』(15)のイ・ジョンピル監督ならではの賜物かもしれません。
1995年の風俗や流行などの再現にしても、日本の当時と共通するものも多く見受けられ、懐かしさとともにどこか新鮮な趣きまで感じられます。
『9時から5時まで』(80)『ドリーム』(16)など男性社会に一矢報いる女性たちの魅力を引き出すハリウッド映画は数多くありますが、その韓国映画代表としても讃えたい1本。
日本映画もたまにはこういったものを作っていただきたいものです。
(まあ、今年はOLたちのヤンキー抗争劇『地獄の花園』なるベクトルの全く異なる痛快アクション映画の怪、いや快作がありましたけどね……)
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