俳優・映画人コラム
長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない
長澤まさみの眩しすぎる魅力:誰がどう見ても世界遺産級、異論は認めない
闇に堕ち続ける毒親役で誰も見たことのない新境地へ。『MOTHER マザー』
(C)2020「MOTHER」製作委員会
親子が起こした殺人事件というショッキングな実話をベースに描いた映画、『MOTHER マザー』(20)。誰にも救いようのない衝撃的なストーリー、類を見ない胸糞の悪さ、星5つである。
ゆきずりの男たちと関係を持ち、その場しのぎの生活をおくる自堕落で奔放な女・秋子。比較的明るい役柄が多かった長澤まさみからは想像もつかないほどのクズさ加減…長澤まさみの真骨頂を見た気がした。
秋子はシングルマザーで、周平(奥平大兼)という息子がいる。仕事もお金もない秋子だが、周平への執着心は異常で、元旦那にはなにがなんでも渡そうとしない。また、実家に帰るたびにお金をせびり、両親や妹とも実質絶縁状態。そんな秋子はいろんな男と関係を持ちつつもパチンコ店で出会った遼(阿部サダヲ)と堕ちるところまで堕ち、社会の底部で生きていく。そんな遼との時間は永遠なわけもなく、やっぱり秋子には周平しか、周平にも秋子しかいないのだ。
(C)2020「MOTHER」製作委員会
この長澤まさみがすごいのが、(彼女だからこそきれいなものの)化粧っ気も一切なくよれよれの服を着ただらしのない容姿、話さなくてもわかるうらぶれ具合にも関わらず、出会う男全員と寝るのだ。じゃがいもの皮をするする剥くギャップに、みんなやられてしまうのだろうか。長澤まさみのうちからにじみ出る色気は圧巻で、そうなるたびに心の中で拍手していた。もはや尊敬の念。
すべての責任を周平に押し付け罵倒するその姿は憎くもあり、それ以上に哀れだった。鑑賞後もしばらく引きずってしまうほどの毒親を演じ切った長澤まさみのこれからがますます楽しみになる作品だ。
(C)2018「嘘を愛する女」製作委員会
長澤まさみ代表作品を深堀りする中で引っかかったことが、二つある。
一つ目、映画『モテキ』の一人目となるヒロインは長澤まさみ、ドラマ「モテキ」の一人目となるヒロインは野波麻帆なのだが、この二人には「東宝シンデレラ」オーディション グランプリという共通点がある。また、『嘘を愛する女』でも食品メーカーの同僚・ライバルとして共演。これはただの偶然なのだろうか。
二つ目、長澤まさみはどんな役柄でもなにかにつけて酒飲みの役が多い。その飲みっぷりは見ていて気持ちいいくらいだ。実際の長澤まさみはどうなのだろうか。いつか一緒に乾杯したい。
(C)2020「コンフィデンスマンJP」製作委員会
今回は特に推しな5作品とともに振り返ってみたが、映画だけでも通算50作品以上出演している。それぞれの作品で魅力はまったく異なるので、改めて見返してみて”推しな長澤まさみ”を語り合いたいところだ。
(文:桐本絵梨花)
→長澤まさみ 画像ギャラリーへ
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