俳優・映画人コラム

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2021年09月26日

<黒木華>の魅力、「等身大」に混ざる「少しの不思議」

<黒木華>の魅力、「等身大」に混ざる「少しの不思議」


最新映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』ではゾクっとさせる演技を……。

 映画の最新作が2021年9月10日公開されたばかりの堀江貴大監督『先生、私の隣に座っていただけませんか?』です。

(C)2021「先生、私の隣に座っていただけませんか?」製作委員会

柄本佑、奈緒、金子大地、風吹ジュンと共演した本作で黒木華は漫画家夫婦の妻・佐和子を演じています。

夫の俊夫も漫画家ですが久しく新作はなく、佐和子のアシスタント的な存在になっています。しかも佐和子の担当編集者の千佳とは不倫関係にあるようで……。

そんな中で、佐和子は運転免許を取るために通い始めた教習所で歩という年下の教官と出逢い、胸がときめきます。

千佳との浮気がばれているのでは?と感じ始めた俊夫に、佐和子は新作の漫画のネームを見せます。そこには俊夫と思われる男と千佳と思われる女性との不倫現場がリアルに描かれていて、さらに教習所での歩との淡い恋も描かれています。

どこまでが想像で、どこからがリアルなのか戸惑う俊夫ですが、佐和子の様子は一向に変わった感じもなく、逆にそれがさらに余計な焦りと不安を感じさせます。

そのエンディングについては、拍手喝采する側の人間とひたすら恐怖する側の人間、大きく分かれるエンディングになっています。

バイオレンスという言葉から最も遠いような映画ですが、個人的には思い切りぞくっとさせられました。

話題作連発「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM」発信作品から目を離すな!?

映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』はオリジナル企画のコンテスト「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2018」の準グランプリ受賞作品です。

「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM」はその言葉の通り、TSUTAYAが主催する「本当に観たい映画作品企画」を募集から映画化までのバックアップを行う「コンペティション」を中心に、映像クリエイターと作品企画を発掘するプログラムです。2015年から始まったまだ新しいプログラムですが、2018年以降コンスタントに映像化が進んでいます。
 
第一回作品は長澤まさみ&高橋一生の『嘘を愛する女』。以降池田エライザ主演の『ルームロンダリング』、夏帆&シム・ウンギョンの『ブルーアワーにぶっ飛ばす』などが立て続けに公開されました。
 
2021年に入ってからも土屋太鳳&田中圭の衝撃作『哀愁しんでれら』、瀧内公美主演でSNSをテーマに扱った『裏アカ』がすでに公開済み。
 
2021年9月には今回の『先生、私の隣に座っていただけませんか?』に続いて、ムロツヨシの初主演映画となる『マイ・ダディ』(こちらも共演に奈緒の名前が)が9月23日から公開予定です。
 
「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM」は2021年のコンペティションは中止されましたが、2020年までの受賞作の映像化企画は進んでいるとのことですし、2022年春には新たなコンペティションが予定されています。これからも「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM」から発信される作品には要注目です。

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