2021年10月15日

崎山蒼志の大いなる魅力:多くの映画監督を惹きつける理由(ワケ)|『かそけきサンカヨウ』も公開

崎山蒼志の大いなる魅力:多くの映画監督を惹きつける理由(ワケ)|『かそけきサンカヨウ』も公開


広がる才能


ここまでは崎山が楽曲を手掛けた映画やドラマを紹介してきたが、彼の才能はそれだけにとどまらない。


出光興産全国高校サッカー選手権大会応援CM就活エージェントなど、ショートフィルム形式のCMや一風変わった企画にも果敢に取り組んでいるのが、その活動の興味深いポイントといえる。

「サントリー天然水 GREEN TEA」のプロモーション企画 「徒然なるトリビュート」では、tofubeats、Saucy Dog、ネクライトーキーといった個性派アーティストに並び、徒然草の1節を題材にした1曲を書き下ろし。



独特な言葉選びのセンスを用いて、伝統的な古典文学の再解釈にも挑戦している。

また、シンガーソングライターとしての印象が強い彼だが、過去には役者として作品の出演経験もあるのも、ファンなど知る人ぞ知る経歴といえるだろう。

のちに「Samidare」を含む、彼のMV三部作を撮影することになる映画監督・写真家の枝優花(『少女邂逅』や『放課後ソーダ日和 特別版』)が手がけたドラマ「スイーツ食って何が悪い!」では、スイーツ好きであることを周囲に隠している主人公・角田を演じている。

劇中では、彼にしか出せない独特の存在感が印象に残る。
枝監督の過去作と同様、同性間の心地よい信頼関係に、自然と口角が緩む名作ドラマとなっている。


このように多くの映像作家とのコラボレーションを経て、様々な分野で、その若き才能をいかんなく発揮してきた崎山蒼志。

先日も、水野良樹(いきものがかり)との共作で、ドラマ「顔だけ先生」の主題歌でもある楽曲「風来」を発表するなど、その勢いは衰えを知らない。

鮮烈なデビューを飾り、裸足のまま、やって来た彼は、これから先、どのような言葉を紡ぎ、どのようなメロディを生み出しながら、駆け抜けてゆくのか。

映画ファンの一人として、今後も彼が色づけていくであろう物語の数々を心待ちにしていたい。

(文:大矢哲紀)

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