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2021年11月14日

<和田家の男たち>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

<和田家の男たち>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】

第8話ストーリー&レビュー

第8話のストーリー

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ついに母・りえ(小池栄子)の死の真相にたどり着いた和田優(相葉雅紀)と秀平(佐々木蔵之介)。26年前、りえを殺したのは現国土開発大臣の清宮恭介(高橋光臣)だったのだ! 秘書の証言をもとに真実を報道しようと動き出す秀平だったが、寛(段田安則)は、その結果秀平が窮地に立たされる可能性もあることを危惧。「秀平は矢面に立たされ、『フロンティアニュース』も終わるかもしれない」と忠告するが、秀平の決意は固く、とうとうその思いを尊重することに…。

リスクヘッジのため、『週刊アスタ』の編集長・岸文子にも清宮の件を共有し、秘書の証言VTRの編集も自ら手掛ける秀平。そしていよいよ『フロンティアニュース』で清宮の罪を明らかにする日がやってくる…!

一方、優と志麻さと美(石川恋)の関係にも新たな動きが。そして亜蓮(草刈民代)と結婚した寛も、亜蓮が「どうしても叶えたい」という願いを叶えてあげることに。秀平と文子の恋にも進展があり、和田家の男たちの恋もさらに加速していき…?

第8話のレビュー

最終回を迎えて、改めてすごいドラマを観ていたんだなと思った。

政治・仕事・恋愛・結婚・家族……ドラマの中に自然と溶け込んでいて、観ている間にするっと入り込んでくる。あくまでもホームドラマの雰囲気を壊さずに、それでいてわざとらしくなく訴えてくるものがあったと思う。

ーーーーー

第8話は最終回というだけあって、1話の中に緊迫感も幸福感もぎゅっと詰め込まれていた。(第7話よりも緩急の差がすごかった)

和田秀平(佐々木蔵之介)は密かに清宮恭介(高橋光臣)がりえ(小池栄子)を殺した事実を告発する準備を進めていた。だが、事前に事態を知ったフロンティアニュースの部下たちによって、秀平の目論見は阻止された。

正直、観ていて本当に辛かった。秀平は極力番組に迷惑がかからないように、それでも和田家の人間として、報道人として行動しようとした。部下たちは秀平を守ろうとした。どちらも間違っていないのだと思う。第7話を観た時は「(フィクションだから)清宮に正義の鉄槌がくだされるのかも」と考えていたが、秀平の告発を止めたことがこのドラマらしいようにも思える。

秀平は結局、清宮の違法献金疑惑に関する秘書の証言だけ残したテープを部下に託し、テレビ局を去った。部下が言った通り、秀平が違法献金疑惑だけ扱っていたらテレビ局を退職する必要なんてなかったのだ。たとえ自らのキャリアが絶たれたとしても、最後まで抗いたかったのだろう。あまりにもリアルで、あまりにも残酷だ。(フィクションだけど)

告発に失敗した帰り道、優(相葉雅紀)は父親を直接迎えた。“こんな時は放っておくのが大人の優しさ”とは言っても、秀平はきっと救われただろう。大人な気遣いではなくても、“和田優”の性格と親子の絆を感じられて、筆者もちょっと泣いた。


“和田家の関ヶ原”に敗れたとはいえ、いつまでも立ち止まってはいられない。

優は志麻さと美(石川恋)とデートして関係を深める。詳細まで描かれていないが、微妙にすれ違っていた2人が仲睦まじく歩いているだけでもう嬉しい。そしてチラリとうつった「S」の刺繍……志麻が優の刺繍を受け入れたということは……深く突っ込むことは野暮だろう。ごちそうさま!

祖父の寛​​(段田安則)は結婚した亜蓮(草刈民代)の「ウェディングドレスを着たい」という願いを叶えるために、自宅でプチパーティを開いた。ウェディングドレス姿の亜蓮はそれはもう美しく、寛が抱きつきたくなるのもわかる気がする。

プチパーティで撮った和田家の男たちとパートナーの集合写真、これから波はあってもそれぞれに幸せな未来があることを教えてくれている気がする。もうハッピーエンドだ。


秀平の告発失敗とそれぞれの恋を見届けて緩急の差で満腹になっていたが、まだ終わらない。結局、清宮は違法献金疑惑が世に出たことで大臣は辞めたが、議員辞職はしなかった。この辺りの描き方も、なぜかとてもリアルに思える。たとえ事実を握っていても、現実はそんなに単純ではなかったのだ。“正義”が下されるスカッと感を味わえなくとも、むしろリアルに思えて心地よかった。

いつものように食卓を囲んでいたとき、別居婚を選んだ秀平に対して、寛が「あんた(優)と私(寛)と一緒にいたいんだよ」と言ったとき、「一緒にいたいんです」と返していたシーンが強く残っている。和田家の家族としての絆が固いという象徴であり、徐々に育まれてきた関係性を語っている瞬間だった。


物語は一気に進んで1年後——

優は「パズとぴ」で連載を始めた小説を書籍化してブレイク。立派な小説家になっていた。タイトルは「熱狂する男たち」。優の「本当に思ったことはフィクションでしか書けない」という考えには和田家での激動の日々が生きているのだろう。どことなく、このドラマの存在自体を指しているようにも思えた。優の在り方が反映されている文章なら、もっと大ヒットするに違いない。どうか現実でも書籍化を……!

寛と秀平はあんなに嫌がっていたのに、結局2人でWebメディアを立ち上げており、しかも登録者120万人である。さすがは報道界の前線にいた親子といったところ。寛と秀平にWebメディアを立ち上げることを提案した優、何気ないけどナイス采配……!

優の小説が70万部を突破、前髪を上げてビジュアル大勝利だった優、優をサポートしながら横で微笑む志麻、軽快にパソコンを操る寛、イキイキと働く秀平……などラストの短時間で詰め込みすぎて情報量に溺れそうになったが、和田家の男たちの仲の良さと明るい空気感だけはきちんと伝わった。


きっと、これからも日本のどこかで和田家の男たちは楽しく食卓を囲むのだろう。どうかそうあってほしい。

こちらも注目!「優クンの台所」の魅力

ドラマレビューの際はストーリーを語ることに注力していたが、「和田家の男たち」に登場する料理はどれも魅力的なのだ。
食事系ドラマではなくとも、飯テロ効果はばっちりである。

ドラマを支えた料理を作っていたのはもちろん和田優(相葉雅紀)。彼のそつのない動きは見ていて違和感がなく、今回の役柄にもぴったりだった。長年「相葉マナブ」で鍛えた力がしっかりと出ていて、ファンであれば毎回目で追うのに必死だったと思う。彼は寿司も握れるスーパーアイドルなのだ。(以前書いた気がするが、塩ひとつまみを塩ひとつかみだと勘違いした過去が懐かしい)

優が父親に差し入れたお弁当の「イカ団子」や最終決戦前に作った「ハムカツ」など、印象的な料理は多いが、特に「ミルクすき焼きマキアート」は忘れられない。

料理の切り口からストーリーを振り返ってみると、優のその時の心情や優しさが詰まっていて別の面白さが見えてくる。



(文:シネマズ編集部)

※この記事は「和田家の男たち」の各話を1つにまとめたものです。

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