<私の正しいお兄ちゃん>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第2話ストーリー&レビュー
第2話のストーリー
>>>「私の正しいお兄ちゃん」の画像をすべて見る
海利が人を殺したかもしれない。そんな疑いを持ちながら海利のアパートを出る理世。名前を呼ばれ振り返ると、そこには日記を持った海利の姿が。「俺があいつを殺したのは…」そう言った海利に怯え、理世は慌てて逃げ帰る…。
第2話のレビュー
「人を殺して、逃げられるのだろうか」海利(古川雄大)の部屋で、衝撃的な秘密が書かれた日記を見つけてしまった理世(山谷花純)。受け入れがたい現実に直面すると、人は“そんなはずない”と自分に暗示をかけてしまうもの。理世もまた、海利が小説家だと思い込むことにした。
しかし、日記を見られてしまったことに気づいた海利は、理世を追いかけてきて「違うんだ。俺があいつを殺したのは……」と言い訳を始める。咄嗟に逃げた理世だったが、海利が人殺しだった事実に苦しむとともに、自分の中で芽生えた恋心に気づいてしまった。
「私の正しいお兄ちゃん」第2話は、繊細で傷つきやすい海利と理世が共依存の入り口に立たされていく姿が印象的だった。
人を傷つけるのは、感情をセーブできない人が多い。立花(堀井新太)に聞いた特徴に海利は当てはまらなかった。幼い自分をいつも守ってくれた兄に容赦なく暴力を振るっていた親、お店の中で声を荒立てるクレーマー。彼らとは違い、海利はいつも穏やかで誰かを傷つけたりしない。
理世の心に変化が現れた時、そこへ更に揺さぶりをかける出来事が。クレーマーに盗まれた自転車を、海利が身体を張って取り返してくれたのだ。
店長(ダンディ坂野)の話によれば、海利は相手から一方的に殴られても一切手を出さなかったという。感謝を伝えるため、理世は勇気を出して海利の家を訪れた。
自転車が盗まれた時、「どうして私なんだろう」と泣いた理世を何も言わず抱きしめてくれた海利。互いの温もりを感じながら、二人はあることに気づいてしまったのだろう。
この人は自分と同じように理不尽な出来事に大切なものを奪われ、傷つけられてきた人間なのだと。そして、その瞬間に生まれる「自分にしか相手の傷をわかってあげられない」という思いが恋愛を加速させる。海利と理世の場合は秘密を共有することで、より深く“二人だけの世界”に入り込んでしまった。
一緒に眠りにつく海利と理世は、大切な人がそばにいる幸せを噛み締める。ある出来事が二人を引き裂くことも知らずに。
理世は後日、立花が兄の行方を密かに追ってくれていたことを知る。年齢、性別、居住地域で調べた結果、何人か理世の兄に該当する人物が浮かび上がった。捜査資料の中に兄と似た男性は見つからなかったが、一つだけ気になる写真が。
それは背中だけを映した写真で、被虐待児の兄と同じ特徴的な傷がついていた。お兄ちゃんが見つかるかもしれない……。そう期待を抱いた理世だったが、すぐに「これは2年前に富山の神通川で見つかった身元不明の遺体の背中にあった火傷の写真なんだ」という立花の言葉に打ち砕かれる。
もし本当に兄が亡くなっていたとすれば、理世にとって残された唯一の希望は海利だけになってしまう。二人が共依存の沼にはまっていく未来が容易く想像できてしまうが、予告を見る限り、もっと残酷な運命が待ち受けていそうだ。
※この記事は「私の正しいお兄ちゃん」の各話を1つにまとめたものです。
→元記事はこちら
→目次へ戻る
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(c)モリエサトシ・講談社/フジテレビジョン