<私の正しいお兄ちゃん>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】
第7話ストーリー&レビュー
第7話のストーリー
>>>「私の正しいお兄ちゃん」の画像をすべて見る海利の手紙を読み、急いで海に引き返す理世。そこには倒れている海利の姿が…。救急車に乗りたかった理世はとっさに兄妹とウソをつき、海利は「徳本正己」として治療を受けていた。一方、DNA鑑定の結果が分かり、遺体と理世は兄妹ではないと証明された。しかし、その結果に立花は納得が行かず…。
第7話のレビュー
ついに次週、最終回を迎えるドラマ「私の正しいお兄ちゃん」。本作は幼い頃に生き別れた兄と再会する日を待ちわびる大学生・理世(山谷花純)が、バイト先の先輩・海利(古川雄大)と出会うところから始まった。
理世はどこか兄に似た面影を持つ海利に心惹かれていくのだが、次々と衝撃的な事実が明らかに。なんと海利は2年前に殺人を犯しており、しかも被害者は兄の正己(長谷川純)だったのだ。当然、幼い頃に両親の虐待から自分を守ってくれた兄を失った理世は海利を憎む。最初は自らの手で復讐を果たそうと思ったほど。
しかしながら、海利が語る話によれば、正己は不良グループの一員で女性に暴力を振るう、理世の記憶に残る兄とは似ても似つかない最低の人間に成り下がっていた。もちろん、どんな理由があるにせよ殺人を正当化することはできない。でも正義を貫こうとした結果、罪を犯してしまった海利に同情した人も多いはず。身内である理世すらも、もはや「兄は殺されても仕方のない人間だった」と思ってしまい、そんな兄の代わりに海利を心の拠り所にしてしまっている状況だ。
ここで気になるのが、「私の正しいお兄ちゃん」というタイトルだ。理世が兄に抱いていた理想は海利に出会ったことで崩れ去ったにもかかわらず、タイトルで“正しい”とされているのは何故なのか。その理由が最終回を目前にした第7話で少しずつ明らかになってきた。
理世は、愛する人の兄を殺してしまったことに気づき、自ら命を絶とうとした海利にこう語る。
「私にとってお兄ちゃんっていうのは、一緒にいるだけで幸せだと思える人のこと。同じように思ってくれる人のことで、その人がいるから辛いことも耐えられて。その人が兄だったから、“お兄ちゃん”って名前が付いてるだけだったんです」
この言葉からわかるのは、理世が求めていたのは“お兄ちゃん”そのものではなく、寄り添い生きる幸せを分かち合える存在だということ。両親からの暴力に怯えていた幼き日の理世にとって、それは正己だった。
あの頃のようにいつかお兄ちゃんと共に平凡な幸せを噛み締めたい。きっとお兄ちゃんもそう思ってくれているはずだ。そんな風に自分を奮い立たせてきた理世は、正己が負の感情に呑み込まれてしまったことを知り、裏切られた気分になったのだろう。一方で、海利は「理世ちゃんのそばにいれるだけでいい」と言ってくれた。
理世にとって“正しいお兄ちゃん”とは、正己の代わりに自分の願いを叶えてくれた海利のことだったのだ。
しかし、そんな理世の考えを間違っていると指摘するのが、刑事の立花(堀井新太)。彼は海利の罪を明らかにすべく、理世のDNAを無理矢理採取しようとする。それは刑事だからというのもあるが、それ以上に何も後ろめたいことのない幸せを理世には掴んでほしいからだろう。
最後に神様が味方するのは正義なのか、愛なのか。
※この記事は「私の正しいお兄ちゃん」の各話を1つにまとめたものです。
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