「科捜研の女」第8話:閉じこめられるマリコ?美しきAI研究者との対決(※ネタバレありレビュー)
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木曜ドラマ「科捜研の女 season21」が、2021年10月14日(木)より放送スタート。沢口靖子主演の大人気サスペンスシリーズが、木曜の夜に帰ってくる。
画像分析やDNA鑑定などの科学技術を駆使し、難解な犯罪捜査に立ち向かう様を描いた本シリーズ。榊マリコ(沢口靖子)の活躍もさることながら、ともに捜査に精を出す刑事・土門薫(内藤剛志)の熱血ぶりも魅力だ。
本記事では、その第8話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。
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「科捜研の女 season21」第8話レビュー
第8話の舞台は最新のAIを研究する京都AIセンター。二酸化炭素消火装置が作動し、サーバールームにいたネットニュース記者・高階浩也(野田晋市)が二酸化炭素中毒で亡くなった。センターの主任・宮越優真(美村里江)は、黒服が似合うミステリアスな美女。凛として透明感のあるマリコ(沢口靖子)と対峙するシーンはまさに美女たちの共演で、思わず見惚れてしまった。優真は研究所のセキュリティを司る優れたAI“UMAⅡ(ユマ・ツー)”が、高階を危険な人物と判断して排除したのでは……と推論する。
高階を殺したのはAIなのか? この人ならぬ容疑者が科捜研の面々を悩ませる。とはいえ、難解な事件でも決して諦めないのがマリコと土門(内藤剛志)。殺人の動機を調べるという土門に対しマリコは「物証を探してみる」とうなずく。二人のチームワークはいつでも明快だ。
研究所のサーバールームを調べるマリコと呂太(渡部秀)は、扉の下で擦ったような痕を発見。呂太が採取キットを取りに部屋を出てマリコは一人残るが、扉がロックされているのに気づいてパニックに。ゲスト用IDを持っていってしまった呂太がすぐに戻ってことなきを得たが、もしやAIがマリコを閉じ込めて消そうとしたのか…とヒヤヒヤさせる場面だった。
鑑定した結果、擦り痕はモバイルバッテリーのものと判明。高階が最近購入していたのと同じものだ。閉所恐怖症の高階はサーバールームに入った際に扉を閉めきることができず、ストッパー代わりにモバイルバッテリーを置いていた。
マリコたちが改めてセンターを捜査すると、優真のロッカーからモバイルバッテリーが出てくる。しかし、優真は動揺することなく前日に仕掛けたという防犯カメラの映像を見せた。映っていたのはセンターの前主任・中垣(近江谷太朗)がロッカーのそばに立つ姿だった。
実は高階は中垣にとって息子の敵。かつて高階が書いた記事でストーカー呼ばわりされ誹謗中傷を受けたことで息子は自殺してしまったのだ。センターに取材に来た高階を見たときから復讐心をつのらせていった中垣。高階が優真について調べているのを逆手にとってサーバールームにおびきだし、二酸化炭素消化装置が作動するよう設定して殺害したのだった。
AIの犯行かとも思われた難事件を見事解決したマリコ。優真に「AIには殺人は犯せない。正確にいえば、人が手を貸さない限り不可能だということです」と言い切る姿がとても清々しかった。科学と人の力を信じている彼女らしい言葉だ。
ただ、優真については一抹の謎が残った。
高階はネット上でフェイクニュースを捏造する「負のインフルエンサー」を追っていたらしい。彼のパソコンにはAIセンターのIPアドレスを記したメモが残っていた。
そして、中垣のパソコンで見つかったのは、誹謗中傷で家族や友人を失った人が集まるサイトの履歴。そこには復讐を肯定するような言葉が並んでいた。
これらから考えられるのは、優真こそが負のインフルエンサーで、ネット上で中垣の復讐心を煽り高階を殺すよう仕向けたのではないか……ということ。
美しく不適な笑みを浮かべ続けていた優真。彼女の真意は何だったのだろうか。
「科捜研の女 season21」第8話ストーリー
最新鋭のAI(人工知能)を研究する“京都AIセンター”のサーバールームで、ネットニュースの記者・高階浩也(野田晋市)の遺体が見つかり、榊マリコ(沢口靖子)たち科捜研に出動要請が入った。火災通報があったため消防が急行して遺体を発見したのだが、火事の痕跡は現場にも遺体にもまったくなく、検視の結果、死因は二酸化炭素中毒と判明。現場には、二酸化炭素を放出して鎮火する二酸化炭素消火装置が設置されていた。京都AIセンターのラボ責任者・宮越優真(美村里江)によると、センターのセキュリティーはすべて、彼女が開発したAI“UMAⅡ(ユマ・ツー)”が司っているという。優真は、UMAⅡのように優れたAIは人間と同等の判断力を有し、常に最善の選択を行うと自信満々。UMAⅡはラボへの貢献度や友好度を判断して訪問者の入館を許可しているとも話し、職員でもない高階が深夜、サーバールームに侵入できたのも、UMAⅡが高階のことを好意的な記事を発信してくれる存在として認識し、入館を許したのではないかと分析する。
では、火災が発生していないのになぜ二酸化炭素消火装置が作動したのかーーその問いに、優真はUMAⅡが何らかの理由から高階を自分にとって危険な存在と判断し、消火装置を作動させたのではないかと推測。つまり、AIが自らの判断で高階を排除したのではないかと話す。
AIによる殺人の可能性を示唆され、がく然とするマリコと土門薫刑事(内藤剛志)。だが、たとえAIが人を殺したとしても、犯罪が起きた現場には必ず証拠が残るはず。そう信じるマリコは徹底検証を開始するが、直後、戦慄の事態がマリコを襲うーー!
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(文:田下愛)
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