俳優・映画人コラム

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2021年10月15日

女優・見上愛を観てほしい!2021年度「一度見たら忘れない女優」第1位

女優・見上愛を観てほしい!2021年度「一度見たら忘れない女優」第1位


SNSの暗部を描いた「箱庭のレミング」で魅せた!見上愛の”闇”


(C)AbemaTV, Inc.

ここでいったん趣向を変えて、”陽”の見上愛ではなく、”陰”の見上愛をご紹介したい。

ABEMA「箱庭のレミング」(21)も必見な作品だ。SNSの暗部を表現した話題作であり、見上愛がメインで出演する「第1部:不純ないいね」がたまらなく良い。この物語で見られるのは、見上愛の”闇”の表現だ。

あらすじはこうだ。ルックスを売りにモデルをやっていてSNS人気も高い女子高生・みえ子(見上愛)。イメージダウンを避けるため、引きこもりの姉がいることを隠している。

ある日、姉が動画SNSにおいて「不純さん」というアカウント名で一躍有名になりつつあることを知った。「かわいい〜!」ともてはやされ、「いいね!」が万単位でつけられているが、いわゆる”キワモノ系”として面白がられているのだ。

姉が「不純さん」として有名になっても、実の姉妹だと言い出せないみえ子。姉の行動はどんどんエスカレートしていく。内心、姉のことを見下していたみえ子は、自分よりもチヤホヤされつつある「不純さん」に嫉妬し、アンチコメントを書き込んでしまう……。

「きれいのくに」や『プリテンダーズ』とはまた違い、今作で演じるみえ子という役柄は、バリバリに自分のことが好きで、ガンガンに自分のことを可愛いと思っているタイプだ。周りにチヤホヤされることに安心感を得ているし、だからこそ、たとえ”キワモノ系”だとしても有名になりつつある姉のことを、受け入れ難かったのだろう。

姉のアカウントに対し、匿名でアンチコメントを書き込み続けるみえ子。物語はその後、視聴者に息もつかせぬ展開へとなだれこんでいき、背筋が寒くなるラストシーンへと繋がっていく。

この瞬間の、見上愛の表現をぜひ観てほしい。”闇”の見せ方をぜひご覧になってほしい。

「きれいのくに」→『プリテンダーズ』の順で鑑賞し、本作を観た筆者は、すでに奪われていた心がさらに持っていかれてしまった。本当に彼女は2019年に役者デビューしたばかりなのだろうか。「ブレイク直前」というワードがここまで信憑性と説得力を持つのは、見上愛しかいないだろう。

「そんなにトップスピードで引き出しを開けちゃっても大丈夫なのか!?」と個人的に心配してしまうが、おそらく彼女の引き出しの中身が尽きることはない。

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