<日本沈没ー希望のひとー >最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
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日本沈没の機密情報を漏洩した疑いで、田所博士(香川照之)が東京地検特捜部に連行された。
国家機密とされていた日本沈没も里城副総理(石橋蓮司)主導のもと、なかったことにされようとしていた。
追い討ちをかけるように、著名なジェンキンス教授(モーリー・ロバートソン)も日本沈没を否定。企業の協力も得ることができず、天海(小栗旬)は、窮地に追い込まれる。
一方、Dプランズから政府に接触があり、海外の土地購入の話を持ちかけてくる。秘密裏に動くべく、その土地を東山総理(仲村トオル)は購入を決断。
そんな中、天海は椎名(杏)の協力を得ながら、田所を陥れたい人物を特定しつつあった。
その人物とは……?
そして、すべてが明らかになった時、世界との駆け引きが始まる。
はたして、日本人総移民の希望を見出すことができるのか。
第7話のレビュー
「日本沈没」第7話。最終回まで残りわずかというところで、本作がようやくスタートラインに立った気がした。
日本全土が1年以内に沈没すると予測した田所博士(香川照之)の逮捕。それを受け、里城副総理(石橋蓮司)は移民交渉の切り札として用意していた日本企業と共に首都復興に乗り出す。関東沈没説を支持していたジェンキンス教授(モーリー・ロバートソン)までも、里城副総理へ大義名分を与えるように日本沈没を否定。
まるで、最初からなかったことのように日本沈没は闇に葬られようとしていた。
前回のラストで、天海が叫んだ「こんなことをして何になるって言うんだ!」という言葉が脳裏をよぎる。不都合な真実から目を逸らしても、現実は何も変わらない。永遠に繁栄し続けると信じた日本と共に、いつの間にか自分の身体も海へ沈みゆくかもしれないのに何故——?
そこには建国から2681年、日本人が積み上げてきたものを一瞬で失い、見知らぬ土地へ放り出されることへの「恐怖」と「怒り」があった。
天海が椎名(杏)の協力を得て、田所博士を陥れた人物を探ったところ、黒幕の存在が発覚。Dプランズ社と手を組み、事前に買い付けた海外の土地を政府に多額で売り捌こうとしていたのは長沼官房長官(杉本哲太)だった。
政府が日本企業の海外移転を条件に移民枠を獲得すると、Dプランズが購入した土地が売れなくなってしまう。長沼はそれを恐れ、田所博士の助手を脅してジェンキンス教授に不完全なデータを送っていたのだ。
ジェンキンス教授は、改めて田所博士の日本沈没説を支持する。長沼も東京地検に連行され、何も知らなかった里城副総理は憔悴しきっていた。そこから里城副総理が現実を受け入れるまでの複雑な心境を表現した石橋蓮司の演技が圧巻だ。
「戦後のどん底から、我々が必死に、必死に築き上げてきた産業や文化はどうなるんだ。真面目で勤勉な日本国民が、努力を重ねて守り続けてきたこの豊かさと繁栄も、丸ごと沈むというのか」「日本は沈むんだな」
戦後を生き抜いてきたからこその言葉が重い。振り絞るようなセリフ回しが、積み上げてきたものを一瞬で壊される絶望を物語っていた。
しかし、「希望のひと」というサブタイトルにもあるように、絶望の中にも希望は生まれる。現実を受け入れ、再び立ち上がった里城副総理は強かった。生島自動車の移転を交渉カードに、里城副総理は中国から1000万人の移民受け入れを取り付ける。
また田所不在の間、データ検証を行っていた世良教授(國村隼)も実質研究職に復帰。田所博士との因縁も解消され、二人は手を取り合って、今後の検証作業に入る。
全てがうまく行き始めた。そう思った矢先、中国と同時に交渉を進めていたアメリカに、「(生島の移転先は)必ずアメリカでまとめる」と東山総理(仲村トオル)が勝手に約束していたことが明らかとなった。
さらにはアメリカの大統領が早々に、ナショナルモータースと生島自動車の合併を会見で発表。不信感を持った中国も日米両政府に抗議を表し、なんと日本沈没を全世界に発表してしまうのだった。
最終回まで残り2話。日本の大混乱が予測される今後、天海たちは無事に1億2000万人の国民を海外に避難させることはできるのだろうか。
※この記事は「日本沈没ー希望のひとー 」の各話を1つにまとめたものです。
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